連載
» 2014年01月31日 19時57分 UPDATE

となりのアドテク(1):スマートフォン広告計測サービスの裏側 (1/2)

スマートフォンアプリ広告の世界は、Web広告よりもユーザートラッキングが難しい世界。この領域のサービス展開を支える環境を現場技術者が解説する。

[萩原伸悟/上原誠,CyberZ]

 筆者らの所属するCyberZはスマートフォン広告代理店として、スマートフォン向けサービスのマーケティング支援、主に広告運用の代理事業を行っています。

 広告運用では、弊社が開発したスマートフォン広告効果計測ツール「Force Operation X」(以下「F.O.X」)を使用して運用の効率化を図っています。この「F.O.X」にHadoop管理ツールであるCloudera Managerを導入しています。

 今回の連載では、この「F.O.X」にHadoop、Cloudera Managerを導入、運用して得られたノウハウを全3回でお伝えしていく予定です。今回は、スマートフォン広告サービスを支える技術要件とCloudera Managerの導入を決めた背景を中心に紹介します。

スマートフォン広告の「配信」「計測」「運用」を支える技術要件とは

 スマートフォン広告サービスは、大きく「配信」「計測」「運用」の3つのフェーズに分けられます。露出させたい商品の広告を「配信」し、配信された広告の効果を「計測」し、計測された結果を基に「運用」しています。

 まずは、それぞれのフェーズで重要になる技術要件を見ていきましょう。

mhdb_fig01.gif スマートフォン広告サービスの3フェーズ

配信=どんな状況でも表示させ続けること

 「配信」は、ユーザーがメディア(媒体)を訪問した際に、広告主から入稿された広告を配信させるフェーズです。配信において最も重要なことは、どんな状況でも広告を表示させ続けることです。そのため技術的には、「ネットワーク分断耐性」および「可用性」が必要であり、障害が起きても配信に影響が出ないことが重要になってきます。

 広告を配信後、ユーザーは各媒体の広告をクリックし、広告主の商品にたどり着きます。これを広告の世界では「効果(コンバージョン)が上がった」と表現します。

計測=レスポンス性能+一貫性、可用性

 「計測」は配信された広告が、どのくらいクリックされ、どのくらいコンバージョンが出たかを計測するフェーズです。広告の効果を測定して、運用に生かすために必要になります。計測では、絶えず発生するリクエストに対して、遅延なくレスポンスを返しながらも、正確に計測をし続けなければなりません。そのためデータの「一貫性」および「可用性」が重要になってきます。

運用=膨大なデータを速やかに処理する

 「運用」は、配信、計測によって出た広告の結果を見て、広告の運用を最適化するフェーズです。運用では、計測された膨大なデータを迅速に処理しなければならないため、大規模なデータを「分散処理」できるかが重要になってきます。

 「F.O.X」では主に上記のうちの「計測」「運用」を担っています。「F.O.X」は導入数の増加に伴い、データ量が増大しHadoop、Cloudera Managerの導入に至りました。

「Force Operation X」

 ここからは「F.O.X」について紹介していきましょう。われわれが運用する「F.O.X」は、スマートフォン広告に特化した効果測定ツールです。

 現在、1日当たりおよそ1000万を超えるユーザーからのアクションを収集しており、スマートフォン広告にまつわる、いわゆる「ビッグデータ」を蓄積しています*。国内外で170社を超えるスマートフォンメディアと連携していることを強みとしており、世界規模でのスマートフォン広告プロモーションであっても、一元的に効果測定できるという特徴を持っています。

*「F.O.X」では、広告主の承諾なしに広告効果測定により得られたデータを二次利用することはありません。


 広告の運用担当者は、どのくらいのスマートフォンユーザーが、どの広告をクリックして、どのくらいアクション(クリック、コンバージョン数など)が上がったのかを、「F.O.X」の管理画面上で確認します。

 広告の運用担当者は、「F.O.X」の管理画面を見て、広告の効果が高くなるように配信先媒体を選択・調整します。

mhdb_fig02.gif 「F.O.X」の導入アプリ数の推移
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