事業者は、メールサービスとどう向き合うべきかコスト効率と付加価値を実現するには

インターネット接続プロバイダやそのアウトソース先、さらに企業にとって、メールサービスの運用はますます大きな課題となっている。打開策はどこにあるのか?

» 2013年08月28日 10時00分 公開
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 ISPなどのサービスプロバイダ、および企業において、メールシステムの運用は頭の痛い問題になってきた。いずれにおいても各ユーザーに、大容量のメールボックスを提供しなければならなくなってきたからだ。しかも、これに大きな費用を掛けるわけにはいかないので、コスト効率の高い大容量のメールボックスを提供する仕組みが必要になってきた。

 サービスプロバイダのメールサービスを使うユーザーも、企業のメールシステムを使う社員も、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットを含めた複数の端末を使い分けるようになってきた。また、職場では会計監査において、発注・受注などの証左として、メールの提出が求められることも増えている。受信メールをメールボックスに残したまま、IMAPあるいはWebでアクセスする傾向が急速に高まっているのだ。

 特にサービスプロバイダにとっては問題が深刻だ。無料で5Gバイトといった大容量のメールボックス容量を提供する、フリーメール・サービスが登場してきているからだ。オンラインストレージやカレンダー、アドレス帳といった各種Webサービスも合わせて無料で利用できるようになってきている。

 大容量メールボックスが無料で使えるようになった今日、サービスプロバイダが自社サービスにユーザーをつなぎとめ、さらに新規ユーザーを獲得していくためには、低価格かつ大容量のサービスを日々継続的に提供し続ける必要がある。しかしメールストアの大容量化にはストレージ設備への追加投資が必要となり、コストは下がるどころか膨らむ一方。にもかかわらず、サービス提供価格は低く抑えなければならないのだから、これは一種のジレンマだと言えよう。

 さらに言えば、メールボックスの大容量化だけでユーザーが満足するとは限らない。先に述べたように、メールに留まらずオンラインストレージやカレンダーといったさまざまなWebサービスが無料提供される今日、これらのサービスをいかに魅力的な形で、かつ価格を抑えてユーザーに提供できるか。これも、プロバイダ企業のビジネス継続にとって極めて重要な課題だ。

事業者は、こうしたメールインターフェイスを今後提供できなければならない。これは後述のタブレット用Webメールインターフェイス。各メッセージスレッドがタイルとして表現され、スワイプでページめくりができる

 加えて、スマートデバイスへの対応も急務だ。近年のスマートフォンやタブレット端末の爆発的な普及に伴い、メールをスマートデバイス上で読み書きするスタイルがすっかり定着した。そんな中、いかにスマートデバイスの操作性を生かした魅力的なユーザー体験を提供できるか。旧態依然としたPC向けメーラーのインターフェイスをブラウザの中で再現するだけでは、今後ますます加速するスマートデバイス普及の流れに取り残されてしまいかねない。

分散ストレージ技術で大容量メールストアを低コストで実現

 プロバイダが抱えるこうした課題の解決に向け、いち早く先進的なソリューションを打ち出しているのがセンドメール社だ。同社はオープンソースベースのメールサーバ「sendmail」で広く知られるが、メールデータの格納とメールボックスの管理、ユーザーからのPOP3/IMAP4アクセスを扱うメールストアサーバ製品として「MailCENTER」も長らく提供している。MailCENTERは一言で言うと、POP/IMAPストアとLDAPサーバといった、メールストアサーバに必要な機能をひとまとめにして提供するもの。既に世界中の多くのプロバイダが、自社で提供するメールサービスのサーバ基盤として同製品を採用しており、確かな実績を持つ。

 このMailCENTER、2013年10月に新バージョン「Cloud MailCENTER」へのバージョンアップが予定されているが、ここで大幅な進化を遂げるという。まず、従来のMailCENTERが32ビットで動作していたのに対して、Cloud MailCENTERは64ビットに対応し、より大容量のメモリを扱えるようになった。これは、大量のIMAPセッションを処理する際などには大きなメリットとなる。

 しかし、Cloud MailCENTERの最大の目玉は何といっても、大容量かつ低コストの分散ストレージシステムをメールストア領域として利用できるようになった点だ。これは、仏Scality(スキャリティ)社が提供する分散ストレージソフトウェア「SCALITY RING」によって実現される。SCALITY RINGでは、汎用IAサーバにLinuxとSCALITY RINGソフトウェアをインストールしたノードを複数、IPネットワークでリング状に接続することで、分散ストレージシステムを構成する。各ノード上ではKVS(キー・バリューストア)形式でデータを保管し、かつ複数のノードで処理を分散することで高スループットを実現する。

