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» 2014年05月08日 18時00分 UPDATE

経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」(1):なぜ理系は文系に使われるのだろうか? (1/2)

エンジニアがエンジニアとして生き残るためには、技術を経済活動につなげるためのビジネス的な観点が必要だ。では、そのために何を考え、何を行えばよいのだろうか。本連載では、ビジネスのプロである経済評論家の山崎元さんが、あえて非エンジニアの立場から、エンジニアに足りないものをアドバイスする。

[山崎元,@IT]
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 はじめまして。経済評論家の山崎元です。

 私自身はエンジニアではありませんが、本連載では、「エンジニアもビジネスパーソンである」という事実に基づいて、エンジニア読者がよりよい職業人生を歩むことができるような考え方のヒントを提供することを目指します。どうぞ、よろしくお願い致します。

※この連載はWebサイト『経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」』を、筆者、およびサイト運営会社の許可の下、転載するものです。

企業も官庁もトップは文系が多い

 さて、第1回目は、なぜ理系人材が文系人材に「使われる」ことが多いのかについて考えてみる。

 企業でも、あるいは官庁でも、大学の理系の学部・大学院を出た人物が、専門性を生かしながら働けるとしても、文系学部出身の経営者やマネジャーに使われているケースが多い。高度な製品を作っているメーカーでも、社長の多くは法学部や経済学部といった文系出身者が就いていることが多い。

 筆者は、大学は経済学部に進み、卒業後最初は大手商社に就職した。だが、実は高校時代、理系の科目の方が得意だった。しかし、かつての山崎少年は、理学部・工学部を受けずに、経済学部を選んだ。その理由は、当時「企業では、理系が文系に使われることが多いので、面白くないから」というものだった。

 理系で経営者になっておられる方は、近年、かつてよりも増えている印象だが、それでも、特に大企業のサラリーマン社長は文系学部卒の方が圧倒的に多い。

 官庁でも、例えば、医療関係をつかさどる厚生労働省には、医師や薬剤師の資格を持った研究者レベルの「技官」が多数いる。医学部は大学入試偏差値的には、同大学の文系学部よりも難関であることが多く、彼らの多くは学業的には大変頭が良くて「できる」はずだ。しかし、厚生労働省にあって、官僚のトップ・ポストである事務次官に就くのは、ほとんどが法学部の出身者だ。

 読者にお世辞を言うわけではないが、論理と数字に強く、情報テクノロジを基礎から理解できる理系出身者は、文系に対して大きな優位性を持つ。例えばビッグデータブームに象徴されるように、データ分析が重要で、業務のシステム化が進みつつある今日のビジネス環境にあって、文系学部出身者よりも、理系人材の方がビジネスに携わる人材としては明らかに役に立つ。

 では、どうして、理系が文系に使われてしまうのか。理系人材に足りないものは、何なのだろうか?

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