ハイブリッドのメリットを最大限に引き出し、クラウドの“最適解”を提供する複雑化・多様化する顧客のニーズに合わせ、適材適所にインテグレーション

「FUJITSU Cloud Initiative」で顧客に最適なクラウドを提供する富士通。マイクロソフトの「Cloud OS Network(COSN)プログラム」にも他社に先駆けて参加し、より密接な協業体制を築いている。富士通の門間仁氏に、COSNプログラム参加の背景や今後のクラウド戦略などを聞いた。

» 2015年02月23日 10時00分 公開
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パブリックとプライベートに対応できる唯一のクラウドインテグレーションパートナー

 20年以上に渡りマイクロソフトと密接な協業を進め、2011年からMicrosoft Azureの国内提供を展開してきた富士通。富士通は「FUJITSU Cloud Initiative」として自らのクラウドへの取り組みを体系化し、IaaS/PaaS/SaaS、クラウドインテグレーションサービスなど、クラウドの全領域で提供。クラウドを適材適所で活用することで、高度化・複雑化する顧客ニーズや課題に対応し、顧客ICTシステムの最適化に貢献している。

 富士通は、クラウドインテグレーション/サポート力とMicrosoft Azureを融合させたパブリッククラウド「FUJITSU Cloud A5 for Microsoft Azure」(以下、A5 for Microsoft Azure)を展開。また、ホステッドプライベートクラウドとしては、マイクロソフトの最新テクノロジを活用したHyper-Vベースの「FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted A5+ for Windows Server」(以下、A5+ for Windows Server)を提供している。これにより、顧客はニーズに応じて最適なクラウドを利用することができる(図1)。

図1 図1 富士通はマイクロソフトと密接に連携し、パブリック/プライベートで適材適所でインテグレーションしハイブリッドクラウドとして提供する(クリックで拡大します)
ALT 富士通 サービスプラットフォーム部門 クラウド事業本部 プラットフォームサービス事業部長 門間仁氏

 富士通の門間仁氏(サービスプラットフォーム部門 クラウド事業本部プラットフォームサービス事業部長)は、FUJITSU Cloud Initiativeに基づいたクラウドの提供について「富士通は、Microsoft Azureを活用したパブリッククラウドと、Windows Serverを活用したホステッドプライベートクラウドの両方を提供できる唯一のパートナーと自負しています。どのテクノロジをどのように使えば顧客に最適な環境を提供できるかを状況に応じて判断していますので、ハイブリッドクラウドのメリットを最大限に引き出すことができるようになっています」と話す。

 富士通は2013年10月、マイクロソフトの「Microsoft Cloud Platform」ビジョンに沿って、シームレスなハイブリッドクラウド環境の実現を目指す「Cloud OS Network(COSN)プログラム」に他社に先駆けて参加。その経緯について、門間氏は「マイクロソフトのテクノロジに基づいたパブリッククラウドとプライベートクラウド、またこれらの上で稼働する業務システムをハイブリッドソリューションとして提供していくためのクラウドに関する専門性と技術力、実績が評価され、コンソーシアムのメンバーに選定されました。マイクロソフトとは一緒にビジネスを進めていくパートナーとして、ハイブリッドクラウドのあり方やテクノロジのあるべき姿について積極的に意見を交換し、ビジョンを共有しています」と振り返る。

 2014年1月からCOSNプログラムの具体的な取り組みを開始。2013年11月から提供を開始したA5+ for Windows Serverへのフィードバックや、2014年2月から提供を開始したA5 for Microsoft Azureへのテクノロジの適用を進めたという。

技術検証を短縮し、顧客ニーズに合ったハイブリッドソリューションを迅速に提供

 門間氏は、富士通がハイブリッドクラウドに取り組む背景として、長年のシステム構築、運用から、顧客のニーズがどちらか一方にあるのではなく、パブリックとプライベートを使い分けたり、両者を融合させたりする必要性があったと説明する。

 例えば、企業活動に重要な業務データを扱う基幹システムについて、災害復旧(Disaster Recovery:DR)対策サイトなどを構築する場合、プライベートクラウド環境だけでは多大なコストや時間がかかるケースがある。パブリッククラウドを活用すると、必要なリソースを必要なタイミングで調達し、バックアップ/リカバリするといった柔軟な運用が可能になる。また、事業継続計画(Business Continuity Planning:BCP)の強化という点からも、データをハイブリッドクラウド環境にレプリケーションしておき、迅速にシステムを復旧させるといったことも可能になる。

 「お客さまのニーズに対応していくためには、ハイブリッドクラウドとして、技術的に足りない部分も少なくありません。COSNプログラムに参加することで、実際の現場でどのようなテクノロジが必要とされているのか、これから何が必要とされるのかを、具体的なイメージを持って検証することができました。最適なテクノロジを実際に使えるようにすること、そのための検証をスピーディに実施できたことがCOSNプログラムの大きな成果です」(門間氏)

 COSNプログラムでは、IT基盤となる「Windows Server 2012 R2」、仮想化基盤の「Hyper-V」、運用管理基盤となる「System Center 2012 R2」、運用管理ポータルを提供する「Windows Azure Pack」をベースとしたシステムインフラが提供される。富士通では、これらのレファレンスアーキテクチャを活用してサービスを提供するだけでなく、技術的に不足する部分や現場での検証結果をマイクロソフトにフィードバックする点でも大きな役割を果たしてきた。

