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» 2014年03月10日 10時00分 UPDATE

Japan Storage Vision 2014レポート:企業のデータ管理とストレージ、最新動向はこれだ

第3のプラットフォーム(クラウド、ビッグデータ、モビリティ、ソーシャル技術)の台頭によるITインフラの変革が、企業におけるストレージ・ニーズをも大きく変化させようとしている。IDC Japanが2014年2月に実施したイベント「Japan Storage Vision 2014」の講演から、企業におけるストレージとデータ管理の最新動向をレポートする

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第3のプラットフォームがストレージ投資のパターンを変えた

 IDC Japanが2014年2月13日に実施したイベント「Japan Storage Vision 2014」では、企業におけるデータ管理の課題や新世代のストレージテクノロジーが議論された。イベントの冒頭では、IDC Japan ストレージ/サーバ/IPDS/PCsグループディレクターの森山正秋氏が、「国内IT投資の変革を支える次世代ストレージインフラ」と題した講演を行った。2013年の国内ストレージ市場は、前年比4.3%増という、2000年以降でもトップ3に入る高い成長率を実現している。IT投資全体はほぼ横ばいであり、ストレージ投資の成長率がIT投資全体の成長率よりも大きい。その原因は、IDCがいうところの「第3のプラットフォーム」の台頭であるという。第3のプラットフォームとは、クラウド、モビリティ、ソーシャル技術、ビッグデータの4つの流れによって生み出された、ITの新たなステージのことだ。

IDC Japan ストレージ/サーバ/IPDS/PCsグループディレクター 森山正秋氏 IDC Japan ストレージ/サーバ/IPDS/PCsグループディレクター 森山正秋氏

 プラットフォームの変化に伴って、ストレージ投資も変化している。第1のプラットフォーム(メインフレーム)では、外付け型RAID(DAS)がストレージテクノロジーの中心だった。第2のプラットフォーム(クライアント/サーバ)では、SAN、NASといったネットワークストレージが中心となった。しかし第3のプラットフォームの時代は、これまでのように特定のテクノロジーではなく、複数の新しいテクノロジーを組み合わせて課題を解決するようになるという。生成されるデータやアプリーションが多様化しているため、テクノロジーを組み合わせてフレームワークを考えるという発想が重要だ。

 国内企業でも、「フラッシュストレージ」「ストレージ仮想化」「シン・プロビジョニング」「デ・デュプリケーション(重複排除)」「スケールアウトストレージ」「ストレージ階層化」といった新たなストレージ技術の導入が広がっている。データ・コンテンツの量の増大、仮想化の普及によるITインフラの変革への対応、クラウドインフラ構築の本格化といった理由により、こうした新技術が普及に向けた「しきい値を超えた」と森山氏は話した。

 また、ビジネスや事業部門へのメリットが分かりやすい技術が登場している。例えば、フラッシュストレージを導入することにより、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)環境でエンドユーザーが快適になる、性能・コストメリットにより新たなビジネスに挑戦できるようになるといった例がある。フラッシュストレージは、アプリケーションのパフォーマンスを向上させるだけでなく、「ストレージの設置面積の縮小」「ストレージ、サーバの台数削減」「ソフトウェアコストの削減」「低消費電力」といった複合的なメリットがある。また、さまざまな製品が登場して、選択肢も多様化している。

クラウドインフラのストレージの条件

 IDC Japanが実施した国内企業のクラウド利用状況の調査によると、2012年にいったん下がったクラウドへの興味が2013年に盛り返してきた。これは、パブリッククラウド中心にサービスが充実したことがクラウドの再評価に繋がっていると考えられる。クラウドサービス利用に関する支出(Storage in the Cloud)、クラウドインフラを構築するための支出(Storage for the Cloud)ともに成長しており、2017年にかけて、クラウド環境で保存されるデータが増加すると予測している。

 企業がクラウドストレージで重視する項目を調査した結果、パブリッククラウドのストレージサービス利用で重視するのは、上位から「セキュリティ」「信頼性/可用性」「容量や性能の柔軟な拡張性」。プライベートクラウド向けストレージの場合は「セキュリティ」「信頼性/可用性」「システム価格」という順番になった。つまり、クラウドといえども、柔軟性やシステム単価だけを満たせばいいわけではなく、セキュリティや信頼性/可用性を担保することを、ユーザー企業は重要と考えている。

