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» 2014年11月28日 10時00分 UPDATE

最新事例に学ぶHTML5ベースのモバイル化実現方法とは:業務システムのモバイル対応と既存資産活用、両者を1ソリューションで満たす道

日本ネクサウェブは、2014年4月に行った国内での企業統合後では初めてとなる本格的なセミナーを、11月11日に開催した。東京・市ヶ谷での「日本ネクサウェブ・グランドセミナー2014」がそれである。テーマは「『モバイル対応しろ』と『MOTTAINAI』に同時に応えるには〜最新事例に学ぶHTML5ベースのモバイル化実現方法」。多様なモバイルデバイスの登場で複雑化する企業情報システムの開発運用現場に向けて、同社製品を活用した処方箋を説いた。

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高度にマルチクライアント化が進む、証券受発注システム開発の現実

 基調講演に登壇したのは、野村総合研究所(以下、NRI) 福岡ソリューション開発部 ソリューション開発第一グループマネージャー 中野裕隆氏である。同部は、野村証券が投資家に向けて提供する受発注システム、投資情報システムなどの開発を担っている。

nexaweb_event1.jpg 野村総合研究所 福岡ソリューション開発部 ソリューション開発第一グループマネージャー 中野裕隆氏

 近年、同システムのクライアントは、PCアプリケーション、Webブラウザー上で提供するRIA(Rich Internet Application)、スマートフォンやタブレットアプリケーション、Excelで提供するシステムトレードアプリケーション、デジタルサイネージと高度にマルチ化が進んでいる。現状は、プラットフォームの特性を最大限に活用するため、個別開発を進めている。講演では中野氏がそれぞれのプラットフォームにおける技術的な選択理由やシステム構成、高度に要件の厳しいシステムを実現するための工夫、苦労について詳細に語った。

 しかし、豊富な技術力を有しているNRIにおいても、マルチクライアントを保守する工数の膨らみは大きな課題となっており、現在、開発言語やシステムアーキテクチャの統一など解決策を検討中であるという。中野氏は「クライアントサイドの観点のみで語られるのは困る。開発の半分はサーバーサイド。サーバー側の開発生産性を含めて、基幹システムのマイグレーション容易性などを含めて、総合的に効率向上が図れるかどうかが解決策評価のポイントとなる」と語った。

 そうした中、NRIは日本ネクサウェブの「nexacro platform」を知り、マルチクライアント対策として共同でシステム試作することを決定したという。「これがうまくいけばクライアント開発および保守がスマート化していくだろう」と中野氏は期待を語った。

モバイルファーストは必然的な流れ。「ビジネス戦略」の足を引っぱってはいけない

 nexacro platformは、企業情報システムのマルチデバイス対応が求められる中、「OSMU(One Source Multi Use)」を実現するプラットフォームとして日本ネクサウェブが提案しているフラッグシッププロダクトである。日本ネクサウェブ 最高執行責任者(COO)永井一美氏が「進化する日本ネクサウェブ製品」として紹介したのは、この製品のことだ。

 日本ではスマートフォンの普及率は45%。フィーチャーフォンがいまだ健闘しているため、先進国の中では低い割合だが、欧米に移せばその割合は65%に伸び、若年層に限ればすでに80%を超えている。タブレットは4人に1台という時代になった。永井氏は、このような統計データを示しながら、企業情報システムの歴史を簡単に振り返った。

nexaweb_event2.jpg 日本ネクサウェブ 最高執行責任者 永井一美氏

 Webブラウザーの登場は情報システム部門をクライアントプログラム配布という労苦から解放したが、その代償に性能問題と操作性問題に悩まされるようになった。そこへ解決策を示したのがリッチクライアント/RIAテクノロジだ。「ネクサウェブグループはリッチクライアント/RIAの黎明期から存在感を示し、今や製品合算で全世界1万500サイトの導入実績を誇る」と永井氏は胸を張った。

 そして、モバイルファースト時代の到来である。永井氏は全社にスマートフォン、タブレットを大量配布し、脱PCに動いたコクヨの事例を紹介しながら、「モバイルは利用者が主体。時間と空間を選ばず、リアルタイムに情報をやりとりできる。できないことができるデバイス」と語り、そこで発生するマルチスクリーンサイズ、マルチブラウザー、マルチプラットフォーム対応について、「情報システムは企業のビジネスのためにある。迅速に対応できず、企業戦略の足を引っぱるならば、本末転倒だ」と強い調子で訴えた。

