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» 2015年09月16日 05時00分 UPDATE

実践! IT資産管理の秘訣(7):IT資産管理、ツールとベンダーの正しい選び方〜推奨機能の詳細資料も無償ダウンロード提供〜 (1/3)

一定規模以上の企業では必要不可欠となるIT資産管理ツール。複数のベンダーがツールを提供している中で、自社の目的に合うツールはどのように選べばいいのか? ツール選び、ベンダー選びの失敗しないチェックポイントを徹底解説する。

[篠田仁太郎,クロスビート]
本連載「実践! IT資産管理の秘訣」のインデックス

連載目次

 第6回では、ソフトウエアライセンスの使用状況を正しく把握するためのポイントを解説しました。そのポイントの一つとして、一定規模以上のコンピューターを保有している企業にとってはIT資産管理ツールが必要不可欠であることを紹介しましたが、複数のベンダーからツールが提供されている中で、自社にとって本当に有効なツールを選ぶにはどのような着眼点を持っていればよいのでしょうか。今回はIT資産管理ツール導入の留意点について詳しく紹介していきます。

※本記事は、一般社団法人ソフトウェア資産管理評価認定協会としての正式な見解ではなく、筆者個人の見解です。

IT資産管理ツール導入の際の留意点

 IT資産管理ツールは、IT資産管理やSAMの構築、運用においてなくてはならないものだと筆者は考えています。特に300台を超えるハードウエアを保有する組織では、ツールがなければ適切な管理はまず不可能です。

 キーマンズネットによる「IT資産管理ツールの導入状況(2013年)」によれば、現在では、5割以上の企業が「IT資産管理ツールを導入済み」との統計もあるようですが、一方で、導入してから4〜5年もたつと別のツールに乗り換える組織は少なくありません。

参考リンク:IT資産管理ツールの導入状況(2013年)(キーマンズネット)

 IT資産管理ツールの導入は、調達コストなど金額的な問題だけではなく、全社展開や展開後の習熟など工数の問題もあり、いったん導入したものを入れ替えるというのは本来、容易なことではありません。導入のハードルが高いにもかかわらず、少なくない組織が入れ替えるというのは、どういうことでしょうか?

 それは主に以下の3つの理由によります。

  • 組織の管理目的に合致していないツールを導入したため
  • 調達時に受けた機能と実際の使い勝手のギャップが大きいため
  • 組織の新たな管理目的に対応するため

 最後の理由によって入れ替えざるを得なくなるのは仕方のないことですが、それ以外の理由で途中で入れ替えることについては、場合によっては、調達時の担当者の責任問題にもなりかねません(そのために、償却の終わる5年目以降での入れ替えが多いわけですが……)し、そうやって入れ替えても結局は目的を果たせないことも多く、組織に合ったツールを探し続けることが常態化してしまう可能性もあります。

 そういったことにならないよう、ここではツールを適切に選択するコツをお伝えします。すでにツールを導入している方は、組織で導入しているツールが適切かどうかをチェックする手段として参考にしてください。

IT資産管理ツールの分類

 ツール導入のコツをお伝えする前に、まずは、IT資産管理ツールの分類について考えてみたいと思います。

 ひと口にIT資産管理ツールといっても、実にさまざまなものが存在します。ここではIT資産管理の観点から以下の3つに分類します。

  1. 運用管理ツール
  2. インベントリツール
  3. 台帳ツール

1.運用管理ツール

 ここに入ってくるのは、日立製作所の「JP1」やヒューレット・パッカードの「HP Openview」、富士通の「SystemWalker」や、マイクロソフトの「Microsoft System Center Configuration Manager(SCCM)」、IBMの「IBM Tivoli」といったような、PCやサーバーの運用全般を管理するためのツールです。もちろん、インベントリの収集もできますが、死活監視やリソース管理、ソフトウエア配布やリモートコントロールに重きを置いており、グローバルに展開する大企業で用いられることが多いものです。

2.インベントリツール

 1に対し、インベントリツールと呼ばれるものは、もともとは、運用管理ツールよりも安価で機能も少ないものとして、提供されたものです。

 インベントリ収集機能とログ収集機能とか、インベントリ収集機能とソフトウェア配布機能といったものが多かったのですが、最近では運用管理ツール(日立製作所の「JP1」や、マイクロソフトの「Microsoft System Center Configuration Manager(SCCM)」、富士通の「System Walker」などの一部機能)と呼ばれているものと遜色ない機能を実装してきているツールも多くなっています。

 ハンモックの「AssetView」や、エムオーテックスの「LanScope Cat」、インターコムの「MaLion」、住友電工システムソリューションの「M-Core」、JALインフォテックの「Pallet Control」、クオリティの「QND」、南日本情報処理センターの「Secure Seed」、Skyの「SKYSEA Client View」、ディー・オー・エスの「SS1」などがこれに当たります。

 運用管理ツールとの一番大きな違いは、いわゆる“インベントリ機能”という、ハードウエアスペック、インストールされているソフトウエア、ネットワーク情報などの収集機能やその収集結果の確認がコンソールのメインに据えられているものが多く、専門知識を持っていなくとも分かりやすいというところです。

3.台帳ツール

 運用管理ツール、インベントリツールと比べると、比較的新しいツールです。

 運用管理ツールやインベントリツールは、現状の情報を収集してコンソールで表示します。つまり、前日の情報と今日の情報は違うわけです。前日の情報と今日の情報が違うのは事実ですので、それ自体には問題ありませんが、問題となるのは、前日の状態が組織としてあるべき状態だったにもかかわらず、それが勝手に上書きされ、あるべき状態から変化してしまったことに気付けないということです。

 ソフトウエアの利用とは本来、組織における許認可事項であるべきものです。従って、ライセンスコンプライアンス上もセキュリティ上もコスト上も、許可された状態を保持することが大切になってきます。それが動的に変化してしまう情報しか持っていないのでは、あるべき状態であるかどうかの判断ができなくなり、結果として、管理目的を達成することが難しくなってしまいます。

 例えば、インストール申請が上がり、許可されたにもかかわらず、インストールされるべきソフトウエアがいつまでたってもインストールされない場合、そのライセンスは無駄に消費されることになるわけですが、こういった状況を確認することも運用管理ツールやインベントリツールでは困難です。

 台帳ツールとは、このような“あるべき状態”をインベントリデータとは別に持つことで、そのデータとインベントリデータを比較して、差分の発見を容易にし、管理の目的を達成しやすくするために開発された仕組みです。

 内田洋行の「ASSETBASE」や、兼松エレクトロニクスの「AssetRADAR」、横河レンタリースの「Dot COE」、コアの「ITAM」、日立システムズの「License Guard」、CSK Winテクノロジの「Perfect Watch」、ラクソルの「SARMS」などが、これに当たります。

 この台帳ツールと運用管理ツール、あるいはインベントリツールを組み合わせ、SAMを効率的かつ効果的に行うために構築する仕組みを「SAMシステム」といいます。

 台帳システムの中には、インベントリ機能を提供しないものもありますが、逆にインベントリツールはどれであっても組み合わせ可能なものもありますので、インベントリツールを持っていて、さらに管理の効率化、高度化を図ろうという場合には、台帳システム部分だけを調達することも可能です。

 単純に「SAMが求めるレベルのIT資産管理の運用」のために導入しようとするのであれば、インベントリーツールと台帳ツールの組み合わせによるSAMシステムの導入を筆者はお勧めします。

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