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» 2016年07月04日 05時00分 UPDATE

Tech TIPS:Android端末で見かける「Google Play開発者サービス」とは何か?

Androidスマートフォン/タブレットでしばしば目にする「Google Play開発者サービス」。起動した覚えもないのに、なぜかシステムに常駐している。その正体は? 一体何の役に立っているのか?

[島田広道,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象サービスとハードウェア:Googleの各種サービス、Androidスマートフォン/タブレット


解説

 Androidスマートフォン/タブレットで実行中のプログラムを調べていると、起動した覚えのないプログラムを見かけることがある。「Google Play開発者サービス」もその1つとして挙げられるだろう。

実行中の「Google Play開発者サービス」 実行中の「Google Play開発者サービス」
これはAndroidスマートフォンの[設定]−[アプリ]−[実行中]タブに表示された実行中のプログラムの例。自分で起動した覚えがなくても、このGoogle Play開発者サービスはいつの間にか実行されている。

 しかもこのプログラムはメモリやバッテリーの電力をそれなりに消費する。

■Google Play開発者サービスのメモリ使用量の例

メモリを消費しているGoogle Play開発者サービス

■Google Play開発者サービスの電池使用量の例

バッテリーの電力を消費しているGoogle Play開発者サービス メモリやバッテリーの電力を消費しているGoogle Play開発者サービス
明示的に起動した覚えがないプログラムが、貴重なメモリやバッテリーの電力を消費しているのは、あまり気持ちの良いものではない。

 名称に「Google」が含まれているので、Google製とは推測できる。だが「開発者」とはどういうことか? 一般のユーザーに必要なプログラムなのか? 無効化したりアンインストールしたりしてもよいのだろうか? 本稿では、この「謎」多きプログラムについて、コンパクトに説明したい。

●Google Play開発者サービスは他のアプリのためのサービスプログラム

 Google PlayストアやAndroid OSの設定パネルでは、Google Play開発者サービスは他の普通のアプリと同じように扱われているように見える。しかし、その役割は一般的なアプリと大きく異なる。

 「Google Play開発者サービス」(英語では「Google Play Services」)とは、Android対応アプリに対して、Googleの各種サービスを利用するのに必要なAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を提供するサービスプログラムである。これが無ければGoogleの各種サービスが利用できなくなるという、重要なサービスだ。

 Google Play開発者サービス(以下、「開発者サービス」)は通常、システムに常駐し、他のアプリの背後(バックグラウンド)で稼働している。そしてGoogleのサービスを利用するアプリは、開発者サービスが提供するAPIを介してGoogleの各サービスにアクセスする。その際に必要なGoogleアカウントの認証にも、開発者サービスが利用される。

Google Play開発者サービスの役割 Google Play開発者サービスの役割
Android対応アプリは、開発者サービスが提供するAPIを呼び出すことで、Googleのサービスを利用できる。つまりGoogleのサービスを利用する限り、開発者サービスは必須のプログラムといえる。それ故に、プログラムの更新もGoogle Playストアから自動的に行われる。

 開発者サービスの消費電力量が多めに見えるのは、システムに常駐していることや、電力を消費しやすい通信機能を利用してGoogleの各サービスにアクセスしていることが影響しているようだ。

 開発者サービスがサポートしているGoogleのサービスを、幾つか挙げておく。

  • Googleドライブ
  • Googleマップ
  • Googleアナリティクス(アクセス解析サービス)
  • Google Wallet
  • Google+
  • Google Fit(フィットネス)
  • Google Cast(Chromecastなどから利用されるサービス)
  • ゲーム

●Google Play開発者サービスは「必須」なのでプリインストールされている

 以上のように、Androidアプリから何らかのGoogleのサービスを利用するなら、開発者サービスは必須のプログラムといえる。実際、日本国内で市販されているAndroidスマートフォン/タブレットには、必ずといってよいほど開発者サービスがプリインストールされている*1

*1 アマゾンのKindle Fireシリーズは、Android OSをベースにした「Fire OS」を搭載している。だが、開発者サービスはプリインストールされていない。こうした「例外」もある。


 もし、これを無効化したりアンインストールしたりすると、Googleのサービスを利用するアプリが即座にエラーを発して利用不能になってしまう。名称に「開発者」と入っているが、Androidスマートフォン/タブレットを使う一般のユーザーにとっても必須のプログラムだ。

Google Play開発者サービスは「必須」といえるプログラム Google Play開発者サービスは「必須」といえるプログラム
これは開発者サービスをアンインストールした直後のGmailアプリの画面。このようにGoogleのサービスを利用するアプリは軒並みエラーを発して機能を停止しつつ、開発者サービスの更新(実際には再インストール)を求めるようになる。

●Google Play開発者サービスはAndroid OSとは別に自動で更新される

 開発者サービスについて知っておきたいもう1つの特徴は、Android OSとは別に更新されるという点だ。

 Android OSの更新(アップグレード)用パッケージは通常、端末(ハードウェア)を開発したベンダーから提供される。

 一方、開発者サービスの場合はGoogle Playストアから、すなわちGoogleから直接提供される。しかもその更新は自動的*2に行われる(一般的には、更新版のリリースから数日程度で端末に配信されるとのことだ)。

*2 開発者サービスを自動更新するには、端末にAndroid OS 2.3以降が搭載されていて、かつGoogle Playストアアプリもインストールされている必要がある。


 また、更新版がリリースされるタイミングもAndroid OSの更新とは直接関係がない。むしろGoogleが提供するサービスとの関係の方が深い。Googleが新たなサービスのプレビューを開始するのと同時にGoogle Play開発者サービスも更新されることがよくある。

 こうした仕組みから一般のユーザーにとっては、Android OSのバージョンが最新ではない比較的古い端末のままでも、最新のGoogleのサービスを活用した新しいアプリを利用できる(可能性が高まる)というメリットがある(ただしアプリによっては、開発者サービスによらず、Android OSが古いといった別の理由で実行できないこともあるが)。

■Android OS 6.0搭載スマートフォンでの開発者サービスのバージョン

Android OS 6.0搭載スマートフォンでの開発者サービスのバージョン

■Android OS 4.3搭載スマートフォンでの開発者サービスのバージョン

Android OS 4.3搭載スマートフォンでの開発者サービスのバージョン 古い端末でも最新のGoogle Play開発者サービスへ更新できる
これはAndroidスマートフォンで開発者サービスのバージョンを確認しているところ。執筆時点で最新のAndroid OS 6.0でも、旧世代のAndroid OS 4.3でもVer. 9.2.56がインストールされていた。

 Google Play開発者サービスが提供するAPIの詳細については、以下の関連リンクにあるAndroid Developersのページを参照していただきたい。

■関連記事(Windows Server Insider)


■関連リンク


■更新履歴

【2016/07/04】Android OS 6.0など最新情報を反映しました。

【2015/01/08】初版公開。


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