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» 2014年06月02日 19時00分 UPDATE

ITエンジニアのチームリーダーシップ実践講座(10):チームの立ち位置を見える化する「関係マップ」 (1/3)

チームはチームの中だけで完結しているわけではない。自分のチームの立ち位置や周りとの関係性などを、マインドマップ風の図にして「見える化」してみよう。

[エディフィストラーニング 上村有子,@IT]
「ITエンジニアのチームリーダーシップ実践講座」

連載目次

 チームを取り巻く状況は、時々刻々と変わっています。一段高い視点に立って周囲の状況を見渡して、チームの仕事を外にアピールするのもリーダーの役割です。今回は、チームの外部との関わり方について、リーダーがやるべきことや、その方法について解説します。

※この連載は、『ITエンジニアのためのチームリーダーシップ実践講座』(上村有子著)の第1章〜第3章を、著者と出版社の許可の下、一部修正して転載するものです。

リーダーはチーム内外の中継役

 チームのメンバーは、自分の仕事に専念すればするほど、目の前のことしか分からなくなるものです。隣で一緒に仕事をする人や、チーム内の状況であれば、何かの予兆に気付くかもしれませんが、チームの外の状況にまでアンテナを伸ばせないのが普通です。

 例えば、納期間際にスケジュールが遅れ気味で、チーム全員が必死になって仕事をしているとします。残業や休日出勤が当たり前になり、徹夜もいとわないという雰囲気です。こんな状態で運良く山を乗り切れたとしても、残業や休日出勤が積もると、コスト超過で赤字プロジェクトになってしまいます。社内での評価は高まるどころか、白い目で見られてしまうかもしれません。

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 こんな事態を望む人は誰もいないはずです。しかし目の前のことに集中するあまり、行き着く先を気にせず、一目散にデスマーチに突入してしまうのです。

 そこで重要なのがリーダーです。リーダーは、目的を指さしてメンバーを導くだけではなく、チーム外の状況を常に敏感に察知していなければなりません。チームの外と内との中継役はリーダーです。極端な言い方をすると、リーダーは外の温度を中に伝えられる唯一の人なのです。

外部とのコミュニケーション

 状況を判断するには、情報収集が欠かせません。情報は黙っていても自然に集まってくるものではないので、自ら積極的に集めて回らねばなりません。つまりリーダーは、メンバーとコミュニケーションを取るのと同じくらい、チーム外の人ともコミュニケーションを取る必要があります。

 「集める」というと、ご用聞きや、あちこちのうわさ話に首を突っ込むようなイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。こちらからキーパーソンに積極的に情報を提供し、その見返りとしてあちこちの情報を収集すると考えればよいでしょう。身近な上司や、顧客の窓口、協力会社のリーダー格の人と積極的に打ち合わせをし、その時点の状況や問題点を小まめに交換し合うことです。

 もし上司が、情報を聞くばかりで、リーダーであるあなたに必要最低限の指示を出すだけのタイプであれば、そのまま引き下がるのではなく、一歩踏み込んで、上司の知っている情報をより多く聞き出すと良いでしょう。上司の背中を通して、社内のいろいろな位置関係を把握できれば、組織におけるチームの位置付けや果たすべき役割が、別の角度から見えてくるはずです。

 責任感の強い人ほど、リーダーになると一人で苦労を背負ってしまいがちです。しかし、狭い範囲で仕事が回っているのではないことが分かれば、必ずしも一人で背負い込むのがベストではないことに気付くはずです。

 また、開発作業のスケジュールの遅れなどの報告したくない要素があると、お客さまとの関係も疎遠になりがちです。しかし、相手の状況も刻々と変わるものです。定期的に相手の立場や状況を把握しておかないと、知らない間に状況が厳しくなっていて、お互いに「今ごろそんなこと言われても!」という事態になりかねません。早めに手を打つためにも、意識してコミュニケーションを心掛けましょう。

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