Office 2013で、以前のOfficeと同じ操作でファイルを保存したり開いたりできるようにするTech TIPS

以前のOfficeと比べて、Office 2013でファイルを保存したり開いたりするのが面倒になった、と感じているなら、設定を変更してファイルオープンダイアログの挙動を変えてみよう。

» 2014年10月01日 17時25分 公開
[島田広道デジタルアドバンテージ]
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対象ソフトウェア:Office 2013



解説

 Word 2013やExcel 2013、PowerPoint 2013といったOffice 2013アプリケーションで、新たに作成したドキュメントを保存するために[Ctrl]+[S]キーを押すと、デフォルトでは以下のような画面が表示される。

Office 2013で新規ドキュメントの保存時に表示される画面 Office 2013で新規ドキュメントの保存時に表示される画面
新たにドキュメントを作成して[Ctrl]+[S]キーを押すと、OneDriveやその他のWebサービス、そしてローカルコンピューターのフォルダーをブラウズできる画面が表示される(この表示形式は「Backstageビュー」と呼ばれる)。ドキュメントを開くために[Ctrl]+[O]キーを押したときにも、このようなBackstageビューが現れる。
  (1)デフォルトではOneDriveのフォルダーが選択されている(ことが多い)。
  (2)ローカルコンピューターのストレージをブラウズするには、まずこれをクリックする。
  (3)これをクリックして初めてファイルオープンダイアログが表示され、フォルダーをブラウズできるようになる。

 ここからローカルコンピューターのフォルダーをブラウズするには、さらに[コンピューター]−[参照]とクリックする必要がある。この挙動は[Ctrl]+[O]キーを押してファイルを開く場合にも当てはまる。

 OfficeドキュメントをOneDriveや他のWebサービスに保存しているなら、こうしたUIの方が便利だろう。しかし他の場所に保存している場合、Office 2010以前のように直接ファイルオープンダイアログが現れてフォルダーをブラウズできるのに比べて、操作に手間が掛かる印象は拭えない。

 そこでOffice 2013のオプション設定を変更すると、Office 2010以前と同様に、最初からファイルオープンダイアログを開いてファイルを操作できるようになる。

操作方法

 Office 2013のファイルオープンダイアログの挙動をOffice 2010以前と同等にするには、WordやExcel、PowerPointなどいずれかのOfficeアプリケーションを起動し、[ファイル]タブ−[オプション]とクリックしてオプション設定画面を開き、[保存]−[ファイルを開いたり保存したりするときに Backstage を表示しない]にチェックを入れてオンにする。

Office 2013アプリケーションでオプション設定画面を開く Office 2013アプリケーションでオプション設定画面を開く
これはWord 2013で[ファイル]タブをクリックしたところ。他のOffice 2013アプリケーションでも操作方法は同じだ。
  (1)これをクリックすると「<アプリケーション名> のオプション」というダイアログが表示される。
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ファイルオープンダイアログに関する設定を変更する ファイルオープンダイアログに関する設定を変更する
これはWord 2013で[ファイル]タブをクリックしたところ。他のOffice 2013アプリケーションでも操作方法は同じだ。
  (2)まずこれを選ぶ。
  (3)これにチェックを入れてオンにすると、Backstageビューではなくファイルオープンダイアログが直接表示されるようになる。デフォルトはオフである。
  (4)ファイルオープンダイアログが現れたときにデフォルトでOneDriveのフォルダーが表示される場合は、これにチェックを入れてオンにすると、ローカルコンピューター内のフォルダーの方が表示されるようになる。
  (5)これをクリックすると、変更した設定内容が実際に反映される。

 これで新規ドキュメントを[Ctrl]+[S]キーで保存したり、[Ctrl]+[O]キーを押してファイルを開いたりする際、直接ファイルオープンダイアログが表示されて素早くフォルダーをブラウズできるようになる。

設定変更後、新規ドキュメントの保存時に表示されるダイアログ 設定変更後、新規ドキュメントの保存時に表示されるダイアログ
新たにドキュメントを作成して[Ctrl]+[S]キーを押すと、Backstageビューの画面ではなく、このダイアログが真っ先に表示されるようになる。

 また、この設定項目はOffice 2013アプリケーションで共通なので、どれか1つのアプリケーションで設定すれば残りのアプリケーションにも同じ設定が反映される。

【やって分かった】グループポリシーによる設定は「公式には」不可

やって分かった

 Office 2013の各種設定は、マイクロソフトが配布している専用の管理用テンプレートをインストールすることにより、グループポリシーによって変更できる。インストール手順は次のTIPS記事の「グループ・ポリシーでアニメーションを無効化する」が参考になる。

 だが執筆時点で確認した限り、本文で説明した[ファイルを開いたり保存したりするときに Backstage を表示しない]という設定項目は、Office 2013の管理用テンプレートで定義されておらず、グループポリシーでは設定できない。

 ただし筆者が実験して確認した限りでは、次のポリシー用レジストリエントリを設定すると、[ファイルを開いたり保存したりするときに Backstage を表示しない]をオン/オフできた。

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリエディターの操作は慎重に行うとともに、あくまでご自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。


項目  内容
キー HKCU\Software\Policies\Microsoft\Office\15.0\Common\General
値の名前 SkipOpenAndSaveAsPlace
値の型 DWORD
値の内容 「0」→[ファイルを開いたり保存したりするときに Backstage を表示しない]をオフにする
「1」→[ファイルを開いたり保存したりするときに Backstage を表示しない]をオンにする
(存在しない)→未定義
[ファイルを開いたり保存したりするときに Backstage を表示しない]を設定するためのポリシー用レジストリエントリ
これにより、Windows 8.1+Office Professional Plus 2013(SP1適用済み)の環境で、[ファイルを開いたり保存したりするときに Backstage を表示しない]をオン/オフできることを確認した。

 上記のレジストリエントリについては、あくまでも筆者の実験結果であり、マイクロソフトが動作を保証しているわけではない。それでも、多数のコンピューターを設定する上でどうしてもグループポリシーを使わざるを得ないという場合は、上記レジストリエントリを操作するためのテンプレートファイル(*.admx、*.adml)を独自に作成して、試してみるとよいかもしれない。


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