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» 2014年11月17日 20時58分 UPDATE

Ceph/RADOS入門(3):Ceph/RADOSのインストール、環境構築と接続テストまで (1/4)

OpenStack環境で使える分散ストレージとして注目を集めるCeph/RADOS。今回は実際に5台のサーバーを使って分散ストレージ環境を構築、各インターフェースの動作確認までの手順を紹介します。

[佐藤友昭,VA Linux Systemsジャパン]

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連載バックナンバー

 第1回ではCephおよびRADOSの概要と特徴を、第2回ではCeph/RADOSの各機能コンポーネントと挙動を見てきました。

 今回はこれまでの事前知識を踏まえて、実際にCeph/RADOSを導入して動作を試してみましょう。

Ceph/RADOSを試用してみる

 それではCeph/RADOSを使ってみましょう。まずはインストールからです。

 通常、Ceph/RADOSのインストールはLinuxディストリビューションのパッケージ管理システム(RPMなど)で行いますが、最新版を試したいときはソースコードからビルドすることもできます。本稿では簡単にビルド方法を説明します。

ビルド方法(A)バイナリをビルドする

 はじめに、ceph.comからダウンロードしたソースコードのtarballからのビルドの場合について説明します。tarballのダウンロードについては、Ceph Documentationの「DOWNLOADING A CEPH RELEASE TARBALL」のページなどを参照してください。

 Gitリポジトリから取得したソースコードでもビルド手順は基本的に同じです。Gitリポジトリからのソースコード取得については、Ceph Documentationの「CLONING THE CEPH SOURCE CODE REPOSITORY」のページなどを参照してください。

 ここではFedora 18(x86_64)環境で、ceph-0.72.tar.gzをビルドする場合の例を示します。

 なお、関連するカーネルモジュールはLinuxカーネル本体に含まれるものなので、Ceph/RADOSで配布するソースコードには含まれませんので注意してください。

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 ビルドに必要なコンポーネントがない場合、configureがエラーになります。configureが正常に終了するまで必要なパッケージをインストールする必要があります。

mhss_ceph02fig03.png

ビルド方法(B)パッケージをビルドする

 ソースコードからパッケージをビルドすることもできます。ここではCentOS 6.4(x86_64)でceph-0.72.1.tar.bz2からRPM、SRPMパッケージをビルドする場合の例を示します。

 なお、本稿では以降、LinuxディストリビューションにCentOS 6.4(x86_64)を使用します。OpenStackディストリビューションについてはCentOS 6.4(x86_64)上でRDO(rdo-release-havana-7)を使用します。

mhss_ceph02fig04.png
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 ビルド環境に必要なコンポーネントがない場合、rpmbuild実行時(およびその延長のconfigure実行時)にエラーになります。筆者の環境ではさらにSPECファイ(rpmbuild/SPECS/ceph.spec)に以下の1行を追加する必要がありました。

mhss_ceph02fig06.png

 rpmbuildが正常に終了するまで必要なパッケージをインストールする必要があります。一部のパッケージはCentOS 6.4(x86_64)の標準リポジトリに存在しないため、リポジトリ(/etc/yum.repos.d/ceph.repoなど)を追加する必要があります。

 追加するリポジトリについてはCeph Documentationの「GET PACKAGES」などを参照してください。

mhss_ceph02fig07.png
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 ビルドの結果、以下のRPMパッケージとSRPMパッケージが生成されました。ビルド方法およびパッケージのビルド方法についてはCeph Documentationの「BUILD CEPH」なども参考にしてください。

mhss_ceph02fig09.png

Ceph Storage Clusterの構築

 実際にCeph/RADOSをインストールし、Ceph Storage Clusterを構築してみましょう。ここではceph-deployというツールを利用して、Ceph/RADOSおよび必要な関連パッケージをインストールし、Ceph Storage Clusterを構築します。

mhss_ceph02fig10.png

 上図は試用環境の出来上がり予定の構成です。

 ブロックインターフェース、ファイルインターフェースでCeph Storage Clusterに接続するクライアント用サーバーが1台、monitor兼OSD用サーバーが1台、MDS兼OSD用サーバーが1台、monitor兼MDS用サーバーが2台という、サーバー5台の構成です。

 試用が目的なので、サーバー台数や各コンポーネント(monitor、OSD、MDS)の配置に特に根拠はありません。

 1台のサーバーに上記全てのコンポーネントを収容するオールインワン構成も可能です。また、「Ceph Wiki」にはVagrantを使用したオールインワン構成が紹介されており、Windows PCとVirtualBoxの環境でも仮想マシン(VM)ベースでCeph/RADOSのブロックデバイスおよびファイルシステムの試用が可能です*。

*筆者が試したところ、ubuntu 12.04.1 LTSのVMで試した際には、ceph-fs-commonパッケージのみ、追加する必要がありました。



 本稿では、さまざまなコンポーネント構成、バックエンドストレージ構成で試すために、仮想化プラットフォームやストレージ仮想化環境を用いています。しかし、Ceph/RADOSのインストールや使用方法自体は物理サーバー、物理ストレージ(HDD、SSDなど)を使用する場合と基本的に変わりませんので仮想化プラットフォームやストレージ仮想化環境についての説明は省略します。

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