デル新社長の平手氏は、IoTなど事業のためのITソリューションを推進へデル日本法人の社長交代

デルは2015年8月1日で日本法人の代表取締役社長が交代する。これまで社長を務めてきた郡信一郎氏と、新社長の平手智行氏が7月25日に記者会見を行った。平手氏は、コンサルティング企業やシステムインテグレーターとの関係をさらに強化することで、事業に直結するITソリューションを提供していくと話した。

» 2015年07月27日 11時32分 公開
[三木 泉@IT]

 デルは2015年8月1日で日本法人の代表取締役社長が交代する。これまで社長を務めてきた郡信一郎氏と、新社長の平手智行氏が7月25日に記者会見を行った。

 郡氏は社長としての4年間を振り返り、就任時の「顧客に信頼されるパートナーになる」という約束を果たすことができたと話した。まず、パートナープログラムを強化して、「直接販売のデル」というイメージを覆し、「デルはシステムインテグレーターにとって敵ではなく味方だと思ってもらえるようになった」という。また、日本にデルソフトウェア株式会社を設立、ハードウエアだけの会社ではないことを示し、実際にソフトウェアビジネスを強化してきた。特にセキュリティソリューションで、市場シェアナンバーワンを獲得するものも出てきたという。同社が毎年国内1000社以上を対象として実施しているアンケートで、「デルを真のソリューションプロバイダーだと思うか」との問いに「はい」と答えた企業は、4年前は4割程度だったが、直近では72%に達したと説明。この点で、特にやり残したことはないと、郡氏はいう。

デル日本法人の代表取締役社長を務めてきた郡信一郎氏(左)と、8月1日付で同氏と交代する新社長の平手智行氏(右)

 一方で、日本だけではなく、国際的に活躍したいという考えがあり、自らの希望により米デル 日本アジア太平洋地域担当副社長(グローバルセールスオペレーション)の職に就くことになったという。

 社長に就任する平手氏は、IBMで25年にわたり、日本法人および米国本社における様々な職を経験した人物。国内では主に、通信、メディア、流通、公益などの業種別事業やサービス事業を統括。直販、間接販売の双方で、業種に特化したソリューションの提供に関し、豊富な経験を持っていることを本人も強調する。

 「企業ITには、俊敏性、自発性、事業への貢献が求められるようになってきている」(平手氏)。具体的には、特にIoT(Internet of Things)は、今後多くの日本企業にとって、重要なテーマとなってくる。これに総合ITベンダーとして応えていきたいという。

 とはいえ、「デルの持っているケイパビリティ(能力)と、現時点で国内顧客に提供できていることの間には、(まだ)大きなギャップがある」(平手氏)。米国では名実ともに総合ITベンダーだが、日本における製品やサービスは、まだインフラに寄っており、コンサルティングやソフトウェア構築に関与する人材も少ない。

 平手氏は、HPやIBMとの比較では、オープンであることが最大の強みだとし、コンサルティング企業やシステムインテグレーターとの関係を強化することで、顧客の期待に応えていきたいと話した。

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