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» 2014年01月17日 16時37分 UPDATE

データセンターのニーズを汲み取る:IBMがX6サーバー製品群を発表、データ分析、大規模仮想化環境の運用にフォーカス

IBMがx86アーキテクチャでI/Oパフォーマンスを最大化する構成を目指したサーバー製品群を発表。リアルタイムでの分析処理や大規模仮想化環境のプラットフォームに適しているという。

[原田美穂,@IT]

 日本IBMは2014年1月17日、新しいx86サーバー製品群「X6シリーズ」を発表した。特徴は、メモリスロットにDIMMを差し込み、大容量フラッシュメモリドライブとして動作させる点、ファブリック指向のモジュール型である点、独自ファームウェアによってx86サーバー製品としては高いRAS性能を持つ点にある。X6シリーズは、いずれもIntel Xeon製品群の最上位に当たるE7プロセッサーを搭載する。出荷時期は2014年1〜3月、Intelの最新E7チップ出荷に合わせて随時発表するとしている。

PCIeよりも近く、CPUの隣にストレージを置く

 第1の特徴である、メモリスロットのバスを利用したフラッシュストレージ「eXFlash DIMM」は、200GB/400GBのものがあり、最大で12.8Bの容量を搭載できる。

 高速なI/Oが必要な場合に採用されることの多い一般的なフラッシュストレージ製品がPCIeスロットを利用するのと比較して、3倍程度の高速化が見込める。計測方法にもよるが、PCIeバスを利用した場合のレイテンシはおよそ20μ秒程度であるのに対して、eXFlash DIMMの場合はおよそ5〜10μ秒程度だという。

 通常、メモリスロット向けの処理では、一般的なストレージの処理と異なり、割り込み処理に対応していないが、IBMが独自に「Direct Data Accelerator」機能を実装、割り込みまたはポーリングによる操作が選択できる。

 「この機能は、分析系の処理や仮想デスクトップ環境など、I/Oインテンシブなシステムに適している。基幹系システムのようにミッションクリティカルな環境で、従来のサーバ仮想化では性能面の懸念があったようなケースでも統合集約が可能になる」(システム製品事業本部 x/Pureセールス事業部 システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト 早川哲郎氏)

 過去、同様の製品がなかったわけではないが(関連記事:「Diablo、DIMMソケットに挿すフラッシュモジュールを発表」)、「サーバーベンダーが包括的なシステムとして提供するのはIBMが初」(システム製品事業本部 x/Pureセールス事業部 システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト 東根作成英氏)だという。

mhss_hayakawa.jpg X6シリーズの各モジュールについて実機で解説する日本IBM システム製品事業本部 x/Pureセールス事業部 システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト 早川哲郎氏

2世代先のチップに置き替えられるモジュール指向の構成

 第2の特徴であるファブリック指向の構成については、既に2013年末に発表した同社zシリーズのサーバー製品でも採用されているものだ。

 筺体の中は「ストレージブック」「コンピュートブック」「I/Oブック」「プライマリーI/Oブック」として、個々の機能がモジュールになっており、必要な部分のみを拡張・交換できる仕組みだ。このうち、プライマリーI/Oブックモジュールに、eXFlash DIMMを搭載する。コンピュートブックでは、次々世代のIntel Xeon E7プロセッサー対応製品までのリプレースを保証する。

独自ファームウエアによるRAS性能向上

 第3の特徴であるRAS性能については、多くの基本的なRAS性能を保証する機構がE7チップ上で実装されているが、IBMではこれらの基本機能に加えて、独自のファームウェアを搭載して可用性を高めている。

 X6ファームウェアでは、CPU障害に対する自己修復アーキテクチャやメモリエラーアルゴリズムの拡張の他、メモリ内のページを監視し、必要な場合に自動的に隔離してシステムダウンを回避するメモリページリタイア機能が盛り込まれている。

 障害検知・運用面では、この他、システムの診断情報をVMware vCenterで統合監視できるようになっている。仮想化環境の管理と併せて利用することで、仮想マシンイメージに不具合が発生する前にvMotionを使った退避を行えるという。ファームウェアのアップデートに際しても、vMotionを使ってシステムを稼働した状態のまま段階的にアップデートできるとしている。

リファレンスアーキテクチャにはHANAやSQL Serverも

 同社では、X6シリーズの特徴を引き出すべく、同社が検証済みの構成としてリファレンスアーキテクチャも用意している。分析処理を高速化するためのインメモリ処理系と大規模仮想化向けに注力したラインアップだ。同社のインメモリデータベース製品DB2だけでなく、SAP HANAMicrosoft SQL Data Warehouse向けのものもある。また、大規模仮想化環境用途ではVMwareの他に、Hyper-V向けのリファレンスも示している。

データ分析用途向け

  • IBM System x Solution for DB2 BLUアクセラレーション on X6
  • IBM System x Solution for SAP HANA on X6
  • IBM System x Solution for Microsoft SQL Data Warehouse on X6

大規模仮想化環境向け

  • IBM System x Solution for VMware vCloud Suite on X6
  • IBM System x Solution for Microsoft Hyper-V on X6

Hadoop環境を意識したストレージ製品、イーサネットスイッチも

 同日、併せてストレージ製品も発表した。HDDを14台まで接続でき、最大で56TB搭載できる2ソケットラックサーバーだ。Red Hat StorageWindows記憶域スペースに代表される分散ストレージ環境構築ニーズに合致した構成だという。こちらは、最小構成価格47万円〜(税別)。2014年2月12日の出荷開始を予定している。

 また、ギガビットイーサネットスイッチも新たに投入する。従来、同社ではハイエンド寄りのスイッチ製品を中心としたラインアップを展開していたが、データセンター内のネットワークスイッチでは、依然として1/10Gビットイーサネットを求める声が多いという市場要請に対して、コストパフォーマンスを重視した製品を投入するかたちだ。Open Flowへの対応やVMready機能、L3機能などを省いた、シンプルなL2スイッチ構成とすることで廉価に提供する。価格は38万円(税別)。2014年1月31日に出荷を開始する。

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