第1回 Forguncyに触ってみよう連載:カンタンWebアプリ開発ツール「Forguncy」の実力を探る(1/4 ページ)

「Excel方眼紙」の「方眼紙」をもじった名前で話題となったForguncyの正式版がリリース。そのForguncyによるWebアプリ開発を解説する連載スタート。

» 2014年10月15日 14時02分 公開
連載:カンタンWebアプリ開発ツール「Forguncy」の実力を探る
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連載目次

 2014年の春先にプレビュー版が公開され、「Excel方眼紙」の「方眼紙」をもじった名前とExcelユーザーを対象とすることで、一部で大きな話題となったForguncyの正式版が公開された(本日販売開始)。

 本連載では、Forguncyを使ったWebアプリ開発手法について見ていく。初回となる本稿では、

  • Forguncyとは
  • その画面構成
  • ForguncyでのWebアプリ開発の手順

について見てみよう。

Forguncyとは

 Forguncyをひと言で説明すると、グレープシティ株式会社がリリースした「ExcelライクなWebアプリ開発ツール」(とその運用サーバーのセット)である。日本では、企業活動の多くの部分でExcelが活用されており、Excelベースのビジネス資産も少なくないと思われる。Forguncyはこうしたビジネス資産、あるいは人的資産(Excel名人)を活用するためのものだ。

 Forguncyの製品ラインアップは「Forguncy」「Forguncy Pro」の2つだが、「Pro」については2015年初頭のリリースが予定されている。本稿では「Forguncy」を対象として話をしていく。

Forguncyの開発ツール Forguncyの開発ツール

 開発ツールとして見たときのForguncyの大きな特徴は「プログラミングレス」でWebアプリを開発できる点にある。上の画面を見ていただければ分かる通り、Excelに慣れた人に優しいユーザーインターフェース(UI)を備えている。この「方眼紙」状の画面でWebアプリのUIを設計できる。これをForguncyではページと呼ぶ。また、Webアプリで使用するデータ構造はテーブルとして設計する。

 ForguncyはプログラミングレスなWebアプリ開発ツールではあるが、Excelと同様な関数を提供しており、これを活用することで、プログラミング言語を使わずとも高度な処理が可能となっている。方眼紙状のセルに型(ボタンやテキストなど。これを「セル型」と呼ぶ)を指定し、そのセルに対して「セル型のコマンド」を指定することで、条件分岐/ページ遷移/クエリなどを実行できる。最後に、セルにはテーブルのフィールドの値を「連結」でき、これによりテーブルに格納されているデータをUIに表示したり、UIからそれらを操作したりできる。

 このようにForguncyでは、ページ/テーブル/セル型/セル型のコマンド/データの連結などの機能を組み合わせることで、プログラミングレスにWebアプリを開発できるようになっている。

 既存のExcel資産をForguncyに取り込んだり、Forguncyで作成したデータをExcelにエクスポートしたりすることも可能な点は、Excelで多くのシステムを構築しているユーザーには重要だろう。

 なお、Forguncyのダウンロードページからは1カ月間の利用が可能な無料評価版がダウンロードできるので、実際の使い勝手を試してみてはいかがだろう。

Forguncyの構成とライセンス

 Forguncyは上で見たようなExcelライクなWebアプリ開発ツール「Forguncy」と、開発したアプリを実際に運用する「Forguncyサーバー」の2つで構成される。

Forguncyの構成 Forguncyの構成

 Forguncyではこれまでに述べたように、UIやテーブル(データベース)の設計、ロジックの構築を行い、開発用サーバーでの実行テストなどが行える。アプリが完成したら、これをForguncyサーバーに発行し、ユーザーはWebブラウザーを利用してアプリにアクセスする。これが、ForguncyにおけるWebアプリ開発のざっくりとした手順だ。

 このとき、Forguncyで開発を行うには「開発ライセンス」が、Forguncyサーバーでアプリを実運用するには「運用ライセンス」が必要になる(開発ライセンスがあればForguncy開発ツールと開発用Webサーバーを利用可能だ)。

 また、運用ライセンスには「基本サーバーライセンス」と「ユーザーアカウントライセンス」があり、前者はさらに「Forguncy Server」「Forguncy Server Lite」の2つに分類されている。ユーザーログイン機能を使う場合には、「Forguncy Server」ライセンスと「ユーザーアカウントライセンス」の両者が必要だ(ユーザーアカウントライセンスは、Forguncyサーバーで運用されるアプリでユーザーログイン機能を使用するユーザーの数だけ必要になる)。ユーザーログイン機能を使わない小規模な部署内でのWebアプリ運用であれば「Forguncy Server Lite」ライセンスが必要になる。

 ライセンスの詳細/価格などについてはForguncyサイト内の「ライセンスの買い方」Forguncyのドキュメントページにある「ライセンスについて」を参照してほしい。

Forguncyのインストール

 Forguncyのインストールは簡単だ。ForguncyとForguncyサーバーのインストーラーを実行するだけでよい。このとき、Forguncyサーバーは開発に使うマシンとは異なるマシンにインストールしてもよい。部署内に余力のある共有マシンなどがある場合には、Forguncyサーバーはそちらにインストールするという手もあるだろう。

 なお、Forguncyサーバーのインストール完了後に[Forguncyサーバーマネージャーを起動する]チェックボックスにチェックを入れて[閉じる]ボタンをクリックすると、Forguncyサーバーマネージャーが起動する(サーバーマネージャーについては、今回は取り上げない)。

 次ページでは、Forguncyを起動したときに表示される画面を簡単に見て回ることにする。

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