Cassandra 2.0が公開、軽量トランザクションやCQL強化で生産性向上Stormとの統合も容易に

Apache Software Foundationは、ビッグデータ用分散型データベース管理システムのメジャーアップデートとなる「Apache Cassandra 2.0」を公開した。軽量トランザクションやトリガーなどの新機能に加え、クエリ言語「Cassandra Query Language(CQL)」の強化などを通じて生産性の向上を図った。

» 2013年09月05日 19時53分 公開
[鈴木聖子,@IT]

 Apache Software Foundation(ASF)は2013年9月4日、ビッグデータ用分散型データベース管理システム(DBMS)のメジャーアップデートとなる「Apache Cassandra 2.0」を公開した。軽量トランザクションやトリガーなどの新機能に加え、クエリ言語「Cassandra Query Language(CQL)」の強化などを通じて生産性の向上を図った。

 新機能のうち、軽量トランザクションは並列に実行されるリクエストの衝突を防ぐ機能で、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の直列化可能な分離レベル(並列実行される複数のトランザクション間の独立性が高く、それぞれを逐次実行したときと同じ結果が得られる分離レベル)と同様な機能を提供する。

 トリガーは、あらかじめ指定しておいたデータベース操作などのイベントに応じて自動的に処理を実行する機能。これを利用することでビッグデータのリアルタイム処理などに利用される「Storm」のようなイベント駆動型フレームワークと、簡単に統合できるという。

 CQLについては、カーソル機能を強化したほか、インデックス機能の改善を図った。このほか圧縮機能を強化して、大量に書き込みが発生したときの読み出し速度低下を防いだ。Apache Cassandraプロジェクトのジョナサン・エリス氏は、「Cassandra 2.0では、これまで以上にRDBMSからの移行が容易で、すぐに生産性を高められる」とコメントしている。

 Cassandraは大規模データの高速処理を特徴とするオープンソースのNoSQLデータベース(RDBMS以外のDBMS)で、Apache License 2.0に基づいて公開されている。米Adobe Systemsや欧州原子核研究機構(CERN)、ソニーなど各国の大企業や政府機関がデータ駆動型アプリケーションの開発に利用している。

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