 重視する機能は、「ストレージ仮想化」「マルチテナント」「フラッシュストレージ」「スケールアウト」という順番になった。クラウドインフラの経済性、柔軟性、安全性、サービスレベルの向上を実現するために、これまで普及が進まなかった新しいストレージ技術を導入するプロバイダーが増えている。また、スケールアウトストレージでは、ストレージベンダーが提供する既存のスケールアウトストレージの他に、x86サーバによって実現するソフトウェアストレージも、コストを下げて競争力を上げる技術として、特にパブリッククラウドで投資意欲が高まっている。

 今後数年のストレージ市場を牽引するのは、I/O性能を重視する製品と長期保存を用途とする低コストで大容量の製品である。アーカイブについては、欧米と比較して国内ではこれまで導入が進んでいなかったが、第3のプラットフォーム化によりビッグデータの利用が進むことでその流れが変わると考えられる。また、テープストレージの復権も最近の特徴である。オンラインメディアを含めたさまざまなアーカイブメディアを階層化して使う技術も重要になってきた、と森山氏は語った。

新たな技術で今の課題を解決する富士通

 続く富士通のプラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 シニアディレクター 荒木純隆氏の講演では、さまざまなストレージの課題について富士通が提供する解決策について紹介した。

富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 シニアディレクター 荒木純隆氏 富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 シニアディレクター 荒木純隆氏

 ビジネス上きめ細かなデータをとることが重視され、またデータを収集しやすくなってきたこともあって、データの種類が多様化するとともに、その量が増大している。これを保管・管理、分析するためのデータ管理基盤として、新たなストレージプラットフォームが求められている。そこで富士通では、ビッグデータ活用による企業・社会のイノベーションの加速に向けて、製品・サービス群を「FUJITSU Big Data Initiative」として新たに体系化した。

 さまざまな形式のデータが刻々と発生し、ワークロードの異なるデータが多数存在するなかで、複雑化する各業務の運用をいかに管理するかが大きな課題となっている。多様化するさまざまな業務に対応できるストレージソリューションとして富士通が提供するのが、「ETERNUS(エターナス)」の製品群である。2013年11月にはディスクストレージシステム「ETERNUS DX S3 series」を発表し、今後は新たな領域での新製品も予定している。

 ビジネスにおけるICTの課題はいくつかあるが、それぞれの課題に対して富士通の製品がどのように解決するかを、荒木氏は具体的に紹介した。

仮想化環境におけるシステムの課題

 サーバ仮想化が浸透し、最近では基幹系システムでも仮想化集約基盤に統合する企業が増えてきた。その結果、部門サーバなどの小規模システムと基幹系システムが混在することが発生している。つまり、ストレージ性能要件の異なるシステムが混在することになる。

 要件の異なるシステムを集約するに当たっては、データの活用状況に合わせて性能とコストを最適化する、ストレージ自動階層制御の機能が求められる。頻繁に読み書きが発生する業務に対してはレスポンス時間の短いSSDを、データを保管するだけなら低コストのニアラインディスクを割り当てることで、パフォーマンス向上とコスト低減を実現する。また、業務の優先度に応じてI/O性能をチューニングするQoS(Quality of Service)設定自動化の機能が求められる。ETERNUS DXでは、管理ソフトウェアで優先業務の目標レスポンスタイムを設定するという、分かりやすく簡単な方法で自動的に実現する。

VDI環境特有の課題

 VDI環境特有の課題の1つとしては、朝の出社時に発生する一斉アクセスで、利用者の使い勝手が悪化するブートストーム問題がある。アクセスが集中した場合の大量データ処理には、階層制御によりI/O性能の高いストレージを使う方法や、キャッシュにSSDを使うことで性能を出せる。また、最新のETERNUS DX S3ではコントローラーに搭載可能なSSDキャッシュ「Extreme Cache」は、PCIeタイプのSSDを使うことによって、ドライブ型に比べてレイテンシ(遅延)を小さくできる。

 VDI環境ではまた、各ユーザーの共有データ領域としてファイルサーバが必要になる。ETERNUS DX S3にNASオプションとNICを入れると、SAN(ブロック)/NAS(ファイル)を統合したユニファイドストレージが実現する。ゲートウェイが不要で、スペース効率がよく省電力でもある。

新データセンター環境での課題

 データセンターはファシリティの変化、高セキュリティなどの付加価値で単位面積当たりの単価が高騰している。このため、設置面積や省電力に貢献できる高効率な技術が重要になる。