 その後、これを支援するソリューションとして、永井氏は完全ノンインストールで動くnexacro platformのHTML5バージョン、厳しい性能を問われるシステム向けのRUNTIMEバージョン、またそのハイブリッド活用について説明し、日本ネクサウェブ シニアマネージャー 松木健太郎氏に製品デモを促した。

 その松木氏は、まずnexacro platformで開発したWebベースの旅行予約サイトを示し、文字チェック、グリッドなどWebブラウザーの中で機能するコンポーネントを紹介。また統合開発環境である「nexacro Studio」を使って、コード追加なしに他のWebブラウザーに対応させたり、スマートフォンやタブレットにアプリケ―ションを適用させたりする様子を実演した。

システムモダナイゼーションとインターフェース洗練は同時に実現する

 日本ネクサウェブは、システムモダナイゼーションサポートについても注力している。同社 第二事業部 営業本部 本部長 森英樹氏が登壇したセッションでは、同社製品を活用して既存システムをどうモダナイゼーション、UX化(ユーザーインターフェースの洗練化)できるか、その具体的な手法が紹介された。

 まずは、nexacro platformを中核としたソリューションの例として、「Micro Focus Visual COBOL」との連携で実現するメインフレームモダナイゼーションを挙げた。メインフレームCOBOL資産のビジネスロジック部分をMicro Focus Visual COBOLでJavaクラス化してオープン化し、UI部分をnexacro platformで置き換える。この両者間は、日本ネクサウェブのデータ連携基盤「X-UP」が担う。このビジネスロジックのJavaクラス変換という手法そのものは、オフコンシステムのAS/400でも適用可能という。

 “レガシー”という観点では、Visual Basic 6.0(以下、VB6.0)で開発したC/S型アプリケーションも進化の道を閉ざされたシステムとなりつつあるが、ここでは日本ネクサウェブが2015年初頭に投入予定の「Xconverter(仮)」が対応するようだ。これはVB6.0ソースコードをnexacro UIとJavaクラスに自動変換するコンバーターツールである。

 一方、SAP R/3のユーザーインターフェースは多くの企業が改善を望むテーマとなっているが、ここに向けても簡単にUX化できる「Xcro Custom-Built Platform」を用意している。

 さらに日本ネクサウェブは現在、「BUXモデル」と日本ネクサウェブが命名したUXモデル設計方法論も構築中という。森氏は「将来的には、これをオープンソース化するとともに、UX実装の際にnexacro platformとの連携を可能にする。システムモダナイゼーションソリューションを豊富に提供するとともに、あらゆる角度から企業情報システムのUX化を支援していく」と語った。

nexacro platformは高頻度の改修要望に迅速かつ低コストで応えるソリューション

 この日のセミナーでは、顧客事例が2例登場した。

 一つ目の事例は、エヌ・ティ・ティ・コムウェア(以下、NTTコムウェア)が手掛けた、ソリューションベンダー、トライアンフ21のB to B向け購買システムである。当時、トライアンフ21は3つの課題を抱えていた。それは、対象Webブラウザーの拡大、顧客要望への迅速な対応、モバイル対応である。これらを実現するため、システムインテグレーターであるNTTコムウェアはさまざまなソリューションを模索、その結果、OSMU機能を評価して日本ネクサウェブのnexacro platformのHTML5バージョンを最有力候補に挙げ、トライアンフ21からも了承を得て導入が実現した。

nexaweb_event3.jpg エヌ・ティ・ティ・コムウェア エンタープライズビジネス事業本部 第二ビジネス部 担当課長 坂口俊孝氏

 これによりビジネスロジックに手を入れることなく、システムのマルチブラウザー化に成功。NTTコムウェア エンタープライズビジネス事業本部 第二ビジネス部 担当課長 坂口俊孝氏は、「これは日本で初めてワンソースでマルチブラウザー対応を実現した事例。これにより25%開発生産性が向上した。モバイル対応もシステム上は実現可能で、あとは顧客の事業展開次第。nexacro platformの技術サポートはぜひ当社に」と訴えていた。

 後半はトライアンフ21 代表取締役社長 敷島賢悟氏がビデオで登場、その中で敷島氏は「これまで多大な時間と工数を要していた画面レイアウト改修が、速やかに行えるようになった」と効果を語った。

 2番目に登壇したのは、アップガレージである。中古カー用品と中古オートバイ用品の販売チェーン店を全国に100数十店規模で展開している企業だ。アップガレージでは、中古車買い取り管理システム、カー用品の卸売管理システム、在庫管理システムなどの基幹システムをVB6.0ベースで開発、社内向けに展開していた。

