わずか1分で移行! 佐世保中央病院がOracle GoldenGateで電子カルテの基幹DBをスピード移行。データ暗号化、先進監査機構でセキュリティも強化先進データベース技術が地域医療連携をさらに加速する(2/2 ページ)

» 2015年07月13日 07時00分 公開
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Oracle GoldenGateで、データベース移行時の業務ダウンタイムを最短化

 こうして情報セキュリティ強化の課題解決にめどを付けた白十字会であるが、プロジェクトの工程を具体的に検討する中で、一つ、大きな問題が浮上する。それは新旧データベース移行時のダウンタイムだ。

 一般に、データベースアップグレードに際しての新旧データベース間のデータ移行では、Oracle DatabaseのExport/Importツールなどを使い、旧データベースからエクスポートしたデータを新データベースにインポートするといった流れで作業を行う。データ量が多い場合、この作業と移行後のデータ検証作業に数日を要することが珍しくない。

 しかし、この「数日間の停止」が、佐世保中央病院にとっては極めて高いハードルであった。佐世保市周辺の地域医療で中核的な役割を果たす同病院の電子カルテシステムは、前述したメディカル・ネット99を通じて域内の各診療所に電子カルテ情報を常時、提供している。また、佐世保中央病院は地域の救急病院に指定されており、年間約2000件の救急患者を受け入れている。これらの医療サービスを支える佐世保中央病院のシステムは、いわば“止められないシステム”なのだ。

 この課題への対応を検討する中で、白十字会はオラクルのデータレプリケーション製品「Oracle GoldenGate」に目を止める。REDOログ(作業履歴情報)を使った軽量かつ高速なデータベースレプリケーションを可能にするOracle GoldenGateであれば、稼働中の現行データベースから新データベースにリアルタイムにデータをレプリケーションできる。これをカットオーバー前から実施すれば、新旧データベースの内容は常に同じとなり、事前に新データベースの検証も行える。カットオーバー当日の作業は旧データベースから新データベースへの切り替えだけとなり、ダウンタイムを最短化できるという寸法だ。

移行はわずか1分で完了。ファイングレイン監査の導入できめ細かなアクセス監視も実現

 データベース移行に際しての課題解決にも算段を付けた白十字会は、新ハードウエアの設置が完了した佐世保中央病院で2013年後半より新旧データベース間のデータレプリケーションを開始。2014年1月にRDBMSをOracle Database 9iからOracle Database 11gに切り替えて移行を完了した。さらに同年3月、同様にして白十字病院のRDBMSもOracle Database 11gにアップグレードしている。

 「移行作業は極めて順調に進みました。Oracle GoldenGateで事前に新旧データベースの内容を同期したことにより、カットオーバー当日は旧データベース側の更新内容が新データベースに反映されるのを待つだけ、時間にして1分もかかりませんでした。その後の簡単な確認作業も含め、当日に要した作業時間は1時間に満たなかったと思います」(平尾氏)

 移行後のシステムでは、Oracle Advanced Securityによってデータベース内のデータが常に暗号化された状態に保たれているが、それによるレスポンス遅延は全く感じられないという。

 また、白十字会ではOracle Database 11gへのアップグレードを機に、ファイングレイン監査機能によるデータベース監査を導入した。これはデータベースアクセスに関して列レベルでの証跡出力が行えるOracle Databaseの独自機能であり、柔軟な条件設定で的確かつ効率的な監査を実現する。

 「ファイングレイン監査を導入したことで、データベースの全項目について監査証跡を残すことが可能になりました。誰が、いつ、どのような情報にアクセスしたのかを把握し、権限に応じてきめ細かな制御と監視が行えるようになったのです」(富永氏)

 併せて、佐世保中央病院と白十字病院の間で、データレプリケーションツール「Oracle Data Guard」によって相互にデータベースのバックアップを取り合う仕組みも構築した。両病院で常に最新のデータを持ち合うことにより、事故や災害などによるデータ損失のリスクを最小化するのが狙いだ。Oracle Data Guardでは、Oracle GoldenGateと同様にREDOログを使った軽量かつ高速なデータレプリケーションが行えるため、レプリケーションのために広帯域なネットワークを用意する必要がなく、コストを抑えながらバックアップ体制を整えることができたという。

 このように、先進のデータレプリケーション技術によって医療サービスの提供に支障を来すことなく速やかに基幹データベースを移行し、最新のセキュリティ技術やデータベース監査技術で電子カルテ情報の管理体制をより強固なものにした白十字会。患者の安全/安心を何よりも重視してきた同会は今年、より質の高い地域医療連携の実現に向けて新たな一歩を踏み出した。

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参加費 無料

詳細/参加申込み こちらのイベントサイトをご覧ください


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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年8月12日

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