Microsoft Azureで、コンテナー、IoT、セキュリティに関する重要機能を一挙発表米MSがAzureCon 2015開催

米マイクロソフトは2015年9月29日(米国時間)、ワシントン州レッドモンドで、同社のクラウドサービス「Microsoft Azure」に関するイベントAzureConを開催、コンテナー、IoT、セキュリティ、GPU対応仮想インスタンス、新リージョンなどを発表した。

» 2015年10月02日 11時44分 公開
[三木 泉@IT]

 米マイクロソフトは2015年9月29日(米国時間)、ワシントン州レッドモンドで、同社のクラウドサービス「Microsoft Azure」に関するイベントAzureConを開催し、多数の発表を行った。主な発表には、「Azure Container Service」「Azure IoT Suite」「Azure IoT Hub」「Azure Security Center」、GPU機能付き仮想インスタンス「N-series」、インドにおける新リージョン開設などがある。

 本記事では、クラウド&エンタープライズグループの上席副社長であるスコット・ガスリー(Scott Guthrie)氏のブログポスト、「AzureCon Keynote Announcements: India Regions, GPU Support, IoT Suite, Container Service, and Security Center」に基づき、これらの発表を紹介する。

Azure Container Service、プレビュー版を年内に提供開始

 米マイクロソフトは、「Azure Container Service」を、2015年中にプレビュー提供開始すると発表した。これはApache Mesosを活用したDockerコンテナー管理サービス。

 「Docker、Docker Composeなどのツールによって、アプリケーションのポータビリティが確保できるのに加え、Marathon、Chronos、Docker Swarmなどのポータブルなコンテナーオーケストレーション/管理ツールを活用できる。(中略)リソースのタグ付け、ロールベースのアクセス制御(RBAC)、仮想マシンスケールセット(VMSS)、Azureポータルにおける統合的なユーザーエクスペリエンスなど、Azureのインフラ管理機能と緊密に統合されている。エンタープライズクラスのAzureクラウドを、主要なオープンソースの構築/デプロイ/オーケストレーション・ソフトウェアと組み合わせることで、コンテナーワークロードに関する顧客の選択肢を最大限に広げている」(ガスリー氏)

Azure IoT Suiteの一般提供を開始

 IoTデバイスの接続から、データの収集・分析までの一連のプロセスを大幅に自動化するサービス、「Azure IoT Suite」が一般提供開始となった。

 Azure IoT Suiteでは、目的に応じた「事前構成済みソリューション(preconfigured solutions)」の活用で、POC、検証、本格展開の作業を簡略化するという。事前構成済みソリューションしてはまず遠隔監視が提供開始された。「予測を活用したメンテナンスと資産管理のソリューションを、まもなく提供する」(ガスリー氏)

Azure IoT Hubのパブリックプレビュー提供開始

米マイクロソフト クラウド&エンタープライズグループの上席副社長 スコット・ガスリー氏

 Azure IoT Hubは、IoTデバイスとIoTアプリケーションバックエンドの間のメッセージングおよびセキュリティに関するサービス。ガスリー氏は、次のように説明している。

 「デバイス単位の認証およびセキュリティの確保された接続:各デバイスが独自のセキュリティキーを使ってAzure IoT Hubに接続する。アプリケーションバックエンドはデバイス単位でホワイトリスト/ブラックリストを適用でき、これによってデバイスのアクセスを完全に制御できる。

 デバイス用に幅広いライブラリを用意:Azure IoTデバイスSDKはC、C#、Java、JavaScriptなど各種の開発言語/プラットフォームをサポートする。

 IoTプロトコルおよび拡張:Azure IoT Hubはデバイスとの接続で、HTTP 1.1およびAMQP 1.0をネイティブにサポートする。オープンソースのAzure IoTプロトコルゲートウェイフレームワークを通じ、MQTT v3.1.1をサポートするよう拡張できる。

 拡張性:Azure IoT Hubはデバイスの数百万単位での同時接続、毎秒数百万単位のイベントに対応できる」

 Azure IoT Hubはパブリックプレビューが提供開始されている。

Azure Security Centerを年内に一般提供開始

 Azure Security Centerは、ユーザーが、自らの利用するAzure上のリソースに関するセキュリティ関連の情報を、Webブラウザーでグラフィカルに統合監視できるサービス。リスク評価や、ポリシーに基づいて問題を自動検知するなど、セキュリティの積極的な確保ができるようにしている。

「『全てのアプリケーションがWebアプリケーションファイアウオールで保護されていなければならない』というポリシーを設定していた場合、Azure Security Centerは、アプリケーションファイアウオールで保護されていないWebアプリを自動的に検知し、パートナーからファイアウオールを調達して投入し、設定するための、迅速で直接的なワークフローを提供する」(ガスリー氏)

 Azure Security Centerは、年内に一般提供開始の予定。

GPUをサポートする仮想マシン「N-series」を発表

 Azure Virtual Machineでは、NVIDIAのTesla GPUを搭載した仮想マシンを提供開始した。

 「N-seriesは、NVIDIAのK80を採用、またNVIDIAが最近発表したM60を採用したVM構成を可能とする。M60のサポートにより、AzureはNVIDIAのQuadro High End Graphics Supportをクラウドに持ち込む最初のハイパースケール・クラウド事業者になる。N-seriesでは、GPU機能とRDMAインターコネクトにより、ディープラーニングやSkype翻訳のトレーニングのような、マルチマシン、マルチGPUのワークロードを走らせることができる」(ガスリー氏)

インドで3リージョンを開設

 米マイクロソフトはインドのムンバイ、チェンナイ、プネに、新たなリージョンを開設した。「これによりAzureリージョンは合計24になった。AWSとグーグルを合わせたよりも多い」(ガスリー氏)。インドの公的機関、金融機関、ヘルスケア企業といった、これまでデータの所在に関する要件から、クラウドの採用が限定的だった組織が、大きな関心を示しているという。

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