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» 2013年11月29日 18時00分 UPDATE

国内でスマホ端末投入が期待されるTizenの現在とこれから〜インテル ソフトウェア・イノベーション・フォーラム2013レポート (1/2)

HTML5ベースのアプリ開発を打ち出すモバイルOS「Tizen」の概要や、さまざまな企業が参画するTizen Association、開発者を支援するパートナーエコシステム、特長的機能であるダイナミックボックス/ドロップビュー、そして今後のロードマップなど。

[柴田克己,@IT]

 Linux Foundation管理のオープンソースプロジェクトであり、インテルやサムスンをはじめ、NTTドコモやボーダフォンといった携帯電話キャリア、NEC、パナソニック、ファーウェイといったメーカーらが参画して開発を進めている「Tizen(タイゼン)」。

tizen1.jpg Tizen Developers

 スマートフォンだけではなく、タブレットやテレビ、車載端末などに展開できるプラットフォームとして、2012年5月にバージョン1.0、2013年2月にバージョン2.0がリリースされており、その開発状況や採用動向には、さまざまな分野から関心が寄せられている。

 10月31日に開催された「インテル ソフトウェア・イノベーション・フォーラム2013」では、Tizen Associationの主要メンバーにより「Tizenの2013年進捗、今後の展開」と題したプレゼンテーションが行われた。

Tizenが目指すのは「あらゆるデバイスが接続される」世界

 最初に登壇したのは、Tizen Associationでチェアマンを務める、NTTドコモ プロダクト部 技術企画担当部長の杉村領一氏だ。

tizen2.jpg NTTドコモ プロダクト部 技術企画担当部長の杉村領一氏

 杉村氏は冒頭、「Tizenが目指すのは、あらゆる機器がクラウドを通じて接続される世界」であると述べ、その世界におけるプレイヤーとして「端末ベンダ」「アプリソフトウェアベンダ」「ネットワークオペレーター」「アプリユーザー」を挙げた。これらのプレイヤーが広くメリットを享受するに当たり、組織としてはベンダニュートラルであること、技術的にはオープンソースをベースにしていることが重要だとする。

 Tizenは、もともとノキアやインテルが推進していたモバイルプラットフォーム「MeeGo」と、NTTドコモ、モトローラ、NEC、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、ボーダフォン、サムスン電子などが推進していた「LiMo」が統合されたものだ。

 Tizenの運営に当たっては、ビジネス視点で要求仕様を定め、Tizenによるエコシステムやビジネスモデルの構築を行う「Tizen Association」と、技術視点でアーキテクチャの策定、SDKのリリースを行う、Linux Foundation下の「Tizen Project」という2つの組織が連携しているという。

tizen3.jpg

 Tizenに取り組みたいベンダは、ソフトウェアモジュールの開発、Common APIの提供、アプリストアの運営、アプリの提供など、自らが望むあらゆるレイヤに自由に関与できる点がポイントだ。開発者、コンテンツ制作者にとっては、一般的なスマートフォンだけではなく、車載機器やテレビ、カメラ、プリンタといったさまざまな機器へのマルチデバイス展開が容易になる点がメリットだという。

 杉村氏は、Tizenの魅力として「参加企業の共和国的な運営の中から、素晴らしいイノベーションが生まれている」ことを挙げ、Tizenの特長的なユーザーインターフェイスである「ダイナミックボックス/ドロップビュー」(詳細は後述)を紹介した。

tizen4.jpg

 「OSとしてのTizenの特長は、オブジェクトオリエンテッドなユーザーインターフェイスによって、『ユーザーの目に見えているもの』を起点とした操作が可能となっている点。すでに、スマートフォンだけではなく、カメラ、車載機器などへの搭載が進んでいる。ぜひTizenがイノベーションを支える、みんなで使えるプラットフォームである点を認知いただき、今後ともご支援いただきたい」(杉村氏)

開発者を支援するパートナーエコシステム

 続いて登壇したのは、Tizen Associationのボードメンバーを務める、インテル コーポレーション、ソフトウェア&サービス事業部マネージングディレクターのChristopher Croteau氏だ。

tizen5.jpg インテル コーポレーション、ソフトウェア&サービス事業部マネージングディレクター Christopher Croteau氏

 Croteau氏は、Tizenの優位性として「Linux Foundationに所属し、管理されているオープンなソフトウェアプラットフォームであること」「ネイティブとHTML5ベースのアプリ開発が可能で、開発者にとって柔軟な環境であること」「Tizen Associationを通じて、業界内からの強力なサポートが受けられる」などを挙げた。

「何でも開発できるという環境は確かに面白いが、ビジネス的な後ろ盾がなければ、それは単なる実験で終わってしまう。パートナーによるサポートがあること、さらにクロスプラットフォーム展開が可能なことが、Tizenがイノベーションを生み出すための重要な要素になっている」(Croteau氏)

 Tizenのエコシステムを構成するパートナーとしては、プラットフォームに関するベンダだけではなく、コンテンツホルダーやゲームツールベンダ、セキュリティベンダのMcAfeeや、フォントベンダのMonotypeなども参加している。こうした広範なパートナーの支援により、コンテンツやアプリのクロスプラットフォーム展開が容易に行えるとする。

tizen6.jpg

 開発者支援のための「Tizenデベロッパープログラム」には、現在世界で50万人以上が参加しており、日本語によるオンラインコミュニティも存在する。日本においては、東京、大阪、名古屋の3都市で、毎月セミナーやハッカソンを実施しており、「今後もコミュニティサポートを積極的に行っていく」という。

 また、Tizenアプリの配信プラットフォームである「Tizen Store」でも、すでに受付を開始しており、IDを取得することによって、ローカルおよびグローバルに向けた、クロスプラットフォームでのアプリ販売が可能になるとしている。

 Tizen Associationでは現在、「Tizenアプリチャレンジ」と呼ばれる、Tizenアプリのコンテストも開催中だ。「ゲーム」「ノンゲーム」「HTML5」などに分かれた各カテゴリで、それぞれ数万ドルのグランプリ賞金も用意されており、Croteau氏は「ぜひ、多くの開発者に参加してほしい」と述べた。

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