【Google Chrome】同期パスフレーズを設定してセキュリティを高める(Windows/iPhone/Android)Google Chrome完全ガイド

Google Chrome同士がブックマークやパスワード、履歴などを同期する際、そのデータはGoogleのサーバ上で暗号化され、Googleアカウントの認証情報で保護されます。それだけでは不安なら、暗号化キー(同期パスフレーズ)を自分で設定することで、セキュリティレベルを上げることができます。

» 2019年05月29日 05時00分 公開
[小林章彦, 島田広道デジタルアドバンテージ]
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連載目次

Chromeの同期データは誰にも見られたくない!

 「Google Chromeの閲覧履歴やブックマークをPCとスマホの間で同期・共有する」で説明しているように、Google Chrome(以下、Chrome)は、ブックマークや閲覧履歴、Webページの認証に使ったID/パスワードなどを、同じGoogleアカウントでログインしているPC/スマートフォン間で同期できます。

 ただ、同期の際には、パスワードや閲覧履歴といったプライベートな情報が、Googleのサーバ上にあるGoogleアカウントのデータ保存領域にアップロードされます。もちろん暗号化によって保護されていますが、デフォルトではGoogleアカウントの認証情報(ID/パスワード)で保護されるだけなので、プライバシー保護に不安を持つ人もいることでしょう。

 このようにデフォルトのセキュリティ設定に不安がある人は、暗号化のキーとなる同期パスフレーズを自分自身で設定することで、セキュリティレベルを上げることができます。

Chromeの同期データを「パスフレーズ」で暗号化 Chromeの同期データを「パスフレーズ」で暗号化

 本稿では、Windows OS/iPhone(iOS)/Android OSの各Chromeを対象として、同期フレーズを設定する手順と注意点を説明します。

Windows OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する

 Windows OS版Chromeで同期パスフレーズを設定するには、まずChromeの画面右上隅の[Chromeメニュー]アイコンをクリックし、メニューから[設定]を選択します。[設定]ページが表示されたら、[ユーザー]枠にある[同期とGoogleサービス]をクリックします。

Windows OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(1/3) Windows OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(1/3)
Windows OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(2/3) Windows OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(2/3)

 [同期とGoogleサービスの詳細設定ページが表示されたら、[暗号化オプション]枠にある[同期データを同期パスフレーズで暗号化します。……]を選択します。すると、その下にパスフレーズの入力欄が現れるので、任意の文字列を入力します。

Windows OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(3/3) Windows OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(3/3)

 このパスフレーズは、暗号化のキーになるため、他人に知られないように注意しましょう。またGoogleには送信されないため、パスフレーズを忘れてしまった場合は、後述の方法でリセットする必要があります。

 この設定後、Chrome上でこのパスフレーズをキーとした暗号化がデータに施されてから、Googleのサーバに同期データが保存されるようになります。

●他の端末でパスフレーズを設定した場合

 こうした仕組みのため、このパスフレーズで暗号化された同期データを他の端末のChromeで同期するには、それらの端末にも同じパスフレーズを設定する必要があります。

 Windows OS版Chromeの場合、他の端末でパスフレーズを設定すると、ユーザーアイコンの背景が赤くなって「エラー」と表示されるので、以下の手順でパスフレーズを設定します。

他の端末でパスフレーズを設定した場合のWindows OS版Chromeでの設定(1/2) 他の端末でパスフレーズを設定した場合のWindows OS版Chromeでの設定(1/2)
他の端末でパスフレーズを設定した場合のWindows OS版Chromeでの設定(2/2) 他の端末でパスフレーズを設定した場合のWindows OS版Chromeでの設定(2/2)

 いったん同期パスフレーズを設定すると、Chromeに再ログインする際にパスフレーズを入力するまで、同期ができなくなります。その分、ログイン手順が面倒になる点に注意してください。

 すでに同期されたデータ(Chrome側のデータ)は、同期パスフレーズを設定しても失われません。

iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する

 iPhone(iOS)版Chromeの場合、まずChromeの画面右下隅にある[Chromeメニュー]をタップし、メニューから[設定]をタップします。設定画面が表示されたら、その冒頭に表示されている、Chromeにログイン中のアカウントをタップし、次の画面から[同期]−[暗号化]−[同期データを同期パスフレーズで暗号化する]とタップしていきます。「パスフレーズの作成」画面が表示されるので、パスフレーズを入力して[送信]ボタンをタップします。

iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(1/6) iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(1/6)
iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(2/6) iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(2/6)
iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(3/6) iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(3/6)
iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(4/6) iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(4/6)
iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(5/6) iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(5/6)
iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(6/6) iPhone版Chromeで同期パスフレーズを設定する(6/6)