 しかし、リリースから年月が経過し、店舗側からは出張買い取りを可能にするため、商品部からは倉庫現場で検品作業を行うため、スーパーバイザーからは社外からの業務システムアクセスのため、モバイル対応を強く要望されていた。その意向は経営層も同様で、さらには事業を加速するためシステム開発の内製化を考えていたという。アップガレージ Crooober事業本部 開発チーム 高橋宏章氏は語る。

nexaweb_event4.jpg アップガレージ Crooober事業本部 開発チーム 高橋宏章氏

 「現場と経営者はモバイル対応を簡単に考えている。実際は、マルチデバイス、マルチブラウザーに本格的に対応しようと思ったら、かなり大掛かりな社内体制を組織しなければならない。しかし、それだけの予算は付かず、スモールスタートを求められる」

 そうした中、アップガレージは経営者と現場の声に応えるためのソリューションを模索し、nexacro platformの導入を決断した。理由は大きく三つあったという。一つは、開発言語がJavaScriptとWebの技術標準で、独自言語でなかったことだ。これなら人材が限られず、内製化も可能と判断したという。二つ目は、開発生産性の高さである。1日数度というような改修要望スピードに合わせて、複数デバイス、複数ブラウザーを一度にアップデートできるnexacro platformの仕組みが評価された。三つ目は、高度なモバイル対応である。これからもさらなるマルチデバイス化が予想され、経営者もそれらへの対応を求めるが、このプラットフォームであればキャッチアップし続けられる見通しが立てられたという。

 新システムは現在鋭意開発中だ。高橋氏は「小売は最低限の資本で全てに対応しなければならない。こういったミドルウェアを導入しないととても解決できない」と訴えて講演を締めくくった。

6名のパネリストがモダナイゼーションの理由と対策を議論「苦痛から逃れよ」

 セミナー最後のプログラムはパネルディスカッションだ。事業環境の変化によって、またIT自体の技術革新によって、企業情報システムは、特に社員が利用するB to Eシステムは、だんだん実状と乖離(かいり)していき、なかなかアップデートされない。その理由と対策について、システムモダナイゼーションビジネスに精通した6社6名のパネリストが登壇、1時間にわたって議論を展開した。

nexaweb_event5.jpg パネルディスカッションの様子(左からTIS 徳橋康成氏、JBCC 井下田久幸氏、コベルコシステム 浅田壮一氏、日立ソリューションズ 大野廉氏、マイクロフォーカス 八木文治氏、日本ネクサウェブ 永井一美氏)

 多くの企業でモダナイゼーションが進まない理由について、TISの徳橋康成氏は「苦痛を感じていないからだ」と発言した。「システムは安定して動いており、社内だけを見ていれば困ったことは何もない、そうした状況で改革に向けて動くのは難しい」という。JBCCの井下田久幸氏は、ワークスタイルが会社の中で完結していることも一因だという。「社外勤務や在宅勤務が浸透していない。オフィスに出社するという働き方が変わらない限り、モバイルを活用するようなモダナイゼーションは進まない」(井下田氏)

 そしてイニシャルコストの壁がある。マイクロフォーカスの八木文治氏は、「基幹システムの刷新は、クラウド活用など新しいテクノロジを導入するチャンスなのだが、単に器を入れ替えるだけと思われがち。それで、なぜ大きなコストが掛かるのかと懐疑的に見られる」と語る。

 それでは逆にモダナイゼーションの意義はどこにあるのか。日立ソリューションズの大野廉氏は、業務水平展開の広がりについて言及した。「近年、業務システムをパートナー企業や海外支社に解放して利用を広げるケースが増えている。そこには収益化のチャンスもあるので真剣に取り組むべき」(大野氏)

 「モダナイゼーションは柔軟な情報システム基盤への再編の機会」と語ったのは、コベルコシステムの浅田壮一氏だ。「これによって個別開発と決別し、ビジネス環境の変化や多様化する技術を吸収しながら進化できる情報システム基盤を構築することが可能」(浅田氏)

nexaweb_event6.jpg モデレーターの吉田育代氏

 議論を通して明らかになったのは、肌には感じていなくても“実は苦痛は水面下に存在する”という点だ。それは事前に参加者から寄せられた「既存システムのモバイル対応で苦慮している」という質問に端的に現れていた。これに対し、日本ネクサウェブの永井氏は「基調講演で見たNRIのような開発を、全ての企業がまねできるわけではない。少ない人員、限られたコストという中で、モバイル対応を継続的に続けていくには、吟味したプラットフォームを導入するというのが有力な解になる」と解答した。

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提供:日本ネクサウェブ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年12月27日

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