連載
» 2013年08月22日 17時03分 UPDATE

Windows Server 2012 R2時代のHyper-Vサーバ設計術:第1回 最新モデルを意識したCPUとメモリのサイジング (1/3)

仮想化が一般化した昨今のサーバ・システム。旧サーバの延命が目的だった数年前とは違い、最初から仮想環境上で動作させることを前提としたシステムが求められている。本連載では、Windows Server 2012 R2のHyper-Vをベースにして、今使える仮想化システムの技術トレンドや設計、機器の選択方法などについて解説する。第1回では、CPUとメモリのサイジングについて解説する。

[小川大地(Microsoft MVP for Virtual Machine),日本ヒューレット・パッカード]
Windows Server 2012 R2時代のHyper-Vサーバ設計術
Windows Server Insider


「Windows Server 2012 R2時代のHyper-Vサーバ設計術」のインデックス

連載目次

本連載では、Windows Server 2012 R2のHyper-Vをベースにして、現在求められる仮想化システムの技術トレンドや設計、機器の選択方法などについて、全4回で解説します。


 仮想化のプラットフォームとして、Windows Server OSのHyper-Vを採用する企業が増えている。調査機関のデータをもとにした日本マイクロソフトの資料によると、2012年1年間の仮想化サーバのシェアで、Hyper-Vはついに1位になったということだ(参考ページ の市場調査グラフ参照)。「Hyper-Vが1位になった」という結果は、Windows Server 2003の延命などでこれから仮想化を始めようとしているユーザーはもちろん、すでに仮想化を導入・運用しているユーザーにも“要検討事項”としてインパクトを与えている。

 日本でサーバ仮想化が普及し始めたのは2006年頃からだ。当時はVMware社のVMware vSphere(旧VMware Infrastructure)製品を採用するのが“常識”であり、実際に多くの企業がITコストの大幅削減に成功した。しかし7〜8年が経過した現在、それら“第1次仮想化システム”がリプレース時期を迎え始めている。前回同様のVMwareシステムを最新のサーバで導入すればよいと考えがちであるが、実際の担当者の話を聞くとそう簡単ではないらしい。

図1「日本におけるサーバ仮想化の歴史」 図1「日本におけるサーバ仮想化の歴史」
日本でサーバ仮想化が普及し始めたのは、いまから7〜8年前の2006年くらいからだ。2006〜2009年の「黎明期」、2009〜2012年の「普及期」、2012〜(2015)年の「仮想化前提期」とおおむね3年ごとに分類できる。

 理由はコストのジレンマにある。VMwareによる第1次仮想化システムが成功してしまったために、経営層が「IT予算はまだまだ無駄があるのではないか? 削れるのではないか?」と考えてしまうのだ。しかし、物理システムから仮想システムへの移行であればハードウェア・コストの圧縮による大きなコスト削減が期待できるものの、仮想システムから仮想システムへの移行の場合はそれほど大きなコスト削減は期待できない。

図2「“第2次”仮想化システムの予算」 図2「“第2次”仮想化システムの予算」
物理システムから仮想システムへ移行することで大きなコスト削減が可能だが、仮想システムから仮想システムのリプレースでは経営層の期待する予算にまで削減するのは容易ではない。

 ここを経営層が正しく理解し、次期予算を増やしてくれるのであれば悩むことはない。しかし、実際はそうはいかないために、担当者はソフトウェア・コストの削減に目を向けざるを得なくなっている。

 このような背景があるため、ハイパーバイザに対する追加コストが発生せず、大幅にバージョンアップして機能もVMwareと遜色がなくなりつつあるWindows Server 2012のHyper-Vは、仮想化経験者から大きな注目を浴びている。

 本連載では、VMwareや旧世代のHyper-Vなどの仮想化経験者を対象に、“最新世代”のHyper-Vのシステム設計やノウハウを数回にわたって解説する。最新世代と表現したとおり、2013年10月リリース予定のWindows Server 2012 R2のHyper-V*1にも対応する内容であることはもちろん、最新のx86ハードウェアのテクノロジも多く盛り込み、数年後でも色褪せないシステム設計を目標としていきたい。

*1 本稿執筆時点ではWindows Server 2012 R2はリリース前であり、Preview版での仕様をベースにしている。


 サーバ仮想化は現在、オフィス設置のタワー型サーバから、データセンター、プライベート・クラウドまでさまざまな規模で利用されている。すべての規模を網羅する設計はなかなか難しいことから、本連載では、System Center製品群を利用しない、中規模クラスのシステムをメインターゲットとしていく。もちろん、ライブ・マイグレーションやホスト・クラスタリング(HA)といった高可用性技術は必須要件として盛り込むので安心してほしい。

 今回は、サーバ集約率の算出で重要となる、CPUとメモリのサイジングについて解説していこう。

図3「仮想化システムの規模感と管理ツールのマッピング」 図3「仮想化システムの規模感と管理ツールのマッピング」
本連載では、薄い緑で示した、中規模クラスのシステムをメインターゲットとして解説していく。

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 1999-2017 Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.

@IT Special

- PR -

TechTargetジャパン

この記事に関連するホワイトペーパー

Focus

- PR -

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。