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» 2014年11月20日 20時00分 UPDATE

技術者視点のクラウドサービスレビュー(1):IDCFクラウドの技術的特徴と基本性能をチェックする(2014年11月) (1/2)

技術者の視点で各社のサービスをレビューします。直近で攻めの価格設定のサービスをローンチしたIDCFクラウドのインプレッションは? 利用時の注意点は?

[澤登亨彦,HiganWorks LLC]

 IDCフロンティアはパブリッククラウドサービスを刷新し、「IDCFクラウド」としてリリースしました。筆者が評価のため試用したところ、IaaS型パブリッククラウドサービスとしての機能が十分に高いレベルでそろっているようです。本稿では中立的な視点で各サービスを評価していきます。今回はIDCFクラウドの各機能を紹介しながら、その特徴に対する見解を述べます。次回は他社サービスとの比較や、はてなのクラウドパフォーマンス管理サービス「Mackerel」、オープンソースのサーバー設定自動化ツール「Chef」との連携について解説する予定です。

 なお本文中の仕様、料金などは記事執筆時点(2014年10月)の公開情報からの引用です。また、記事中で言及する「担当技術者の回答」は、筆者が個人的に問い合わせたものであり、公式の発表ではありません。全ての内容が公式に保証されるものではありませんので、あくまで一つの参考としてお読みください。

IDCFクラウドの技術要素

 IDCFクラウドはバーチャルマシンの基盤に「VMWare」、クラウドのコントローラーには「Apache CloudStack(以下、CloudStack)」を採用しています。

 今回の記事では評価の対象外ですが、オブジェクトストレージに「Amazon S3」とAPI互換性を持つ、オープンソースのクラウドストレージ「Riak CS」を使用するなど、開発が活発なオープンソースソフトウェアと実績あるプロバイダーのサービスが中心になっています。

 それらに加え、主にサポートと契約の機能を実装したIDCフロンティア独自のポータル、モニタリングツール「Mackerel」と提携するなどの特徴を備えています。

IDCFクラウドの料金特徴

 今回のリニューアルでおそらく最大の訴求ポイントは、月額上限を設けた料金体系(下記リンク)です。

 従来ほとんどのIaaS型クラウドサービスでは従量課金が基本で、費用を抑えたい場合はある程度の事前計画が必要でした。

 IDCFクラウドの料金体系ではリソースごとに月額上限が定められており、上限を超えた場合には自動的にそれが適用されます。

 例えば、追加IPアドレスの利用は時間当たり1円ですが、月額上限500円となっているため、月当たりの請求は24時間×30日=720円とはならず、500円です(税別)。

 旧「セルフクラウド」の時代から提供しているネットワーク定額プランも利用できるため、予算の立てやすさと費用の節約という面では他のIaaS系クラウドサービスより一歩リードしているように見えます。

 実際に仮想マシンを利用した際の性能と費用については後の検証を参考にしてください。

ポータルの機能

 IDCFクラウドの独自ポータルでは、リージョン選択を含むコンピューティング全般(CloudStack)、オブジェクトストレージのユーザー管理(Riak CS)に加えて次の操作を行えます。

  • マルチアカウントの管理
  • 支払情報の管理
  • お知らせ、メンテナンス、障害情報の確認
  • サポートチケットの発行
  • 各種ドキュメントへのリンク
mhss_portal_01.png IDCFクラウドのポータル

 サポートチケットの管理がポータルに統合されているため、問い合わせがしやすくなっています。

 またドキュメントに含まれるFAQも充実しており、各種操作時にはリンクで案内されるなどの細かい点も気が利いている印象です。

mhss_portal_02.png メンテナンスのお知らせと履歴
mhss_portal_03.png 新規チケットの発行

 コンピューティングの各種リソースは一覧表示され、それぞれの詳細画面で操作を行う形式です。

 全体的にスッキリしていますが、選択したリソースを一覧画面から直接操作したり、一括操作したりすることができない点や、毎回の操作に確認を求められる点はリソースが多くなってくると不便に感じるかもしれません。

 セキュリティ面では、3種類の権限を使い分けるマルチアカウント、ログイン履歴と操作履歴(API含む)が利用できます。マルチアカウントで作成するユーザーが、それぞれ個別のAPIキーを利用できることや、APIによる操作の履歴も確認できる点は安心です。しかし、細かいリソース単位での制御はサポートしていないため、対象リソースを限定したい用途などではアカウント自体を分ける必要があります。

 ポータルに一つ要望を挙げるならば、ログインで2段階認証が利用できるようになるとアカウント乗っ取りの対策も万全になるように思います。アカウント開設時にはSMSによる認証コード発行をしていたので、ログインにも利用できるようになることを期待します。

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