 この課題を解決するのは、高密度実装だ。ETERUNUS DX S3は、1エンクロージャ当たり3.5インチドライブを60台搭載可能な高密度ドライブエンクロージャにより、従来のエンクロージャの2.5倍の集積率を達成。また、80 PLUS GOLDという業界トップクラスの高効率電源を採用し、管理ソフトウェアで消費電力と温度の監視や業務ごとの統計情報の可視化が可能だ。また、使用しない時間帯はディスクの回転を停止して電力消費量を削減するMAID(Massive Array of Idle Disks)技術を応用したエコモードを搭載している。新機能では、コントローラーの電源を切ることで、さらに消費電力を削減できる。

バックアップ運用の課題

 仮想化環境に集約するシステム数や規模が拡大すると、バックアップ運用にも影響が出る。1つは、リストア要件の違いだ。インフラ管理者のリストア要件はシステム全体(データストアまたはVM単位)だが、業務管理者にとってはファイル単位だ。通常のバックアップソフトでは、バックアップした時の権限でリストアするため、バックアップの権限がない業務管理者はファイル単位のリストアができないというケースがある。

 この問題は、ストレージ基盤ソフトウェア「ETERNUS SF AdvancedCopy Manager」と「ETERNUS SF TSM」の組み合わせで、解決できる。ストレージ筐体内でバックアップし、インフラ管理者によるデータストア/VN単位のリストアと、業務管理者によるファイル単位のリストアを統合方式で実現する。管理者ごとに権限が割り当てられ、それぞれが必要とする機能が使える。

 もう1つの問題は、データ量が増大し、従来の手法ではバックアップ時間やディスクサイズといった運用上の制限が発生することだ。これには重複排除・圧縮を活用したディスクバックアップが有効だ。富士通では、「ETERNUS CS800 S4デデュープアプライアンス」を提供している。仮想化環境ではデータの重複排除の効果が極めて高く有効だ。また、この製品はリモートレプリケーション機能を備えており、あらかじめ縮小されたデータを転送できるためネットワーク回線負荷も抑えられ災害対策に利用しやすい。

 一方、人的ミス、コンピュータウイルスなどデータ汚染の影響を受け難いオフラインメディアの特長から最近テープストレージが見直されている。異種サーバ環境では、大型のテープライブラリを複数のバックアップシステムで共用し、論理的に分割してバックアップする使い方がある。「ETERNUS LT270 S2」では、論理ライブラリオプションにより異種OS環境共有が可能だ。また、高性能LTOドライブを採用し、改ざん防止(WORM)と情報漏洩対策(暗号化)を標準搭載している。

 テープドライブの大きな用途の1つがアーカイブである。ただ、従来のアーカイブ方法を変えるのは、運用に負荷がかかる。しかし、「ETERNUS CS2000NS」は、1次階層に高速アクセスが可能なRAID、2次階層に大容量で安価なテープボリュームを使用した大容量NASシステムであり、変更を意識せずに使える。

テクノロジーの変化を、見据えたインフラ計画

 システムの寿命、テクノロジーの変化、リソースの需要により適切な時期にハードウェア・ソフトウェアなど導入することで業務効率はもちろんTCO削減も実現できる。そのためにはインフラと業務を分離した仮想統合基盤が欠かせない。富士通では問診票・ツール方式による簡単・短期間でアセスメントを実施するサービスがあり、仮想化導入プランをご案内できるという。

展示会場:フラッシュを新たな形で使う、富士通の主力ストレージ製品

 富士通は2013年11月に、主力ディスクストレージシステム製品群の最新版、ETERNUS DX S3 Seriesを販売開始した。同社はJapan Storage Vision 2014の展示会場で、そのミッドレンジ機種「ETERNUS DX500 S3」の実機をExtreme Cacheとともに展示し、紹介した。

ETERNUS DX500 S3

 Extreme Cacheは最新フラッシュテクノロジで、高速・大容量のコントローラー直結型PCIe接続SSD(PFM)を搭載している。最大5.6TBを2次キャッシュとして使うことでI/O性能を大幅にアップさせることができる。一般的に、ストレージのI/O性能を高めるために、従来はハードディスクを多数並べるということが行われてきた。しかし、Extreme Cacheをキャッシュとして使用することで、ハードディスクの本数を5分の1程度に減らすことも可能という。本編「新データセンター環境での課題」で触れた高密度実装、高効率電源、エコモードとあわせ、省スペースおよび省電力のエコプロダクトとしても追求された製品だ。

 時代とともに、企業におけるデータ管理には新たな課題が生まれてくる。一方でこれまでの課題が消え去るわけではない。富士通は新しい技術を活用し、これまでの課題とこれからの課題の双方を、統合的に解決する製品群を提供している。

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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年4月11日

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