連載
» 2015年02月26日 18時00分 UPDATE

CCENT/CCNA 試験対策 2015年版(9):トポロジとメディアアクセス制御を理解する (1/2)

新米ネットワークエンジニアと共にシスコの認定資格「CCENT/CCNA」のポイントを学ぶシリーズ。今回のテーマは「メディアアクセス制御」です。

[ドヴァ 齋藤貴幸,@IT]
title_ccent.jpg
CCENT/CCNA 試験対策 2015年版

連載目次

 初心者がCCENT/CCNAを受験するためのポイントを解説する本シリーズ。いつもは新米ネットワークエンジニアのS君がリポートを書き、先輩社員 齋藤さんがチェックしているのですが、今日はどうも様子が違うようです。

齋藤さんのリポート

i_ccent_saito.jpg

 S君が案件対応で多忙のため、今回は齋藤がメディアアクセス制御を中心にまとめます。

 メディアアクセス制御とは、「ケーブル中をデータがどのように流れるのか」「データを送信できるのは誰なのか」を決める仕組みです。OSI参照モデル(※)の第2層、データリンク層の内容です。

 まずは「トポロジ(デバイス同士の接続方式)」の説明から始めます。



トポロジ

 トポロジとは、ルーターやスイッチ、PCなどのデバイスをケーブルでどのようにつなげるのか、つなげ方に名前を付けたものの総称です。

バス型

 「中心となる基幹の線」と「枝分かれした支線」で構成する接続方法です。PCなどのデバイスは、枝線の末端に接続します。基幹の線が切断されると全ての通信も遮断されますが、枝線とその先のデバイスの故障は他のデバイス同士の通信には影響しません。バス型接続には、衝突(コリジョン)が発生しがちという欠点があります。

ccent2015_9a.png 図1 バス型トポロジ(クリックすると、大きなサイズの画像を表示します。以降も二重枠の画像は全て、クリックで拡大します)

リング型

 デバイス同士をケーブルでつなぎ、全体でリング状に接続します。デバイスそのものもリングの一部であるため、デバイスが故障するとリング全体が通信不能になります。一本のリングでは上記の問題が発生するので、光ファイバーによる二重のリングを使用した「FDDI」というものがあります

ALTALT 図2. リング型トポロジ(左)とFDDI(右)

スター型

 中心に「集線装置(ハブ)」を置き、その集線装置にその他全てのデバイスを接続します。今日最も普及しているLANの接続方式です。集線装置が故障すると、全ての通信が不能になります。他のトポロジと比べるとデバイスの追加が容易に行えるので、拡張性に富んでいるといえます。

 集線装置の「ハブ」は、「自転車の車軸受け部分のハブに形状が似ているのでこの名称が付けられた」という説があります。

ccent2015_9d.png 図3. スター型トポロジ

メッシュ型

 全てのデバイス同士をケーブルで接続する方式です。ダウン時に全ての通信に影響を及ぼす、「単一障害点(Single Point Of Failure)」となるデバイスがありません。自分以外の全てのデバイスと接続をする「完全メッシュ」と、ある特定のデバイスとだけ接続する「部分メッシュ(パーシャルメッシュ)」があります。

ALTALT 図4. 完全メッシュ型トポロジ(左)と部分メッシュ型トポロジ(右)

メディアアクセス制御

 データを送る送信権を決める方式をイメージしてください。大別すると「早い者勝ち」か「順番を待つ」かの二通りに分かれます。

CSMA/CD

 正式名称は「Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection」。日本語では「搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式」と呼びます。早い者勝ち方式の代表で、イーサネットで使用される制御方式です。

 物理トポロジはバス型、スター型を使用します。ケーブル中に送信中のデータが流れているかを確認し、信号が流れていないときにだけ送信できます。

 2つ以上のデバイスからほぼ同時に送信すると、衝突(コリジョン)が発生します。コリジョンを検出したら、乱数を元にした待機時間の分だけ待ってから、再送信します。衝突した二者は待機時間が異なります。