A5とA5+で富士通ならではの付加価値を提供

 プログラムの成果を受けて、富士通のサービスやソリューションはどのように進化したのか。先行して提供していたA5+ for Windows Serverでは、Windows Server 2012 R2やSystem Center 2012 R2の技術検証を進め、機能強化が図られた。

 A5+ for Windows Serverは、Hyper-Vベースの仮想マシンまたは物理サーバー単位で顧客占有として提供するホステッドプライベートクラウドサービス。ハイパーバイザーから運用管理製品まで、フルスタックでプライベートクラウドの構成要素がWindows ServerおよびSystem Centerで統一されているので、マイクロソフトの製品・サービス・テクノロジとの親和性も高い。

 仮想マシンは1ユニット(2仮想CPU/8GBメモリ)単位、ストレージは100GB単位から利用可能で、最低利用期間は1カ月など、スモールスタートが可能。また、データセンター内接続や専用線接続を利用することで、個別環境やパブリッククラウドと柔軟に連携したハイブリッドクラウド環境を構築できる。冗長化されたHyper-Vホストクラスターに仮想マシンを展開するため、高性能/高可用性であり、管理はSystem Center Virtual Machine Managerで行える。

 これらは「Microsoft Cloud Platform」のビジョンに基づいて、サービス設計を実施したという。技術検証で機能を追加しただけでなく、課題として検証を継続するといった判断も行っている。そうした検証をクリアした機能だけが、顧客に提供されている。

 顧客のニーズに合わせた技術を提供するのは、パブリッククラウドのA5 for Microsoft Azureでも同じ。A5 for Microsoft Azureは、Microsoft Azureの最新機能に加えて、導入・アプリケーション移行・構築・運用・サポートなど、システムのライフサイクル全般に渡るクラウドインテグレーションサービスを提供する。

 Microsoft Azureとの違いとしては、例えば、日本語で提供される24時間365日対応や、問題解決支援まで対応する高品質なサポート体制がある。富士通が独自に開発したサポートポータルを提供し、ここから問い合わせの受け付けや、契約内容や利用料金の確認、各種申請などを行うことができる。また、富士通のソフトウェアを簡単に利用できるようになっていることも大きな特長となっている。現在、「Interstage Application Server Javaアプリケーション実行基盤」や「Systemwalker Operation Manager ジョブ管理」など、PaaS向け4種類、IaaS向け31種類のソフトウェアを動作保証している。

COSNの成果を生かしたハイブリッドクラウドソリューション

 COSNプログラムの最も大きな成果は、ハイブリッドクラウドの特長を生かしたソリューションに表れている。例えば、企業の業務継続性を強化するソリューションとしては、以下のようなサービスが提供されている(図2)。

図2 図2 COSNプログラムの成果として、富士通が提供する業務継続性を強化するソリューション例(クリックで拡大します)

 まずは、「Azure Backup」を活用したA5 for Microsoft Azureへの簡単バックアップ。オンプレミスやA5+のプライベートクラウドのバックアップデータをA5 for Microsoft Azureの「Azureストレージ」に格納。Azure BackupエージェントはA5+上のWindows Serverと連携して動作するため、簡単にデータリカバリが可能になる。

 もう一つは、Hyper-V仮想マシンのレプリケーション保護サービス「Azure Site Recovery」を活用したBCP/DR対策だ。Windows Server 2012の「Hyper-Vレプリカ」と、System Center 2012 SP1 VMM(Virtual Machine Manager)を連携させて、レプリケーションを自動化。A5+ for Windows ServerのVMMクラウドか、A5 for Microsoft Azureストレージに仮想ハードディスクをレプリケーションすることでデータを保護する。万が一、A5+ for Windows ServerのVMMクラウドが利用不能になった場合は、ポータルからワンクリックでフェイルオーバーを開始し、復旧を実施できる。

 また、2014年末から新たにサポートされた、オンプレミス側にVMMクラウドを必要としないスタンドアロンのHyper-VサーバーからA5 for Microsoft Azureに直接レプリケーションする展開にも対応することで、より導入しやすくなっている。

 これらは、顧客からのニーズが特に高かったものについて、COSNプログラムを活用して技術検証を行ったものだという。この取り組みでの“苦労”について、門間氏は次のように話す。

 「プライベートとパブリックで共通のテクノロジを使うことはとても理にかなっていると思います。とはいえ、多くの課題があることも確かです。理屈ではできるが、やってみたらできなかった。そういったことを一つ一つ乗り越えていく必要がありました。ネットワークやストレージなど、これから検証を重ねて解決しなければならない課題もあります」(門間氏)

 富士通の強みは、長年培ったお客さまシステムの構築や運用の経験・ノウハウを通じて、実際に現場で発生する課題を見つけられることだ。そして、ただ見つけるだけではなく、課題を解決するソリューションとして提供できるところまで持って行ける総合的な技術力を有することだ。COSNプログラムは、そんな富士通にとっての大きな武器であり、それを使って、顧客のさらなる課題に対応することができるということだ。

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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月22日

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