OpenStackとCloudStack、違いは何?プロダクトの差はわずか? 活動評価視点で検証(2/2 ページ)

» 2014年03月03日 19時05分 公開
[北瀬公彦, CloudStackユーザー会]
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参加企業の違いから見る性質

 OpenStackコミュティには、たくさんの議題が存在し、CloudStackコミュニティは、1つの議題に対して活発に議論を行っているということだろうか。メンバー数とメール数両方から判断してみると、CloudStackコミュニティは、アクティブなメンバーが多いということが言えると思う。

図2 1カ月当たりのスレッド数(Qingye Jiang "CY13-Q4 Community Analysis - OpenStack vs OpenNebula vs Eucalyptus vs CloudStack")
図3 1カ月当たりのメッセージ数(出展は図2と同じ)

 コントリビューターの数は、メンバー数と同じく圧倒的にOpenStackの方が多い。ここで、面白いのは、コミットしているドメインである。

コミットしているドメイン(出展は図2と同じ)

 コミットしているドメインを見てみると、OpenStackには、Red Hat、IBM、ヒューレットパッカード(HP)の他、サービスプロバイダーとしてはRackSpaceが、システムインテグレーターであるMirantisが積極的にコントリビューションしている。

 一方のCloudStackは、Citrix、システムインテグレーターであるClogeny、サービスプロバイダーShubergphilis、Leasewebなどが積極的だ。

 少し極端かもしれないが、ハードウェアベンダーのコントリビューションがあるOpenStackと、サービスプロバイダーからのコントリビューションが多いCloudStackという見方もできるだろう。

 ハードウェアベンダーといっても、IBMやHPは両者ともサービスプロバイダーとしての顔もあるので、一概には言えないが、OpenStackには、コンバージドインフラストラクチャとして検証済みのハードウェア、ソフトウェアを一緒に提供する企業が多いと思われる。

 一方のCloudStackは、実環境で運用されているケースが多いためか、実際に使用しているサービスプロバイダーがコントリビューションしているという傾向にあると思われる。

 今後、クラウドを「作る」必要がある場合には、OpenStackやCloudStackを基盤ソフトウェアとして採用することを検討することと思う。その際に、機能的な側面も重要であるが、その周りに存在するコミュニティの活性度合いや将来性も忘れず検討していただきたい。

CloudStack Day Japan 2014 初開催

「CloudStack Day Japn 2014」は、3月6日に開催されます。一度にCloudStackの動向を得られるイベントなので、情報収集に利用するとよいだろう。

日時:2014年3月6日(木)10:00〜20:00(予定)

会場:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター

入場料:無料(事前登録制)

主催:CloudStack Day Japan 2014実行委員会

特別協力:日本CloudStackユーザー会(JCSUG)、一般社団法人クラウド利用推進機構(CUPA)

登録:CloudStack Day Japan 2014公式サイト




関連特集:プライベートクラウドをめぐる誤解

企業などの組織内で、サーバー仮想化基盤を構築・運用することが「プライベートクラウド」だと考える人は多いようだ。しかし、クラウドサービスが単なる仮想サーバーホスティングサービスでないのと同様、プライベートクラウドも単なるサーバーの仮想化統合ではない。では、プライベートクラウドを構築すべき理由とは何なのか。また、その具体的な要件とはどういったものなのだろうか。特集では将来性を加味したプライベートクラウド構築のあるべき姿を探る。




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