連載
» 2013年07月12日 13時02分 UPDATE

Tech TIPS:sysprepで環境複製用のマスターイメージを作成する(Windows 7/8編)

多数のWindows OSの導入を行う場合、sysprepでマスターとなるディスクイメージを作成し、それをコピーして利用すればインストールの手間が軽減できる。Windows 7/8やWindows Server 2008 R2/2012に標準装備のsysprep.exeの基本的な使いこなし方を解説する。

[打越浩幸, 島田広道,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象OS:Windows Vista / Windows 7 / Windows 8 / Windows Server 2008 / Windows Server 2008 R2 / Windows Server 2012 (Windows XP / Server 2003はこちら→



解説

 TIPS「sysprepで環境複製用のマスターイメージを作成する(Windows XP/Server 2003編)」では、Windows XPやWindows Server 2003において、sysprepを適用する方法について紹介した。sysprepは、Windows OSのインストールを簡略化し、大量に展開するために利用されるツールである。元となるWindows OSシステムを1台用意して準備し、それにsysprepを適用すると、展開用のマスター環境が用意できる。そのコンピュータのディスクを丸ごとイメージ化して他のPCのディスクへコピーすれば、システムのセットアップを簡単に済ませることができるし、インストールにかかる時間も短縮できる。いちいち各コンピュータにインストール用メディアをセットしてWindows OSをインストールする必要がなくなるからだ。

 本TIPSでは、Windows Vista/Windows 7/Windows 8、およびWindows Server 2008/Windows Server 2008 R2/Windows Server 2012におけるsysprepの一番基本的な使い方について解説する。これらのOSでは、あらかじめシステムにsysprepコマンドが用意されているため、ツールをあらかじめインストールする必要はなく、Windows XP/Windows Server 2003に比べて操作が簡単になっている。

 sysprepに関する情報については、以下の情報なども参照のこと。

 なお、関連するTIPSについてもWindows 8/Windows Server 2012向けの解説を追記して更新していく予定である。

操作方法

●sysprepをGUI画面で利用する

 sysprepの実行プログラム「sysprep.exe」は、%SystemRoot%\System32\sysprepフォルダにあらかじめ用意されている。このフォルダを開くには、[ファイル名を指定して実行]ダイアログで「sysprep」を実行すると簡単に見つけることができる。

 応答ファイルを使って無人インストールさせる場合は、このsysprepフォルダの中に応答ファイル(デフォルトではUnattend.xml)を保存してから、sysprep.exeを実行する。Unattend.xmlファイルは、Windows Automated Installation Kit(Windows AIK)またはWindowsアセスメント&デプロイメントキット(Windows ADK)に含まれる「Windows システム イメージ マネージャー」というツールを使って作成する。詳細は次の関連記事を参照していただきたい。

 Unattended.xmlファイルなしでsysprepを実行すると、有人インストールモードとなり、システムの再起動後の設定は全てユーザーが指示する必要がある。大量展開するのでなければ、通常はこのモードでよいだろう。

 sysprepフォルダにあるsysprep.exeをダブルクリックして起動すると、次のようなsysprepの起動画面が表示される。

sysprepのGUI画面 sysprepのGUI画面
sysprepでOSのマスターイメージを作成する場合、通常はこのように設定して終了させる。
  (1)再起動後のアクションの指定。OOBE(Out-of-Box Experience)を指定する。OOBEとは、(製品を)箱から取り出してすぐの体験、つまり初期状態(からのセットアップ過程)という意味。
  (2)これをオンにしておかないと、例えば同じSID情報などを持つOSイメージになってしまう(複数台に展開すると情報が衝突する)。オンにしておくと、ハードウェア固有の情報が削除され、それらの値は必要に応じて次回起動時(セットアップ時)に再生成される。SIDについてはTIPS「環境の複製にはnewsidではなくsysprepを利用する」も参照。
  (3)sysprep実行後の処理。物理マシンの場合は[シャットダウン]でよいが、仮想マシンの場合は(勝手に再起動することがあるので)[終了]にしておいて、のちほど手動でシャットダウンする方がよい。
  (4)これをクリックするとsysprepによる処理が始まる。

 幾つか選択肢(オプション)があるが、通常はこの画面のように設定してから[OK]をクリックしてsysprepを実行する。それぞれのオプションの意味は次の通りである。