トークンリング

 順番を待つ方式の代表です。物理トポロジはリング型が一般的に使用されます。トークンと呼ばれるデータの送信権を得たときにだけデータを送信できます。トークンを得ていなければ送信できません。逆にトークンを得ても送信すべきデータがないときはすぐにトークンを次のデバイスへ譲ります。二重リング構造を持つFDDI(Fiber Distributed Data Interface)では2個のトークンを回しています。

Duplex

 CCENTの試験範囲に直接関係はありませんが、1本のケーブル中を流れるデータの送受信についてにも触れます。

 第4回「超入門 ネットワークケーブルの種類と配線方式の違い」で、ケーブル配線方式には、UTPケーブルの結線方法により「ストレートケーブル」と「クロスケーブル」があると書きました。クロスケーブルは終端の一方の1、2番のペアを他方の3、6番として結線します。NICのピンアサインにより、このように結線します。

 NICの1、2番はTX+-(送信)、3、6番はRX+-(受信)として使用します。送信用、受信用と別々の回路を持っているので、送信(話す)しながら受信(聞く)できます。固定電話と同じです。

 同軸ケーブルは、中心の銅線と回りの外部導体で一つだけ回路を作れます。必要に応じ送信と受信を切り替えます。糸電話と同じです。

 また、相手と会話(通信)するのではなく、「一方的に送るのみ」の手紙も、広い意味では通信手段の一つといえます。

 例に挙げた「電話」「糸電話」そして「手紙」のように「相手とどのように送受信するか」の状態を示す言葉は3つあります。

名称 日本語訳 通信イメージ
half-duplex 半二重通信 糸電話
full-duplex 全二重通信 固定電話
simplex 単方向通信 手紙
表1 デュプレックスとその通信イメージ

ネゴシエーション

 直訳すると「交渉」ですが、ネットワークの世界では、「ケーブルで接続された相手と帯域幅やDuplexなどで同じ値を取るように調整すること」やその仕組みを指します。

 手動設定もできますが、自動調整(オートネゴシエーション)機能を持つ機器同士であれば、最良のものから順に調整します。

 オートネゴシエーションを使用する際は、両方の機器で自動設定を使用するように設定しなければなりません。仮に、片方を自動、他方を手動(100full)で設定すると、自動設定の方で100Mbpsの帯域幅は認識できても半二重(100half)と認識されるので、期待した通信速度が出ません。自動設定の場合、以下の順でネゴシエーションしようとします。

順番(昇順) 帯域幅 duplex
1 1000Mbps FULL
2 1000Mbps HALF
3 100Mbps FULL
4 100Mbps HALF
5 10Mbps FULL
6 10Mbps HALF
表2 オートネゴシエーションによる帯域、duplexの決定順序

用語解説

用語 意味
コリジョン ケーブル中に二者以上からほぼ同時にデータが送信され、ケーブル中の電気信号の電流量が多くなっている状態。信号として異常な値と判断され、正しく0と1の区別が付かないと判断される。コリジョンを検出した送信者はランダムな時間待機した後に再送する。半二重通信(half-duplex)でのみ発生する
CSMA/CA Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance(搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式)。CSMA/CDが有線のイーサネットで衝突を検出する方式であるのに対して、CSMA/CAは無線ネットワークで衝突を回避する方式。データを送信する前に「あらかじめ」待機してからデータを送信する
ccent_stamp05.jpg

 次回は「コリジョンドメイン」と「ブロードキャストドメイン」についてまとめます。……S君、案件から解放されるのだろうか。

リポート作成:齋藤先輩


次回への宿題(S君へ)

  • 「トークンパッシング」について調べてください
  • 1000full対応のNICを持つノートPCと100fullまで対応しているハブ(スイッチでも構いません)をケーブルで接続した場合、どのようなネゴシエーション結果となりますか?
  • half-duplexとfull-duplex、どちらが優れているといえるでしょうか? 理由も答えてください。
       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

TechTargetジャパン

この記事に関連するホワイトペーパー

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。