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» 2015年05月28日 07時00分 公開

AIST包括フレームワークで挑む、脱“単一ベンダー随意契約”:札幌市は“発注者主体”で基幹情報システム刷新プロジェクトを推進。「調達の透明性」と「地元企業の参入機会拡大」を確保した秘訣 (1/3)

「発注者側が主体性を維持しながらITプロジェクトを推進する」というコンセプトの下、札幌市が基幹系情報システムをメインフレームからオープン系に移行する一大プロジェクトを推進中だ。発注者側の主体性維持はどのように実現したのだろうか?[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][Engineered System][Oracle Database 12c]

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“単一ベンダー随意契約”モデルからの脱却と三つの目標

札幌市 情報化推進部 システム開発担当課長の長沼秀直氏

 「住民記録システム」や「税務システム」、「国保/福祉システム」など、住民サービスを支える基幹系情報システムを、従来のメインフレームからオープン系に切り替える大規模なプロジェクトを推進しているのが北海道の札幌市だ。

 同市はこのプロジェクトで核となるデータベース基盤として「Oracle Exadata」を採用した。日本オラクルが2015年4月に開催した「Oracle CloudWorld Tokyo 2015」における札幌市 情報化推進部 システム開発担当課長の長沼秀直氏による講演の内容を基に、同市が進めるプロジェクトの概要、およびOracle Exadataの活用状況を紹介する。

 メインフレームを利用したシステムでは、ソフトウエアの開発や運用保守は、そのメーカーとの随意契約になる場合が多く、それがコスト最適化などの観点から問題となることが少なくない。実際、札幌市においても、2003年に就任した当時の市長が単一ベンダーとの随意契約を問題視していた。

 市長からの指摘に対し、同市の情報システムを担当する情報化推進部は「価格についても適切に交渉を行っている」と説明したものの、競争入札ではないことから理解を得られなかったという。その後、基幹系情報システムのあるべき姿について幾度も議論を重ねた結果、2009年より基幹系情報システムの刷新プロジェクトが始まったという経緯がある。

 「私たちが定めた目標は、三つあります。一つ目は『既存システムの老朽化』という問題に直面していたため、これを何が何でも新しくすること。二つ目は、『発注者たる私たちが主体性を確保』することでした。なぜなら、『競争入札ができない状態になるのはなぜか?』と突き詰めて考えたところ、発注者が主体性を持っていないからだという結論に至ったからです。そして三つ目は、『調達の透明性』の確保で、原則として競争入札を行うことです。この背景には、札幌市内のIT企業にも入札に参画する機会を広げたいという思いがありました」(長沼氏)

「AIST包括フレームワーク」の採用

 この大きな目標を達成するために札幌市が採用したのが、「産総研(AIST)包括フレームワーク」だ。これは特定のベンダーに縛られることのない、利用者主導のシステム開発/運用を可能にし、さらに業務の相互連携と全体最適化、コスト低減などを図ることのできる、産業技術総合研究所(AIST)が開発したフレームワークである(PDF資料)。

 長沼氏は、AIST包括フレームワークを採用した理由として、「特定のベンダーの“色”が付いていない」「(規模に違いはあるが)他の市役所や県庁といった自治体での採用実績があった」ことに加えて、「札幌市の再構築の目的に合致していた」ことを挙げる。

 「AIST包括フレームワークは、発注者の主体性を確保したマルチベンダーでの分割発注も視野に入れており、競争入札がしやすいということも掲げられていました。札幌市のシステム再構築の目的に合致した特性であり、これも大きなポイントになりました」(長沼氏)

 また、採用決定の直前、実際に小規模な事業で試験的に導入して開発を進めてみたところ、効果が出そうだと実感できたことも大きかったという。そこで本格採用を決め、複数のベンダーに発注して基幹系情報システムを刷新するプロジェクトが動き出したわけだ。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年6月25日

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