セキュリティのために、Mozilla FirefoxでFlash Playerを一時的に無効化するTech TIPS

しばしば更新版のリリース前に攻撃可能な脆弱(ぜいじゃく)性が公表されてしまうFlash Player。安全が確認できるまで無効化するには? Mozilla Firefox向けの無効化手順を解説する。

» 2015年03月16日 18時00分 公開
[島田広道デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象ソフトウェア:Adobe Flash Player、Mozilla Firefox(Windows/Mac OS X/Linux版)



解説

 2015年1月中旬からの約1カ月間で、Windows用のFlash Playerに対して、4回もセキュリティパッチがリリースされた。これは立て続けにFlash Playerの脆弱(ぜいじゃく)性が発覚したためだ。

立て続けに脆弱(ぜいじゃく)性が発覚したFlash Player 立て続けに脆弱(ぜいじゃく)性が発覚したFlash Player
これはWindows 8.1搭載PCのWindows Updateの履歴。このとき、わずか1カ月の間にFlash Player向けセキュリティパッチが4個もリリースされた。

 その中には、攻撃可能なプログラムコードの方が先に流布してしまう「ゼロデイ」の脆弱(ぜいじゃく)性もあった。こうした状況だと、パッチや更新版のインストールが間に合わない事態もあり得る。そんなときは、Flash Playerをアンインストールするよりも、一時的に無効化する方が手軽で簡単だ。

 また、アップルがiPhone/iPad/iPod touch(iOS端末)でFlash Playerをサポートしていないことから、Flash Playerが必須のWebページは以前より減っているようだ。であれば、セキュリティに厳しい環境では、普段Flash Playerを無効化しておいて必要な時だけ有効化する、といった運用もあり得るだろう。

 Flash Playerを無効化する手順はWebブラウザーごとに異なる。そこで本稿では、Mozilla Firefox(Windows/Mac OS X/Linux版)を対象にFlash Playerの無効化手順を説明する。Internet ExplorerやGoogle Chromeでの無効化手順は、右上の関連記事を参照していただきたい。

操作方法

 以下ではWindows版Firefoxのスクリーンショットを掲載している。ただし特記していない限り、Mac OS XやLinuxでも操作方法は共通だ。

●Firefoxではプラグイン管理画面でFlash Playerを無効化できる

 Firefoxの場合、Flash PlayerはFirefox用のプラグインとして実装されている。そのため、Flash Playerを無効化するには、Firefoxのプラグイン管理画面で設定を行う。

Firefoxのプラグイン管理画面でFlash Playerを無効化する(その1) Firefoxのプラグイン管理画面でFlash Playerを無効化する(その1)
まずはプラグイン管理画面を開く。
  (1)このアイコンをクリックして(2)を含むメニューを開く。
  (2)[アドオン]をクリックする。
次へ
Firefoxのプラグイン管理画面でFlash Playerを無効化する(その2) Firefoxのプラグイン管理画面でFlash Playerを無効化する(その2)
Flash Playerを無効化するには、(7)を選択する。
  (3)このアイコンをクリックすると、インストール済みのプラグイン一覧が表示される(Linux版Firefoxの場合、形が同じで色が灰色と白であるアイコンをクリックする)。
  (4)この「Shockwave Flash」がFlash Playerのプラグインを表している。これを選ぶ。
  (5)このプルダウンメニューを開く。デフォルトでは[常に有効化する]が選択されているはずだ。
  (6)[実行時に確認する]を選ぶと、Flashのコンテンツを含むWebページを開いた時に「Adobe Flashを有効にします」というリンクが表示される(Flashコンテンツそのものは、この時点ではまだ表示されない)。それをクリックすると、[今だけ許可]するか[常に許可する]か、どちらかを選んでFlashコンテンツを表示できる。
  (7)無効化する]を選ぶと、即座にFlash Playerプラグインが無効化される。またShockwave Flashの枠全体が褐色表示に変わる。

 上記の手順を完了したら、本当にFlash Playerが無効化されたか確認してみよう。それには、Firefoxでアドビシステムズ提供のFlash Playerバージョン確認用ページを開き、以下の(2)の部分にバージョン番号が表示されないことを確認すればよい。

FirefoxでFlash Playerが無効化されたか確認する FirefoxでFlash Playerが無効化されたか確認する
必ず上記設定後のFirefoxで開くこと。他のWebブラウザーでは意味がない。
  (1)http://www.adobe.com/jp/software/flash/about/」を開く。これはアドビシステムズが提供しているFlash Playerのバージョン確認用ページ。
  (2)本来ここにはインストール済みのFlash Playerのバージョン番号が、「You have version <バージョン番号> installed」のように表示される。だがFlash Playerが無効化されていると、このようにバージョン番号は表示されない。

 再びFlash Playerを使えるようにするには、前述のプラグイン管理画面のプルダウンメニューで[常に有効化する]を選べばよい。

●Flash Playerを無効化した設定が反映される「範囲」

 筆者が調べた限りでは、上記の無効化手順は各ログオンユーザーや端末ごとに実行する必要がある。無効化の設定が反映される範囲は、次の通りだ。

  • Windowsの場合、設定時にログインしていたWindowsユーザーアカウントだけに反映される。他のアカウントについては、別途ログインして無効化する必要がある
  • Firefoxの同期機能はプラグインの有効/無効の設定を同期しない。つまり同期設定済みの端末同士でも、それぞれで無効化する必要がある
  • 通常のウィンドウとプライベートブラウジングウィンドウのどちらか一方で無効化すると、他方でも無効化される

●Flash Playerを再有効化する前には最新版に更新する

 Flash Playerを再び有効化する前には、最新版に更新して既知の脆弱性を解消しておくべきだ。Firefoxの場合、手動で最新版のFlash Playerに更新するには、アドビシステムのFlash Playerダウンロードページからインストーラーをダウンロードして実行する。

 ただLinuxの場合、この方法では更新できない場合もある。そのときはディストリビューションに付属している更新管理ツールを使って、Firefox用のFlash Playerを更新する必要がある。

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