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» 2014年10月30日 06時58分 UPDATE

NetApp Insight 2014:エンタープライズ要件を満たすデータ管理機能を強化した「Clusterd Data ONTAP 8.3」

「Data Fablic」のコンセプトのもと、多様なクラウド環境に対応できるストレージとしてのポジションを明確にしたネットアップ。同社製品の核となる「Clusterd Data ONTAP」の新版はDC管理の課題に対応する機能が盛り込まれた。

[@IT]

 2014年10月28〜29日、米ネットアップ主催のパートナー向けイベント「NetApp Insight 2014」が開幕、基調講演では先の記事で紹介した内容を中心に、あらめてパートナー向けにその戦略を示すものとなった。

 本イベントはパートナー向けのものであることもあり、Cisco UCSと組み合わせたいわゆる「コンバージドインフラ」である「FlexPod」のパートナー販売が好調を続けてきたことを振り返りながら、「我々のアプローチはパートナーとともにエコシステムを確立し、拡大していくことにある」(米ネットアップ Chairman of the Board and Chief Executive Officer Tom Georgens氏)と、今後も同社の市場プレゼンス拡大に、パートナービジネスが重要であることを強調した。基調講演ではそれを象徴するように、講演ではパートナーである米シスコシステムズ、米ヴイエムウェア、米マイクロソフト、米IBMなどの登壇が続いた。

mhss_tom.jpg 米ネットアップ Chairman of the Board and Chief Executive Officer Tom Georgens氏。パートナーとのエコシステム強化をあらためて宣言
mhss_robthankyou.jpg 米ネットアップPresident and Head of Go Market Operations Rob Salmon氏のプレゼンテーションではは来場したパートナー企業への感謝のスライドも
mhss_george.jpg 米ネットアップ エグゼクティブVPのGeorge Kurian氏はあらためて「Data Fablic」のコンセプトをパートナーに向けて示した
mhss_cisco.jpg FlexPodでの“盟友”米シスコシステムズからも開発・セールス担当 プレジデントであるRob Lloyd氏が登壇、同社が現在推進する「InterCloud」とネットアップストレージの関係を語った
mhss_day2vmware.jpg 2日目の基調講演は米ヴイエムウェアのCTOでエンドユーザーコンピューティングのVPであるKit Colbert氏も登壇。ネットアップはVMware vSphere 6.0で実装が予定されているVVOL(VMDKをオブジェクトとして扱う実装。ストレージ側からのVM管理を効率化する)の設計にもコミットしている。Colbert氏は直近で発表があったVMware Holizonなどのエンドユーザーコンピューティング環境において、共通のデータ、シンプルなオペレーションを提供するネットアップ製品を基に、同社プロダクトを介して多様な場所・デバイスでの共通ユーザー体験を提供する情報システムのあり方を示した

Clusterd Data ONTAP 8.3

 ここからは、同イベントにあわせて発表になったプロダクトを見ていこう。先の記事では同社における、エンタープライズでのハイブリッドクラウド環境への対応を見たが、今回は「Clusterd Data ONTAP 8.3」の特徴を中心に紹介しよう。

単一クラスタで100PBまで拡張可能、Clusterd Data ONTAP 8.3のスケール性とDR能力強化

 同社Data ONTAPの戦略および製品マネジメントのVPであるJohn Frederiksen氏によると、Clusterd Data ONTAP 8.3では、パフォーマンスの向上、DC間でのデータミラーリング機能を提供する「MetroCluster」への正式な対応などが行われているという。

200kmまでの距離でのデータ同期を保障するMetroCluster

 MetroClusterは、遠隔地へのデータ同期を行うオプション機能。類似の機能としてSnapMirror機能も提供しているが、こちらは差分データのレプリケーションを非同期で行うもの。MetroClusterはストレージアレイ単位でのクラスタリングと同期ミラーリングを行うものだ。完全なデータロスなしでの同期を200kmの距離まで保障するという。

 距離の制約は物理的な伝送の問題によるものだと考えられるが、200km遠隔へのデータのリアルタイム同期が実現することから、「専用ハードウェアなどの投資を含むDRプロダクトを利用するよりもローコストでシンプルな運用が可能」(同社Data ONTAPの戦略および製品マネジメントのVPであるJohn Frederiksen氏)だとしている。

パフォーマンス向上とフラッシュストレージ最適化

 Frederiksen氏によると、Data ONTAP 8.3では、8.2と比較して70%のパフォーマンス向上が図られている*という。また、拡張性に関しても改良が行われており、単一クラスタで100Pバイト、フラッシュストレージのみで構成した場合でも1.7Pバイトまで扱える。

 一般的に、クラスタ構成では、クラスタノード数が増えるほどオーバーヘッドが発生し、一定のノード数を超えるとリニアな性能向上が望めないことが多い。これについては、OSそのもののデータ処理アルゴリズムを見直したことでパフォーマンスも大きく改善した。「自社で評価した環境では36万IOPS、レイテンシは1.3ミリ秒程度に収まっている」(Frederiksen氏)という。

 こうした改良には「ネットアップの中で複数のストレージOS開発を行ってきたノウハウの蓄積が有効に働いている」とFrederiksen氏は強調する。

 特にオールフラッシュストレージアレイ「FlashRay」の開発では2011年3月に買収を発表した米国LSI子会社Engenioの製品に実装されていた技術も受け継いでおり(関連記事)、フラッシュストレージ関連の技術は、Clusterd Data ONTAP 8.3におけるパフォーマンス改善に貢献しているという。

 ネットアップではClusterd Data ONTAP 8.3について「パフォーマンスが高まったことから、VDI用の環境を他のワークロードのシステムと混在させることも可能」(Frederiksen氏)だとしている。

 「ドライブパーティショニングを使うことで、Gバイト当たりのコストでも改善している。オールフラッシュストレージ製品同様の性能を、FAS 2500/FAS 2200などのエントリモデルで得られる*」(同氏)

*同社が発表した検証数値の詳細な情報は追って紹介する予定だ。

mhss_flashray.jpg 展示会場にはFlashRayの参考出展も。多言語対応も進み、「間もなく正式出荷になる予定」(ブース説明員)だという

 同社では、Eシリーズ、FlashRayと併せると3つのストレージOSを開発・提供しているが、これらについては適用領域が異なることから、今後も個別の開発を続けながら技術ノウハウを共有する開発体制を維持するとしている。

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