●他の端末でパスフレーズを設定した場合

 他の端末のChromeでパスフレーズを設定した場合、iPhone版Chromeの「同期」画面には以下のような警告メッセージが表示されるので、[暗号化]をタップしてパスフレーズを入力し、[送信]をタップします。

他の端末でパスフレーズを設定した場合のiPhone版Chromeでの設定(1/2) 他の端末でパスフレーズを設定した場合のiPhone版Chromeでの設定(1/2)
他の端末でパスフレーズを設定した場合のiPhone版Chromeでの設定(2/2) 他の端末でパスフレーズを設定した場合のiPhone版Chromeでの設定(2/2)

 これで再び同期できるようになります。

Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する

 Android版Chromeの場合もiPhone版と同様に、Androidの[メニュー]ボタンを押し、メニューの[設定]をタップし、[<アカウント名> に同期しています]−[同期]とタップしていきます。「同期」画面が表示されたら、[暗号化]をタップし、[同期データを同期パスフレーズですべて暗号化する]を選択して、次の画面でパスフレーズを入力します。

Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(1/7) Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(1/7)
Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(2/7) Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(2/7)
Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(3/7) Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(3/7)
Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(4/7) Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(4/7)
Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(5/7) Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(5/7)
Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(6/7) Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(6/7)
Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(7/7) Android OS版Chromeで同期パスフレーズを設定する(7/7)

●他の端末でパスフレーズを設定した場合

 他の端末のChromeでパスフレーズを設定した場合、Android OS版Chromeの「同期」画面には以下のような警告メッセージが表示されるので、[同期が機能していません]をタップしてパスフレーズを入力し、[送信]をタップします。

他の端末でパスフレーズを設定した場合のAndroid OS版Chromeでの設定(1/2) 他の端末でパスフレーズを設定した場合のAndroid OS版Chromeでの設定(1/2)
他の端末でパスフレーズを設定した場合のAndroid OS版Chromeでの設定(2/2) 他の端末でパスフレーズを設定した場合のAndroid OS版Chromeでの設定(2/2)

 これで再び同期できるようになります。

同期パスフレーズの設定をリセットする

 前述のようにいったん同期パスフレーズを設定すると、Chromeへログインするたびにパスフレーズを入力しないと同期機能が働かなくなります。そのためパスフレーズを忘れてしまうと、同期できなくなるので、同期設定のリセットが必要になります。

 またデフォルトの[Googleの認証情報で同期パスワードを暗号化する]に戻したい場合も、同様に同期設定のリセットを行う必要があります。

 同期設定をリセットするには、同期に用いているGoogleアカウントでChromeへログイン後、前述したChromeの同期設定画面で、[暗号化オプション]枠にある[同期をリセット]というリンクをクリックします。あるいは、直接「Chrome同期のデータ」ページを開いても構いません。

Chromeの同期データを管理するためのWebページを呼び出す Chromeの同期データを管理するためのWebページを呼び出す

 「Chrome同期のデータ」ページが表示されたら、下にスクロールして「同期またはパスフレーズで問題が発生した場合」という見出しを見つけ、その下にある[同期をリセット]ボタンをクリックして、パスフレーズを含む同期をリセット(解除)します。

Chromeの同期パスフレーズの設定をリセットする Chromeの同期パスフレーズの設定をリセットする

 リセットしたらChromeの設定ページを開き、以下のように同期を再有効化してから、パスフレーズの再設定などを行います(リセットすると、暗号化の設定は[Googleの認証情報で同期パスワードを暗号化する]に戻ります)。

Windows OS版Chromeで同期を再び有効化する Windows OS版Chromeで同期を再び有効化する

iPhone版Chromeで同期を再び有効化する iPhone版Chromeで同期を再び有効化する

Android OS版Chromeで同期を再び有効化する Android OS版Chromeで同期を再び有効化する

 ログイン後、そのChromeの設定が同期データとしてGoogleのサーバに保存されます。また別のPC/iPhone/Android端末などのChromeも、Googleアカウントが切断された状態となるので、再度、Chromeへのログインが必要となります。その時点で、再度同期が行われます。

■更新履歴

【2019/05/29】スクリーンショットを追加および更新し、最新情報を反映しました。

【2018/03/12】スクリーンショットを追加しました。Chrome最新版など最新の情報を反映しました。

【2014/08/29】初版公開。


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