[速報]AWSがBI、データベース、セキュリティなどの新サービスを一挙に発表AWS re:Invent 2015

米Amazon Web Services(AWS)は2015年10月7日、同社の年次イベント「AWS re:Invent 2015」を開幕した。AWSシニアバイスプレジデントのアンディ・ジャシー(Andy Jassy)氏は同氏の基調講演で、セルフサービスBIツール、データベース移行を促進する各種サービス、セキュリティ強化のための「応用編」的サービスなどを一挙に発表した。

» 2015年10月08日 04時52分 公開
[三木 泉@IT]

 米Amazon Web Services(AWS)は2015年10月7日、同社の年次イベント「AWS re:Invent 2015」を開幕した。AWSシニアバイスプレジデントのアンディ・ジャシー(Andy Jassy)氏は同氏の基調講演で、セルフサービスBIツール、データベース移行を促進する各種サービス、セキュリティ強化のための「応用編」的サービスなどを一挙に発表した。

 以下ではこれらのサービスを簡潔に紹介する。

Amazon QuickSightのプレビュー版提供開始

 Amazon QuickSightは、セルフサービスBIツール+データベース。企業内のだれでもが容易にデータ分析を実行できるようにすることが目的。1人当たり1カ月12ドルといった低価格で提供するという。

セルフサービスBIツールは、クラウド上で動き、大まかには一般的なデータディスカバリツールと同様に、グラフィカルな分析環境を提供。分析データのデータベースエンジンとしては同社が「SPICE」と呼ぶインメモリカラムナーデータベースを採用。これがAmazon Redshiftなどの既存データサービスからのデータを取り込み、BIツールが高速にデータアクセスできるようにする。データソースは現在のところAWS上のデータサービスに限られているが、Salesforceなどにも対応するという。

 「SPICE」には、QuickSight以外のBIツール、例えばTableauやQlikSense、Domoなどを組み合わせられるという。従って、これらのBIツールを使った分析も高速化できる。

Amazon Kinesis Firehoseの提供開始

 Amazon Kinesis Firehose は、Amazon Kinesis Streams(Amazon Kinesisから改称)の利用を容易なものにするデータストリーミングサービス。管理アプリケーション(Kinesisアプリケーション)を書く必要がない。ストリームを作成し、Amazon S3のバケットあるいはAmazon Redshiftのテーブル(近い将来その他のデータストアにも対応予定)を指定して、データを入力するというシンプルなプロセスで、データストリーミングを利用できる。

AWS Snowballの提供開始

Snowballアプライアンス

 AWS Snowballは、AWSへの大量データ移行を支援するサービス。これまでのハードディスクをAWSに送付する形でのデータインポートでは高価で煩雑になりすぎ、セキュリティ面でも不安が残る問題を解決する。

 顧客は1台当たり50TBの容量を持つ頑丈なストレージアプライアンスを入手し、これにデータを保存して、宅配便でAWSに送付する。データはアプライアンスに保存される時点で自動的に暗号化される。宅配便の宛先情報はEインクのバーコードであらかじめアプライアンスに表示されるため、ラベルを作成する必要がない。AWSにおける作業が終了すると、Eインクの送付先情報は顧客の拠点に変えられ、次のインポートのために戻される。

Amazon RDS for MariaDBの提供開始、AWS Database Migration Serviceのプレビュー提供開始

 AWSは今年のre:Inventで、オンプレミスデータベースのクラウドへの移行を促進するサービスを発表した。一つはAmazon RDSでのMariaDBの提供、もう一つはAWS Database Migration Service。

 Database Migration Serviceでは、オンプレミスのデータベースデータを止めることなく複製し、これを逐次AWSに転送する。AWS Schema Conversion Toolでは、異種データベース間での移行を支援する。OracleやSQL Serverから、Amazon Aurora、Amazon RDS for MySQL/MariaDBに移行できるという。まもなくPostgresSQLへの移行も可能になる。

AWS Config Rulesのプレビュー提供開始

 これは構成管理/変更管理サービスであるAWS Configの機能の一つで、ルールを適用できるようにするもの。デフォルトで数種類のルールが提供される。Amazon EBSボリュームの暗号化がなされているか、Amazon EC2インスタンスが適切にタグ付けされているか、Elastic IPアドレスがインスタンスにアタッチされているか、などを監視し、例外が発生した場合には警告を送ることができる。Amazon Lambdaでカスタムルールを作成することもできるという。

Amazon Inspectorのプレビュー提供開始

 AWS利用に関するコンプライアンスチェックを行うサービス。アプリケーションの観点でセキュリティも検査する。PCI DSSなどの基準を選択し、これに照らして検証でき、詳細なリポートを提供するという。

AWS WAFの提供開始

 AWS WAFはその名のとおり、AWS上で動くWebアプリケーションファイアウオール。re:Invent 2015の前日に提供開始された。

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