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» 2015年02月05日 18時44分 UPDATE

Tech TIPS:Google Chromeの「拡張機能」とは何か?

Webブラウザー「Google Chrome」の魅力の1つとしてよく語られる「拡張機能」。その実体は? 何ができるのか? 危険はないのだろうか?

[島田広道,デジタルアドバンテージ]
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対象ソフトウェアとハードウェア:Google Chrome、WindowsまたはMac OS X/Linux搭載PC、Chromebook


解説

 グーグルが無償で提供しているWebブラウザー「Google Chrome」(以下Chrome)のメリットとして、「拡張機能」(Chrome拡張とも呼ばれる)の存在がよく挙げられる。名前からは、Chromeの機能を拡張する何かだと想像できる。WindowsユーザーならInternet Explorer(IE)のアドオンを連想するかもしれない。だがその実体は? よく分からないけど便利だからと使ってよいものだろうか?

 こうした疑問を持つChromeユーザーを対象に、本稿ではChromeの拡張機能についてコンパクトに説明したい。

●Google Chromeの拡張機能とは?

 Chromeの「拡張機能(Extensions)」を一文で説明するなら、「Chromeの機能を増やしたり強化したりする専用の追加プログラム」と表現できるだろう。プログラムの実体は、JavaScriptやHTML、CSSといったWebの技術によって記述されている。Chromeにインストールされると、その上で実行され、本来のChromeにはないさまざまな機能を実現する。

 拡張機能の具体例を2つ挙げよう。いずれも後述の「Chromeウェブストア」から無償でインストールしたものだ。

Chromeの拡張機能の例(パスワード管理) Chromeの拡張機能の例(パスワード管理)
これは「LastPass」というパスワード管理サービスの拡張機能を使って、Googleにログインしようとしているところ。
  (1)この拡張機能のアイコン。多くの拡張機能は、このように自身のアイコンをChromeのツールバーに表示する。これをクリックすることで、該当機能を呼び出したりオプション設定を変更したりできる。
  (2)LastPassの拡張機能によって表示されたアカウント候補の一覧(もちろん表示中のページに合致するものだけが選出されている)。アカウントを1つ選んでクリックすると、IDとパスワードが自動的にログインフォームに記入される。いちいちパスワードを入力する手間が省ける。

Chromeの拡張機能の例(IEのレンダリングエンジンで表示) Chromeの拡張機能の例(IEのレンダリングエンジンで表示)
これは「IE Tab」という拡張機能の例。IEでしか正常に表示されないWebページを、IEのレンダリングエンジンを利用してChromeのブラウザーペインに表示する。あらかじめ設定しておいたURLがChromeのアドレスバーに入力されると、自動的にレンダリングエンジンがIEに切り替わるので便利だ。
  (1)IE Tabの拡張機能のアイコン。
  (2)IE Tabによって表示された専用のアドレスバー。
  (3)IEのレンダリングエンジンによって表示(描画)されたWebページ。

 上述のLastPassのように、多くの拡張機能はWebサービスと連携している。拡張機能のアイコンをクリックすると単にWebサービスのページが表示されるだけ、といったものから、Webサービスのフロントエンドとして稼働し、Chrome単体の場合と比べて使い勝手を大幅に高めているものもある。

●プラットフォームを選ばずに利用できる(モバイル環境を除く)

 拡張機能の特長の1つは、デスクトップ版Chromeが実行できるなら、一部の例外を除いて、プラットフォーム(OS)に依存することなく利用できることだ。これは、拡張機能の開発に使われているJavaScriptなどの言語が、直接プラットフォームには依存していないためだ。

■Windows上のChrome

Windows上のChromeにインストールされた拡張機能

■Mac OS X上のChrome

Mac OS X上のChromeにインストールされた拡張機能

■Linux上のChrome

Linux上のChromeにインストールされた拡張機能 ほとんどの拡張機能はどのプラットフォームでも利用できる
これらはWindows/Mac OS X/LinuxそれぞれにインストールしたChromeに、同期機能を利用して同じ拡張機能をインストールしたところ。拡張機能はプラットフォームに直接依存しないWeb技術で作成されているため、一部の例外を除いて、(Chromebookを含む)デスクトップ版Chromeさえあれば利用できる(モバイル版Chromeでは不可)。

 上記で「デスクトップ版」と断ったのは、モバイル環境では拡張機能が利用できないからだ。Androidスマートフォン/タブレットやiPhone/iPad/iPod touchのようなモバイル端末でも、Chromeは利用できる。だが拡張機能はインストールすらできない。

●多くの拡張機能が無償で手軽に利用できる

 もう一つ特筆すべきことは、世界中の開発者や企業からたくさんの拡張機能が開発・配布されていることだ。しかもその多くが無償でインストールできる(ただし、バックエンドのサービス利用料など、個別に料金が課されている場合もある)。

 拡張機能を作った開発者や企業は、「Chromeウェブストア」というグーグル提供のマーケットプレースに拡張機能を登録して配布している。ユーザーがそれを利用するには、Chromeでこのストアにアクセスし、目的の拡張機能を探してインストールするだけだ(このときChromeの再起動は不要)。短ければ数クリックで完了するという手軽さだ。

たくさんの拡張機能が配布されているChromeウェブストア たくさんの拡張機能が配布されているChromeウェブストア
Chromeウェブストア」は、世界中の開発者や企業が作成した拡張機能を配布しているマーケットプレースだ。多くの拡張機能は無償でインストールできる。ここからChromeへ直接、拡張機能をインストールできる。

 Chromeウェブストアからインストールされた拡張機能は通常、開発者がChromeウェブストア上でプログラムを更新すると、自動的にChrome上でも更新される。つまり拡張機能は、ユーザーが手を煩わせずとも、最新の状態に維持されるということだ。

●拡張機能とChromeの「アプリ」との違いは?

 Chromeでは、拡張機能とは別に「アプリ」が利用できることもよく知られている。アプリもChromeウェブストアから導入できるなど、両者の仕組みはよく似ている。最大の違いは、拡張機能はChromeとともに常時稼働しているのに対し、アプリはChrome上でアイコンをクリックして呼び出して初めて起動する、という点だ。またアプリの場合、Chromeのブラウザーペインではなく、独立したウィンドウで利用できるものもある。

Chromeアプリの例(Writebox) Chromeアプリの例(Writebox)
これは「Writebox」というメモ帳アプリ。起動するとChromeのブラウザーペインではなく、単独のウィンドウに表示されるため、一見ではWindowsネイティブアプリと区別できない。ただし内部では、バックグラウンドで稼働しているChrome上で実行されている。

●拡張機能に「危険」はないのか?

 拡張機能がプログラムの一種である以上、マルウエアなどが混入する危険性からはどうしても逃れられない。過去の例では、開発者から拡張機能を買い取った別の業者が、マルウエアを混入した更新版を配布したことがある(その拡張機能は後日、Chromeウェブストアから削除された)。また筆者の周りでも、ある拡張機能が原因で怪しい広告がブラウザーペインに表示されたことがあった。

 ただ、拡張機能はChrome上で実行されるため、例えばWin32ネイティブアプリなどに比べれば、その自由度は低く、悪用できる機能も限定される。脆弱(ぜいじゃく)性を突かれると予想外の被害が生じる可能性は残るものの、それは他の形態のプログラムにも当てはまる。拡張機能を全面的に避けるほど危険とは言えない、というのが筆者の考えだ。

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