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» 2014年01月31日 18時00分 UPDATE

オフショア開発最前線:ミャンマーオフショア開発は「中国プラスワン」戦略の主役となるか (1/4)

以前まで中国が中心だったオフショア開発市場。しかし時代の流れとともに状況は変わりつつある。本連載では、いま注目されているミャンマーの動向を中心にオフショア開発の最新トレンドを紹介する。

[幸地司,アイコーチ/オフショア大學]

ミャンマーブーム到来

 2013年、「中国プラスワン戦略」(China plus one strategy)が、ソフトウェア業界でもよく語られるようになりました。実際、グーグルなどで「オフショア開発」とキーワード検索すると、2012年辺りから中国以外の記事が目立つようになっています。

 そうした中、オフショア開発関係者がいま最も注目しているのはミャンマーです。その根拠は後述しますが、本稿では「中国プラスワン」に基づき、ミャンマーやベトナム関連のオフショア開発最新動向を紹介していきます。

 その前に、まず簡単に自己紹介しておきましょう。筆者はオフショア開発のコンサルティング会社を運営しています。2004年から2010年にかけて、アイティメディア @IT情報マネジメントで、オフショア開発の連載記事「オフショア開発時代の『開発コーディネータ』」と「世界のオフショア事情」を執筆しました。

 2007年にはオフショア開発プロフェッショナル養成プログラム「オフショア大學」を設立し、合計1000ページを超えるオフショア人材育成の教科書を3冊、出版しました。皆さんの中には、職場で緑・青・黒で色分けされたオフショア大學標準テキストをご覧になったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 筆者はオフショア大學の事業を拡大するために、2010年から活躍の場を東京から中国に移しました。より正確には、毎月半分を中国のオフショア開発現場で過ごし、残り半分を東京や沖縄で過ごす日々を送っています。中国滞在中は中国人SEを相手に、日本滞在中はオフショア発注企業の日本人幹部、プロジェクトマネージャーを相手に、それぞれオフショア開発成功のための社内研修および改善指導を実施してきました。

 さらに、空いた時間を縫ってフィリピンのマニラやセブ島を訪問し、現地SEリーダー層への社内研修を通じて異文化間交流を深めてきました。

 このように海外での活動時間が増えたせいで、@ITに限らず他のメディアでも定期連載記事をお断りする状況が続いていました。ところが前述の通り、最近はミャンマーブームとも呼べるほど大きなうねりが業界に生じています。そのため、オフショア大學は、メディアを通じてミャンマーの最新動向を発信する義務があると判断しました。本稿では以下のような、これまでに自身で執筆してきた大量の過去記事を参照しながら、新聞や雑誌には載らない現地発の最新情報をお伝えしていきます。

 本連載は全3回で構成する予定です。この連載を書くために、執筆者らは2013年8月、3泊4日の行程でミャンマー最大の都市ヤンゴンに出張しました(出張の内容は4ページ目を参照)。本連載は、執筆者のヤンゴンへの出張体験で得られた1次情報を基に構成し、出張先のヒアリングで得られた情報や、書籍・Webで得られた2次情報を紹介する際には、可能な限り、その都度出典元を明示します。

 第1回では2000年以降のオフショア開発を振り返り、ミャンマーが注目されるに至った背景を紹介します。また、ヤンゴン出張で得られた現地の様子をひと通り紹介することで、漠然とでも現地の空気をつかんでいただればと思います。オフショア開発の「国別発注量」や「企業意識アンケート」などについてはIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)によって定期的に詳しい調査データが報告されているので、そちらをご参照ください。

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