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» 2014年01月21日 18時00分 UPDATE

【徹底解剖】System Center 2012 R2(3):Virtual Machine Managerによるシステム展開 (1/2)

「System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager」(SCVMM)で仮想化基盤を構築後は、この上に仮想マシンを展開して本格的にシステムを構築していくことになる。SCVMMでは仮想マシンの展開だけでなく、サービスやホストのベアメタル展開もサポートしている。

[阿部直樹,エディフィストラーニング株式会社]

 プライベートクラウドの実現基盤となる仮想化環境を構築した企業では、仮想マシンを素早く展開することができる。そのための準備作業が「仮想マシン(VM)テンプレート」の作成だ。VMテンプレートを利用することで、仮想マシンを効率よく展開できるようになる。さらに、SQL Server+Webアプリケーションなど、階層化されたアプリケーションシステムを「サービス」という単位で構成することで、複数の仮想マシンとその仮想マシン上のアプリケーションを「サービスの展開」で構築できるようになる。「System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager」(以下、SCVMM)は仮想マシンだけではなく、ホストの自動展開もサポートする。今回はSCVMMでの仮想マシン、サービス、ホストの展開方法を紹介する。

SCVMMによる仮想マシンの展開

 SCVMMで仮想マシンを展開する場合、管理者が1台ずつ仮想マシンにOSをインストールしていくことも可能だが、これでは大量の仮想マシンを展開するには非効率的だ。そのため、SCVMMではVMテンプレートを用いて仮想マシンを展開する方法が用意されている。

 VMテンプレートを利用して仮想マシンを展開するメリットは、仮想マシンの作成時に入力が必要となるパラメータをあらかじめテンプレートに設定できる点にある。これにより、ウィザードに従って作成操作を進めるだけで簡単に仮想マシンを展開できる。これはセルフサービスポータルを提供する場合にも有効で、ユーザーはあらかじめ用意されたテンプレートを使用することで、自由かつ容易に仮想マシンを展開することができる。

■VMテンプレートの構成要素

 VMテンプレートは次の要素で構成されている。

  • Sysprep済みの仮想マシンファイル(VHD/VHDX)
  • ハードウェア(HW)プロファイル
  • ゲストOSプロファイル
図1 図1 VMテンプレートの構成要素

 VMテンプレートのハードウェア設定はハードウェアプロファイルによって上書きされ、応答ファイル設定はゲストOSプロファイルによって上書きされる。

Sysprep済みの仮想マシンファイル(VHD/VHDX)

 Windowsでは「SID(Security Identifier:セキュリティ識別子)」と呼ばれる一意のIDでユーザーやコンピューター、アカウントを識別している。仮想マシンの展開時に単純に仮想マシンファイルをコピーしてしまうと、同じSIDを持つ仮想マシンが複数存在することになるため、システムを運用する上で都合が悪くなる。そこでSIDを振り直すためのツールである「システム準備(Sysprep)ツール」を実行し、一意なSIDにする必要があるのだ。手動でSysprepを実行してもよいが、SCVMMでは自動実行させることが可能だ。

ハードウェアプロファイル

 仮想マシンのハードウェア設定のひな形となるプロファイル。このプロファイルにCPUやメモリ、ネットワークアダプターなどを設定しておくことで、効率よく仮想マシンを展開できる。ハードウェアプロファイルを設定する理由は、VMテンプレートを複数用意する場合に、同じ仮想マシンファイルでも展開時に異なるプロファイルを組み合わせることで、キャパシティの異なる仮想マシンを展開できるようになるからだ。

図2 図2 ハードウェアプロファイル

ゲストOSプロファイル

 Sysprep実行済みの仮想マシンファイルを展開する際に指定する「応答ファイル」を設定するためのプロファイル。仮想マシンに使用する応答ファイルはSysprep実行時に指定し、再起動時にその応答ファイルを使用して起動する。これは仮想ディスクに応答ファイルを組み込み一体化していることになるので、同じ仮想ディスクを使用して異なる応答ファイルを組み込むことはできないことを意味する。しかし、ゲストOSプロファイルを使用すると、仮想マシンの展開時に応答ファイルが実行されるのは変わりないが、仮想マシンと応答ファイルを分離できるのが大きなメリットだ。

図3 図3  ゲストOSプロファイル

 ゲストOSプロファイルでは、応答ファイルを設定しなくてもコンピューター名や管理者パスワード、プロダクトキーなど一部の設定は画面上から行えるが、それ以外の設定は応答ファイルを使用する必要がある。

 応答ファイルは「Windows ADK(Windows 8用Windowsアセスメント&デプロイメントキット)」に同梱されている「Windowsシステムイメージマネージャー(Windows SIM)」で作成する。

図4 図4 Windowsシステムイメージマネージャー(Windows SIM)
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