 SCALITY RINGは、あらゆる形式の非構造化データの中でも、特にメールデータを最も効率よく処理できるようチューニングが施されているため、メールデータのストア領域として利用する場合に最も高い効果を発揮するようできている。また、保管するデータは複数のノードに自動的にコピーされるため、可用性も十分に担保されている。

 Cloud MailCENTERではオプション機能として、このSCALITY RINGをメールストアのストレージとして利用できるようになっているのだ。これは、前述したようなメールボックス大容量化の課題に対応する手段としては、極めて有効だ。というのは、SCALITY RINGは汎用のIAサーバとネットワーク機器だけでストレージ環境を構築できるため、一般的なSANストレージと比べ、圧倒的に安価に大容量メールストア領域を確保できるのだ。また分散KVSのアーキテクチャ上、ノードを追加するのも容易で、かつ追加すればするだけIOPSが向上するため、パフォーマンスの改善が可能だ。

スマートデバイスに対応した斬新なユーザー体験を提供するWebメール機能

 Cloud MailCENTERにはもう1つ、プロバイダにとって見逃せない新機能が加わっている。それが、豪Atmail社が提供するIMAP 対応のWebメール製品「Atmail」(仮称)が同梱されることだ。Webメールそのものは、今やそれほど目新しい機能ではないが、Atmailはさまざまな面でユーザーに新たなWebサービス体験を提供できる次世代型のユーザーインターフェイスを提供している。

 例えば、スマートデバイス向けの画面では、タップやスワイプ、ピンチといった各種タッチ操作が可能で、画面デザインもメールメッセージが添付された写真とともにタイル状に配置できたり、あるいはメールのスレッドをLINEのようなメッセージングアプリを使ったメッセージのやりとりのような見た目で表示できたりと、これまでのメーラーソフトにはない斬新で現代的なユーザー体験を提供する。PC向けメーラーのインターフェイスが画一化されていく中、こうした斬新なインターフェイスを提供できることは、プロバイダが自社のメールサービスの差別化を図り、スマートデバイスのユーザーに自社サービスをアピールする上で極めて有効な手段になり得るだろう。

 また、Atmailが提供するのは、Webメールのインターフェイスだけではない。オンラインストレージやカレンダー、アドレス帳といったさまざまなWebサービスに、単一のインターフェイスから簡単にアクセスできるようになっている。こうした多様なWebサービスへのアクセスをひとまとめに提供できるのは、AtmailがWebDAVやCalDAV、CardDAV、ActiveSyncといった多様なWebプロトコルを広範囲にサポートしているからだ。この特徴をうまく活用すれば、プロバイダが自社で開発・提供しているさまざまなWebサービスに魅力を与えて、ユーザーにアピールできることだろう。

各種Webサービスとのマッシュアップが簡単にできるようになっている

 さらには、外部のWebサービスをAtmailのインターフェイス上に取り込むことも容易に可能になっている。例えば、住所が記載されたテキストの上にマウスポインタを持っていくと、自動的にGoogleマップが表示するといったようなマッシュアップが簡単に行えるようになっている。こうした柔軟なカスタマイズ性も、自社サービスの付加価値を高める上では大きなメリットだといえよう。

高度なログ管理・解析機能もオプションとして提供

 さらにCloud MailCENTERでは、従来のMailCENTERと比べ、ログ管理機能が大幅に強化された。これはオプション機能として、新たにログ管理・解析ソフトウェア製品「Splunk」を組み込んで利用できるようになったことによる。Splunkは米スプランク社が開発・提供し、既に国内・海外で数多くの企業によって採用されているベストセラー製品だ。

 Cloud MailCENTERでは、このSplunkを使ってメールシステムを構成する各サーバのログデータを簡単に収集・解析できるテンプレートを提供している。これを活用し、各サーバのログを一元的に管理・分析することで、メールシステムで発生したトラブルの原因を迅速に切り分けたり、あるいはトラブルの前兆をいち早くキャッチして未然に問題の発生を防ぐことができるようになる。

 以上見てきたように、Cloud MailCENTERはプロバイダ企業がユーザーに提供するメールサービスおよびWebサービスの付加価値を高められるとともに、コスト削減も同時に可能にするソリューションとなっている。そしてもちろん、同様のメリットは、大規模なメールサーバやグループウェア環境を自社内で運用している企業のIT部門でも享受できるはずだ。

 本稿ではCloud MailCENTERが持つさまざまな機能の触りしか紹介できなかったが、同製品の内容を詳しく紹介した資料も別途無料で公開されている。興味を持たれた方は、ぜひ一読をお勧めしたい。

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提供:センドメール株式会社、株式会社日立ソリューションズ
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2013年9月30日

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