ニュース
» 2013年11月28日 18時40分 UPDATE

「抜本的に見直し」たCisco IOSとASICを採用:シスコ、SDNを視野にエンタープライズ向けネットワーク製品を強化

シスコシステムズは2013年11月27日、「Catalyst」スイッチをはじめとする企業向けネットワーク製品群を強化した。「Cisco Open Network Environment(ONE)」構想を形作る要素となる。

[高橋睦美,@IT]

 シスコシステムズは2013年11月27日、「Catalyst」スイッチをはじめとする企業向けネットワーク製品群を強化した。いずれも、先日発表した「Application Centric Intelligent Network」(ACI)を下支えする「Cisco Open Network Environment(ONE)」構想を形作る要素となる。

mt_cisco01.jpg シスコシステムズ 専務執行役員 テクノロジーソリューション&アーキテクチャ統括 木下剛氏

 Cisco ONEは、同社が掲げるSoftware Defined Networking(SDN)戦略だ。人とモノ、クラウド上のサービスやアプリケーションを「1つのネットワーク、1つのポリシー、1つのマネジメントでサポートし、データセンターであれサービスプロバイダーであれ、あるいは企業であれ、同じように提供できるようにする」(シスコシステムズ 専務執行役員 テクノロジーソリューション&アーキテクチャ統括 木下剛氏)ことを目指している。

 シスコはこの戦略に基づいて、従来から提供してきたネットワークインフラを、単一のコントロールプレーンで制御するアーキテクチャとして、独自の「onePK」を展開するほか、OpenFlowやOpenStackといったオープンな仕様もサポートしてきた。

 「SDNによってネットワーク機器がコモディティ化する時代はは来ないと思う。NFVなどの形はあっても、本当にミッションクリティカルなネットワークにおいては専用のハードウェアが残るだろう。大事なのは、その機能を外部と連携させること」と木下氏。迅速にサービスを提供したいときのACLの変更、管理を動的に、手間をかけずに行ったり、ネットワーク側で得たユーザーの状態、属性などの“インテリジェンス”を反映することで、セキュリティポリシーをダイナミックに適用するといった、「プログラマブル」であることのメリットを提供していきたいとした。

SDN戦略に向けネットワークOSとASICを刷新

 一連の新製品もこのアーキテクチャに基づいてリリースされたもので、サービスプロバイダー向けの「NCS/ASL」、データセンター向けの「Nexus」と並んで、Cisco ONEを支える柱となる。

mt_cisco02.jpg

 特徴の1つは、いくつかに枝分かれしていた独自のネットワークOS「Cisco IOS」を、「IOS-XE」に統合したこと。「これまでルータ、スイッチ、無線LAN製品ごとにバラバラのネットワークOSを提供してきたが、製品開発のコンセプトを抜本的に見直した」(木下氏)。

 また、カスタムASICである「Unified Access Data Plane」(UADP)の搭載により、ネットワークサービスの処理性能を損なうことなく、SDNへの対応を見据え、ネットワークにプログラマビリティを実装した。UADPはまた、有線のイーサネット用のフォワーディングとワイヤレス用のフォワーディングを一体化し、ユニファイドアクセス対応を推し進めたことも特徴だという。

 新製品は以下の通りだ。

キャンパスバックボーン向けスイッチ「Cisco Catalyst 6800」

 Catalyst 6500シリーズの後継モデルに当たる、キャンパスバックボーン向けスイッチ。10/40/100GbEに対応した10ラックユニットのモジュラー型スイッチ「Cisco Catalyst 6807-XL モジュラスイッチ」、10GbEをサポートする中小規模キャンパス向けの「Cisco Catalyst 6880-X半固定型スイッチ」、キャンパスネットワークの運用を簡素化し、プログラム可能にする「Cisco Catalyst 6800ia インスタントアクセススイッチ」が用意されている。

スーパーバイザエンジン「Cisco 4500E Supervisor Engine 8E」

 UDAP ASICを搭載したスイッチングモジュール。有線イーサネットだけでなく、無線ネットワークに対しても粒度の細かいQoSを適用できることが特徴。

サービス統合型ルータ「Cisco ISR 4451-X」と仮想ルータ「Cisco Cloud Service Router 1000V」

 企業の拠点ネットワーク向けに、アプリケーションの可視化やWAN最適化、ファイアウォールをはじめとするセキュリティ機能をバンドルしたサービス統合型ルータ(ISR)「Cisco ISR 4451-X」をリリース。また、Cisco IOS-XEを搭載した仮想ルータ「Cisco Cloud Service Router(CSR)1000V」も正式に投入した。VMware ESXi、KVM、Xenなど複数のハイパーバイザに対応しており、企業のプライベートクラウドを柔軟に拡張できるようになるという。

無線LANアクセスポイント「Cisco Aironet 3700シリーズ」

 IEEE 802.11acに対応した無線LANアクセスポイント。UADPを搭載しており、無線、有線、どちらのトラフィックもこのプロセッサで処理できる。また、「Catalyst 3850」に内蔵された無線LANコントローラによって管理可能で、企業バックボーンネットワークへの負荷を減らせることも特徴だ。

 また、無線LANインフラと位置情報を組み合わせたアプリケーション「Cisco MSE 7.5」もアップデート。Wi-Fiを利用しているユーザーの位置情報に合わせて、カスタマイズした内容をブラウザにポップアップ配信する「CMS Browser Engage」機能を追加した。例えば、イベント来場者のロケーションに合わせて、受け付けやセミナーの案内を配信するといった使い方が可能で、実際にシスコが開催したイベントでも利用したという。


関連特集:プライベートクラウドをめぐる誤解

企業などの組織内で、サーバ仮想化基盤を構築・運用することが「プライベートクラウド」だと考える人は多いようだ。しかし、クラウドサービスが単なる仮想サーバホスティングサービスでないのと同様、プライベートクラウドも単なるサーバの仮想化統合ではない。では、プライベートクラウドを構築すべき理由とは何なのか。また、その具体的な要件とはどういったものなのだろうか。特集では将来性を加味したプライベートクラウド構築のあるべき姿を探る。




Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

@IT Special

- PR -

TechTargetジャパン

この記事に関連するホワイトペーパー

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。