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» 2014年12月17日 18時40分 UPDATE

「OpenStack、Hyper-V/Azure、AWSにも対応」:EMC、サービスを中心に据えたハイブリッドクラウド・ソリューションを発表

EMCが12月17日に発表した「EMC Hybrid Cloudソリューション」は、一般的な垂直統合型インフラ製品に似ているが、企業のIT運用プロセスにより深く踏み込んだサービスで価値を提供する試みのようだ。

[三木 泉,@IT]

 EMCジャパンは2014年12月17日、「EMC Hybrid Cloudソリューション」を発表した。

 これはハードウェア、ソフトウェア、サービスで構成される、企業クラウドインフラ構築・運用向けの統合パッケージ。プライベートクラウドの構築・運用と、パブリッククラウド活用を、迅速で容易なものにすることをテーマとしているという。「最短4週間で、クラウドを導入できる」(同社執行役員システムズエンジニアリング本部長 飯塚力哉氏)。ただし、このコンセプト自体は、一般的な垂直統合型インフラ製品と基本的にはあまり変わらない。

ソフトとサービスに力点

 だが飯塚氏は、「(ハードウェア、ソフトウェアの)製品だけでなく、サービス、メンテナンスを含めて提供する」「(サービスで、)あるべきITの姿にまで踏み込む」とし、プライベートおよびパブリックのクラウド利用に関する、企業のIT戦略・ロードマップの策定・遂行の支援に力点を置いていると説明した。

 つまり、一般的な垂直統合型インフラ製品は、基本的にはハードウェア製品だが、今回のソリューションは、企業のIT運用プロセスにより深く踏み込んだサービスを売るものだということのようだ。

 その1つの「証拠」として、今回のソリューションは、特定のハードウェアの組み合わせに依存するものではないという。具体的には、今やEMCが株式の90%を所有する子会社VCEによる「Vblock」、EMCがレファレンスアーキテクチャを提供し、販売パートナーとのダブルブランドで提供するVSPEX、そして顧客が選択したハードウェア(BYOI:Bring Your Own Infrastructure)を今後、段階的にサポートしていくという。BYOIについては、サポート対象となる製品が、まだ明確ではない。EMCが認定したハードウェア製品を使う必要があるのは確実といっていいが、ストレージについてはEMC以外の製品にどう対応するのかは、現時点では分からない。ただし、EHCに含まれるSoftware Defined Storageコントローラの「EMC ViPR」は、ネットアップや日立のストレージに対応している。また、EMCは「EMC ScaleIO」を通じて、(EMCが認定する)サーバ機に内蔵のSSD/HDDに対応している。これらがサポート対象に含まれるのかもしれない。

Hyper-V、OpenStack版も提供予定

 EMC Hybrid Cloudソリューションでは、特定のクラウド基盤ソフトウェアにも縛られずに、同社のクラウド構築・運用支援サービスやサポートを単一窓口で提供していくという。

 このソリューションは、3つの「エディション」で構成される。12 月17日に提供開始となったのは、「EMC Enterprise Hybrid Cloud(EHC)Federation SDDC Edition」。これはVMware vCloud SuiteとEMCのソフトウェアを統合したもの。まずはVblockベースで提供される。

 2015年には、クラウド基盤にWindows Server/System Centerを採用した「Microsoft Edition」、およびOpenStackを採用した「OpenStack Editon」を提供するという。同社は、「Microsoft Edition」「OpenStack Edition」の詳細をまだ公表していない。

im_ait_ehcsddc01.jpg EHC Federation SDDC Editionの構成コンポーネント
im_ait_ehcsddc02.jpg EHCで提供されるサービス

 EHC Federation SDDC Editionの構成コンポーネントと、EHCで提供されるサービスは、それぞれ図のとおり。

 EHCオペレーションサービスでは、「運用定着化支援」「運用の内製化支援」という項目が見えるが、この中で、サービスカタログ、ワークフローの作成手順に関するトレーニングを提供するという、

 例えば、社内のユーザーが、セルフサービスポータルで、特定仕様あるいは特定アプリケーション搭載の仮想マシンを選択するだけで、自動的に構築が行われる、同じくポータルで、バックアップサービスを簡単な設定の下で使えるようにするといった機能を実現するには、それぞれに伴うストレージなどのハードウェア設定や、クラウド基盤に対する一連の指令を、スクリプトとして事前に構成する必要がある。この意味でのワークフローを、ユーザー企業のIT担当者が作成する支援を行うという。

 ハイブリッドクラウドについては、社内システムの棚卸しやポリシー策定支援を提供するという。

 EHC Federation SDDC Editionでは、このワークフローの作成ツールとして、「VMware vRealize Orchestrator」を使用、ワークフローにおけるストレージの設定にはViPRを適宜組み合わせるという。

クラウドサービスとの連携は?

 EHCでは、vCloud Air、Microsoft Azure、Amazon Web Services、EMC認定クラウドサービスといったクラウドサービスとの連携も図る予定だが、vSphere SuiteやSystem Centerの機能を超えた連携がどう実現されるかは明らかではない。提供開始されたEHC Federation SDDC Editionは、ヴイエムウェアのツールを超えた連携機能は現在のところ備えていないようだ。飯塚氏は、今後、ハイブリッドクラウド運用を支援するサービスを拡充するとともに、クラウド間連携のための「テクノロジー」を提供すると話した。

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