設定 意味 コマンドラインオプション
システムクリーンアップアクション
システムのOOBE (Out-of-Box Experience) に入る システムの再起動後、「Windowsへようこそ」画面(初期セットアップ画面)へ入る /oobe
システム監査モードに入る システムの起動後、監査モードに入る。監査モードでは保存されているイメージをベースにして、さらにカスタマイズすることが可能 /audit
一般化オプション
一般化する このチェックボックスをオンにすると、イメージに含まれるハードウェア固有の設定などが削除され、今後別のコンピュータで利用できるようになる。そして次回起動後のセットアップでは例えばSIDの再生成などが行われる。通常はオンにする。なおこのチェックボックスをオンにして1回sysprepを実行すると、Windows OSのライセンス認証の猶予期間の延長可能回数が1回分減少する(猶予期間の延長については、TIPS「Windows OSのライセンス認証の猶予期間を延長する」参照)。Windows Vista/7やWindows Server 2008/2008 R2では、この延長可能回数が最大3回しかないため、1つのOSイメージに対して4回sysprepを実行すると、致命的なエラーが発生して失敗する。一方Windows 8/Windows Server 2012では最大1000回と増えており、事実上制限はない /generalize
シャットダウンオプション
シャットダウン sysprepの実行後、システムを自動的にシャットダウンする。ただし環境によっては勝手に再起動してしまうことがあるので、その場合は[終了]の方を選択する /shutdown
再起動 sysprepの実行後、システムを再起動する。再起動すると再セットアップが始まってしまうので、イメージを他のコンピュータで利用したい場合はこのオプションは使用しない /reboot
終了 sysprepを終了しても、システムをシャットダウンも再起動もしない。ユーザーは手動でシャットダウンする必要がある /quit
仮想マシン専用オプション(Windows 8/Windows Server 2012)
(コマンドラインのみ。GUIからは利用不可) このオプションを指定すると初回起動時にハードウェアのチェックが省略され、起動時間が短縮される。VDIのように同じハイパーバイザー上で仮想マシンを複製する場合に有効なオプション /mode:vm
sysprepのオプション

 [一般化する]チェックボックスをオンにする場合は、Windows OSのライセンス認証の猶予期間を延長できる回数(リセット回数)に注意する必要がある(猶予期間の延長については、次の関連記事を参照)。この場合、sysprepを1回実行するたびに延長可能回数が1回分減少する。Windows Vista/7やWindows Server 2008/2008 R2では延長可能回数が最大3回しかないため、一般化オプション付きのsysprepか、「slmgr -rearm」コマンドによるライセンスの猶予期間の延長は、1つのOSイメージにつき、合わせて3回までしか適用できない。もし4回実行すると致命的なエラーが発生して失敗してしまう。一方Windows 8/Windows Server 2012では最大1000回と大幅に増えており、事実上制限はない。

 もう1つ注意したいのはシャットダウンオプションである。特に仮想環境上でsysprepを実行している場合、「シャットダウン オプション」(上の画面の(3))で「シャットダウン」を選択していても勝手に再起動してしまうことがある。再起動するとセットアップが実行されてしまうので、配布用のOSイメージを取得することができない(OSイメージは、仮想マシンが停止中に取得する必要がある)。そこで、そのような環境の場合は勝手に再起動しないように、「シャットダウン オプション」では[終了]を選択し、sysprepの実行だけを終了させる。その後、手動でシステムをシャットダウンさせるとよい(次のブログ情報も参照)。

●sysprepをコマンドプロンプトから利用する

 sysprepはコマンドプロンプトから利用することもできる。そのためには%SystemRoot%\System32\sysprepフォルダへ移動し、次のコマンドを実行する。

sysprep /oobe /generalize /shutdown



もしくは、次のようにする。

sysprep /oobe /generalize /quit



 指定するオプションは先の表に示しているが、以下の情報も参照していただきたい。

●再起動後の画面例

 以上のようにしてsysprepを実行すると、指定した処理が行われ、システムがシャットダウンする。管理者はこの状態で(ディスクのクローニングツールなどを使って)システムのイメージを作成し、他のコンピュータに展開すればよい。仮想環境の場合は、仮想ディスクファイルをコピーするだけで簡単に展開できる。

 このようにして作成したイメージを起動すると、Windowsの初期セットアップ画面が表示されるので、あとは必要に応じてインストール作業を進めれば(コンピュータ名やユーザーアカウント設定、ネットワークの場所の設定など)、システムの展開が完了する。

■仮想マシン上のWindows 7の場合

Windows 7の初期設定画面

■仮想マシン上のWindows 8の場合

Windows 8の初期設定画面 Windowsの初期設定画面
sysprepされたイメージを起動すると、無人設定ファイルが指定されていない限り、このような初期設定画面が表示される。あとは通常のインストール作業を進めていけばよい。

 この例では初期設定画面が表示されているが、無人設定ファイルを使えばコンピュータ名やユーザー名、プロダクトキー入力などの設定も全て自動的に行わせることが可能である。具体的な方法についてはTIPS「sysprep用の応答ファイルを作る(Windows 7/Server 2008 R2編)」を参照していただきたい。

 ところで本TIPSでは、既にインストール/起動済みのOSイメージに対してsysprepを適用する方法を紹介しているが、最初から複製/展開用のOSイメージを作るつもりなら、インストール時に監査モードを使ってカスタマイズすると簡単である。詳細はTIPS「監査モードで環境複製用のマスターイメージをカスタマイズする(Windows 7/Server 2008 R2編)」を参照していただきたい。


 その他のWindows 7 TIPSについては、次の記事一覧ページを参照していただきたい。

■更新履歴

【2013/07/12】Windows 8/Windows Server 2012向けの記述を追記しました。

【2011/10/21】初版公開(対象はWindows 7/Windows Server 2008 R2)。


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