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» 2015年05月20日 05時00分 UPDATE

仕事が「つまんない」ままでいいの?(5):放っておいてもいいの?――五月病かな、と思ったら (1/2)

ゴールデンウイークが終わったころにはじまる五月病。あなたは“ゆううつ”な気分ではありませんか? 五月病はちょっとした「“こころ”と体のメンテナンス」で乗り越えられます。仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載、今回のテーマは「五月病」です。

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]
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仕事が「つまんない」ままでいいの?

連載目次

 春は入社、異動、転勤、転職など、一年の中で最も環境の変化が多い季節です。

 4月は新しい環境への期待感で、忙しくも充実した気持ちで過ごすことができました。緊張も感じましたが、程よい緊張感は毎日の「“こころ”のハリ」でもありました。また、ゴールデンウイークを前に、旅行や帰省などの楽しくワクワクする計画が、忙しい毎日を乗り越えさせてくれましたよね。

 一方、今はどうでしょうか。4月と比べると何となく“ゆううつ”でやる気がでない。今後の不安や焦りがある……などの症状はありませんか。ゴールデンウイークが終わった季節に始まるこれらの症状は、「五月病」と呼ばれています。

 五月病は「環境の変化や季節的な疲れによって生じる、“こころ”や体の不調」の総称です。原因は、「新しい環境にうまく馴染めないままゴールデンウイークに入り、休み明けに疲れが一気に出る」「長い休みが終わって仕事に行きたくなくなる」など諸説あります。

 4月は「“こころ”のハリ」だった期待感緊張感が、5月になると現実感に変わってきます。「職場が予想していた雰囲気と違う」「やりたいことができそうにない」「ずっとこのままでいいのだろうか」と、新しい会社を選んだ後悔や、新しい職場での先行きの不安が出てくるかもしれません。単純に、ゴールデンウイークの楽しいイベントが終わってしまった喪失感や、季節の変わり目に起きる体のだるさが、原因かもしれません。

 五月病は「病(やまい)」という字が付いていますが、いわゆる「病」というよりも、一時的な“こころ”や体の不調で、放っておけばそのうち良くなる……というのが一般解でしょう。しかし、五月病がきっかけでメンタル的に落ちてしまう人もいます。

転勤がきっかけで五月病になったSさん

 30代の管理職 Sさんは、4月に異動を言い渡されました。職場が自宅から通えない場所になったため、家族と離れて単身赴任することになりました。

 最初の1カ月は新しい職場に慣れることに精いっぱいで、時間はあっという間に流れました。

 ゴールデンウイークを地元に戻って家族と過ごし、職場に戻った連休明けのある日。仕事が終わって家に帰ると、部屋は真っ暗です。ビールを飲みながら一人でコンビニ弁当の夕食を食べていると、家族と一緒だった日々が思い出されます。何となく寂しい……。最初は「五月病かな?」くらいに、軽く思っていたそうです。

 このような日々が続き、寂しさを紛らわすためのビールの量は次第に増えていきました。アルコールが入るとますます感傷的になり、自然と涙が出てくる夜もあったSさんは、「“こころ”が不安定になっているかも」と感じ始めたそうです。

 そして、Sさんは心療内科を受診。うつ病と診断され、薬を服用するようになりました。しかし薬はあまり効かず、副作用で頭がふらふらしたり、やる気がますます出なくなったりする日が続いたそうです。

ビジネスパーソンとメンタルヘルス

 Sさんは幸い今は落ち着いているそうですが、これは誰もが経験しそうなこと。決して特別なことではありません。Sさんのようにならない(言い方を変えれば、五月病を乗り越える)ためにはどうしたらいいのでしょうか。

 近年では、ビジネスパーソンのメンタルヘルスが社会問題になっています。厚生労働省もストレスチェック義務化などの対策を始めています。五月病もストレスの一つと考えれば、初期のメンタルヘルスの問題と考えられます。

 メンタルヘルスの近年の情報は、「調子が悪いときは早めに病院へ行こう」という内容のものが多いです。そのため、五月病の対処に「病院へ行く」という選択をする人もいるかもしれません。

 しかし程度の差こそあれ、“ゆううつ”な気分には誰もがなるものです。「病院へ行く」のも選択肢の一つとしてあるのかもしれませんが、「病院へ行く」ほど重くなる前に、普段から“ゆううつ”な気分とうまく付き合っていくことも、ストレスコントロールや自分をより良い状態に保っていく上で、大切なのではないかと筆者は考えます。

 Sさんは自身の体験を振り返りながらこう言っています。「あのころは、新しい職場で働く不安と、家族と離れた寂しさで、気持ちが不安定でした。結果的に病院へ行きましたが、もしあの時、アルコールに頼らずに誰かに気持ちを話していれば、病院へ行かなくてもよかったのではないかと思います」。

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