インストールなしでOpenStackに入門してみる/ネットワークコンポーネント「Neutron」とは?たまおきのOpenStack Watch(2014年4月)(2/3 ページ)

» 2014年04月28日 18時18分 公開
[たまおきのぶゆき,@IT ]

いますぐOpenStackを試す環境「TryStack」に挑戦する

 OpenStackの環境構築が以前と比べて簡単になったとはいえハードウェアの手配や環境構築の技術スキルの習得は簡単ではありません。ここではハードウェア不要のOpenStackのサンドボックスであるTryStack(リンク)を紹介します。

TryStackへのログイン方法

 TryStackを利用するにはFacebookアカウントが必要です。

 まず、Facebookのグループ「TryStack」に参加申請を出します。「TryStack」は非公開グループなので、管理者に承認してもらう必要があります。

 TryStack環境そのものにも、Facebookのアカウントでログインできます。TryStackでは、下記の環境を利用できます。

項目 数量
サーバーインスタンス 3
仮想CPU 6つ
メモリ 12GB
フローティングIP 50個まで

 OpenStackの動作確認の目的であれば十分なリソースですね。早速、TryStack環境を使用してインスタンスを起動してみましょう。

手順1:TryStack環境にログイン

 Facebookのアカウントを使用してTryStack(リンク)にログインします。ログインすると画面の左側にメニューが並んでいるのを確認できます。

手順2:ネットワークの作成

 メニューの「ネットワーク管理」の「ネットワーク」をクリックし、「ネットワークの作成」ボタンを押します。下記の入力を行い、入力後に「作成」ボタンを押します。

タブの種類 設定項目 設定内容
「ネットワーク」タブ ネットワーク名 private
「サブネット」タブ ネットワークアドレス 192.168.37.0/24
「サブネットの詳細」タブ DNSサーバー 8.8.8.8

 ネットワークの作成時に下記のエラーが発生する場合、ネットワークアドレスの37の値を1から254までの別の数字に置き換えて実施すると良いでしょう。

Error: Failed to create ... overlaps with another subnet

手順3:ルーターの作成

 メニューの「ネットワーク管理」―「ルーター」をクリックし、「ルーターの作成」ボタンを押します。下記の入力を行い、入力後に「ルーターの作成」ボタンを押します。

項目名 設定内容
ルーター名 router

 「ゲートウェイの設定」を選択し、下記の内容を確認し「ゲートウェイの設定」ボタンを押します。

設定項目 設定内容
外部ネットワーク externalを選択

 ルーター“router”をクリックし、「インターフェースの追加」ボタンを押します。下記の選択を行い、「インターフェースの追加」ボタンを押します。

設定項目 設定内容
サブネット privateを選択

 メニューの「ネットワーク管理」の「ネットワークトポロジー」をクリックすると、作成したネットワークとルーターを確認できます。

手順4:SSH認証用の鍵ファイルの作成

 メニューの「コンピュートの管理」の「アクセスとセキュリティ」をクリックし、「キーペア」タグをクリックします。「キーペアの作成」ボタンを押し、下記の入力を行い、「キーペアの作成」ボタンを押します。

設定項目 設定内容
キーペア名 mykey

 キーペアの作成を行うと、SSH認証用の鍵ファイル「mykey.pem」をダウンロードできます。

手順5:フローティングIPの確保

 メニュー「コンピュートの管理」の「アクセスとセキュリティ」をクリックし、「Floating IP」タグをクリックします。「Floating IPの確保」ボタンを押し、下記の内容を確認し「IPの確保」ボタンを押します。

設定項目 設定内容
プール external

手順6:インスタンスの起動

 メニュー「コンピュートの管理」の「インスタンス」をクリックし、「インスタンスの起動」ボタンを押します。下記の入力を行い、「起動」ボタンを押します。

「詳細」タブ インスタンス名 インスタンス名を入力
フレーバー m1.smallを選択
インスタンスのブートソース イメージからの起動
イメージ名 Ubuntu 13.10を選択
「アクセスとセキュリティ」タブ キーペア mykeyを選択
「ネットワーク」タブ 選択済みネットワーク privateを選択

 メニューの「コンピュートの管理」の「インスタンス」にて起動したインスタンスの状態が“Active”で稼働状態が“Running”であれば正常な動作です。インスタンス名をクリックして「概要」タブでインスタンスの詳細情報を、「ログ」タブでインスタンスのログを、確認できます。

手順7:フローティングIPの割り当て

 メニュー「コンピュートの管理」の「インスタンス」で、インスタンスのアクションの選択肢を表示し、「Floating IPの割り当て」を選びます。「手順5:フローティングIPの確保」で獲得したIPアドレスを指定して「割り当て」ボタンを押します。

手順8:コンピュートにSSHでログイン

 今回試したTryStack環境では行いませんが、一般的なOpenStack環境ではSSH認証用の鍵ファイルmykey.pemを使用してSSHでログインします。

% ssh -i ~/mykey.pem ubuntu@192.168.37.2

 TryStack環境の使い方そのものについても、ドキュメントが用意されていますので、TryStack FAQTryStack スタートガイドも参考にしてみてください。

OpenStackをより理解するために

 今回はOpenStack再入門として記してきましたが、OpenStackをより理解するためにレッドハット 中井悦司氏が作成したハンズオンマテリアル(以下、全てslideshare)がお勧めです。

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