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» 2014年05月21日 18時00分 UPDATE

場所を問わずに使えるのは当たり前:クラウド? オンプレミス? これからのコンテンツ共有の在り方とは (1/2)

最近、従業員がIT管理者に無断でクラウドサービスなどを利用して情報を共有してしまう、いわゆる「シャドーIT」が課題となっている。セキュリティを保ちながら、クラウドベースのコンテンツ管理の利便性を享受するポイントはどこにあるのか、Japan IT Weekの会場で探ってみた。

[@IT]

 紙文書をただ電子化するだけにとどまらず、データのライフサイクル全体にまたがって一元管理し、業務の効率化やビジネス活性化を実現しようといった狙いで導入が進んできたエンタープライズコンテンツ管理(ECM)。一方で最近、利便性を優先した従業員が、IT管理者に無断でクラウドサービスなどを利用して情報を共有してしまう、いわゆる「シャドーIT」が課題となっている。野放図にシャドーITによる情報共有を許してしまうと、情報漏えいなどのセキュリティ事故につながる恐れもある。

 2014年5月14日から16日にかけて開催された「Japan IT Week」ではこうした問題意識を踏まえ、アクセス制御をはじめ、企業が求めるセキュリティ機能を実装しながら、場所や機器を問わず必要な情報へのアクセスを可能にするクラウドベースのコンテンツ共有サービスが多数紹介され、これからのECMの方向性を垣間見ることができた。その幾つかを紹介しよう。

データの手渡しも可能なMCM「Handbook」、API連携の強化も視野に

 インフォテリアは、スマートデバイス向けのコンテンツ管理ソフト「Handbook」を紹介した。

 Handbookは、商品カタログやパンフレット、マニュアル、会議資料といったさまざまなドキュメントを一元的に管理し、スマートフォンやタブレット端末でも活用できるようにするMCM(Mobile Content Management)システムだ。コンテンツはクラウド上のサーバー「Hadbook Studio」で中央管理し、Webブラウザーの他、スマートデバイスにインストールする専用アプリ「Handbookアプリ」に配信する仕組みとなっており、既に野村證券などが導入している。

 企業での利用を前提にしていることから、アクセス制御や閲覧ログの管理、閲覧有効期間の設定などが可能だ。2013年9月にリリースされたバージョン4では、顧客との商談の場などで、紙のパンフレットを手渡しするのと同じ感覚でデータを直接共有できる「ブックドロップ」機能や全文検索、コンテンツに対するフィードバック機能などが追加された。

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 Web APIを公開していることも特徴で、これを活用すればさまざまなシステム連携が可能だ。既に、Salesforce.comのChatterと連携して、ドキュメントを参照しながらコンテンツ制作者にフィードバックを送る仕組みを実装している例もあるという。「もっと詳しい情報を見たい」「整形した形でデータを提供したい」といったさまざまなニーズに応えるべく、API連携の部分も強化していく計画だ。

 Handbookのブックドロップ機能は、Wi-FiやBluetooth、あるいはGPSによる位置情報に基づいて「近接」している相手を判断し、データの受け渡しを行えるようにするユニークな機能だ。「信頼できる相手」「渡してもいい相手」だけに情報共有を許可する手段としてはDigital Rights Management(DRM)が広く使われているが、ここに「対面」というアナログながら確実な判断基準を組み合わせている点が面白い。

【関連リンク】

インフォテリア Handbook公式サイト

http://handbook.jp/


Amazon S3を利用してファイルサーバーの「断捨離」を支援、日立ソリューションズ

 日立ソリューションズは、既存のストレージとAmazon Simple Storage Service(Amazon S3)との連携によってファイルサーバーのコストを削減する「活文 Hybrid Storage Manager」を紹介した。

 活文は、オフィス文書や設計データ、電子帳票といった企業が取り扱うコンテンツの活用を支援するソリューション群で、PDF変換機能を提供する「活文 PDFstaff」や社外への情報流出を防ぐ「活文 NAVIstaff」といった製品ラインナップが用意されている。

 2014年3月にリリースされたばかりの新製品である活文 Hybrid Storage Managerは、企業内のストレージに保存されているデータのうち、利用頻度の低いものを自動的にAmazon S3に自動的に移動させるサービスだ。データは「秘文」によって暗号化してからクラウド側に移動する仕組みで、移動後は、仮想ビューワーを通じて閲覧できるようになっている。

 情報共有のためにファイルサーバーを運用していると、しばしば「容量がいっぱいになりそうなので、○日までに不要なデータを削除してください」といったアナウンスが流れることがある。活文 Hybrid Storage Managerは、使われていないファイルを削除する代わりに自動的にAmazon S3に移動させるため、そうした手間を省きつつ、ファイルサーバーの容量がパンクする事態を避けることができる。ストレージの増設に要していたコストを削減できることもメリットだ。

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 使用していないファイルの選別には、企業内コンテンツの効率的な活用を支援するソリューション「MEANS」を利用しているという。「不要なデータ、絶対開かないと思うけれど念のため取っておきたいというようなデータをクラウドに移動することによって、既存のストレージを有効活用できる」と同社は説明している。

 これまで、ファイルサーバー内の使われていないデータのアーカイブ先には、もっぱらテープドライブが使われてきたのではないだろうか。テープはコスト面で有利だが、いざデータが必要になった際の検索やリストアの手間が課題だった。活文 Hybrid Storage Managerはその課題をカバーしながら、「料金が発生するのはデータをダウンロードするときだけ」というAmazon S3の特性もうまく生かしているといえそうだ。

【関連リンク】

日立ソリューションズのプレスリリース

http://www.hitachi-solutions.co.jp/company/press/news/2014/0305.html


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