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» 2015年10月06日 11時00分 UPDATE

PLMツールもクラウド上で利用する時代に:モノ作りにおける“情報ハブ”を目指すPLMの進化は続く

「品質、費用、納期」の最適化が求められるモノ作りの世界では、製品に関する情報を企画から、設計、生産、保守までのライフサイクルで統合的に管理するPLMツールの導入が進んでいる。その有力製品の一つが、アラスが提供する.NETベースの「Aras Innovator」だ。クラウドへも対応済みで、Microsoft Azure上での無償トライアルも用意されている。

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モノ作りの世界で進む製品情報の管理

 モノ作り(製造業)の世界において、製品を構成する要素は「メカ」「エレキ」「ソフト」の三つに分類される。「メカ(メカニズム)」は機械部品や機構部品、「エレキ(エレクトリック/エレクトロニクス)」は電気・電子回路、「ソフト」はこれらを制御する組み込みソフトウエアだ。一般的に、それぞれの設計・開発は別々のエンジニアが担当し、メカ設計者、エレキ設計者、ソフト設計者などと呼ばれている(図1)。

図1 図1 現在のモノ作りの世界では、メカ、エレキ、ソフトの各領域で製品に関する情報を共有・管理することが求められている(出典:アラスジャパン)

 この3分野の間で、製品に関する情報を統合的に管理する手法が「PLM(Product Lifecycle Management)」になる。当初のPLMはメカ設計用CADのデータを管理するための補助的な機能にすぎなかったが、現在はメカ/エレキ/ソフトの3分野について、企画から設計、生産、保守までの製品ライフサイクル全工程をカバーする包括的な管理手法となり、さまざまなPLMツールが提供されている。

ALT アラスジャパン 社長 久次昌彦氏

 モノ作りにPLMツールが欠かせない背景には、「今の製品には電子制御が必ずどこかに入っているため、3D CADだけでは作れない」(アラスジャパン 社長 久次昌彦氏)という現状がある。2〜3年前まではメカ設計の3D CADとEDA(回路設計用CAD)が分かれていてもモノ作りに支障はなかったが、「品質、費用、納期」を追求する現在では、そのような作り方はできなくなっているのだ。

 例えば、自動車業界で採用が進む「自動車用機能安全規(ISO 26262)」では、製品の全ライフサイクルにわたるトレーサビリティ(追跡可能性)が重視される。つまり、安全に関する問題が発生した際、製品開発プロセスのどこに原因があったのかを迅速かつ的確に突き止められるようにしておかなければならないのだ。そのためには、各工程で使用されるツール間で情報を共有、交換できることが不可欠になる。PLMツールには、そうした統合的な情報管理ツールとしての役割が期待されている。

機械系/電気電子系CADと接続可能な「Aras Innovator」

 製品ライフサイクルを統合的に管理するPLMツールの有力製品の一つが、アラスジャパンが提供する「Aras Innovator」になる(図2)。

図2 図2 「Aras Innovator」の各機能はモデルベースSOAで提供され、ソースコードも公開されていることからカスタマイズしやすい構造になっており、製造業各社にとって“自社にフィットしたシステム”を構築できる(出典:アラスジャパン)

 Aras Innovatorには、いくつかのユニークな特徴がある。まず、特定のCAD製品に縛られない“オープンなPLMツール”であること。久次氏は「Aras InnovatorはマルチCAD対応のPLMツールであり、一般的な機械系CADや電気電子系CADと接続できるだけでなく、組み込み系ソフトウエアのデータも製品情報として管理することができます」と説明する。Aras Innovatorは他のソフトウエアからの要求をWebサービスとして受け取る仕組みを備えているので、接続するCAD製品には同社が提供するプラグインソフトを組み込んでおくだけでよい。

 Aras Innovatorのソフトウエア本体は同社のWebサイト(http://www.aras.jp/support/downloads/downloadInnovator.aspx)から無料でダウンロードできる。記録媒体での有料販売はなく、費用が発生するのはコンサルティングサービスやサブスクリプション(各種付加サービス付き)を利用する場合のみ。ソースコードも公開されているので、自社のニーズに合わせたカスタマイズも容易だ。

 また、Windowsとの親和性が高いことも注目すべきポイントになる。「Aras Innovatorは.NETベースのオープンソースソフトウエアであり、データベースのMicrosoft SQL Server、WebサーバーのIIS(インターネットインフォメーションサービス)など、全てのWindowsプラットフォームに対応しています」(久次氏)。この他、Microsoft OfficeやMicrosoft SharePoint Serviceなどの情報系アプリケーションとの連携も可能になっている。

 さらに、Aras Innovatorはマイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」上でも利用することができる。互換性も検証済みで、2014年からMicrosoft Azure Marketplaceでも提供されている(画面1)。

画面1 画面1 画面1 クラウドでも利用できるAras Innovator。すでにMicrosoft Azure Marketplaceにも登録済み

 これまでダウンロード方式で提供してきたAras Innovatorをパブリッククラウド上でも使えるようにした理由を、久次氏は次のように語る。

 「多くの企業では、サーバーやPCに勝手にソフトウエアをインストールすることを許可していません。しかし、情報システム部に利用を申請して管理者権限をもらうまでには、時間と手間が掛かり過ぎます。そこで、部署レベルで手軽に利用できるパブリッククラウドの形で提供することにしました」(久次氏)

 もう一つの理由は、「サプライヤー(部品供給会社)との間で設計情報を交換したいと考える企業が増えています」(久次氏)とのこと。パブリッククラウドならばセキュリティ確保の仕組みもしっかりと整備されているので、重要な製品情報を企業同士でやりとりする場合でも安心して利用できる、というのが同社の評価だ。

Microsoft Azure上での無償トライアルも提供開始

 このような“クラウドPLM”の魅力、メリットを多くの製造系エンジニアに理解してもらうために、アラスジャパンでは期間限定の無償トライアル「テストドライブ」を2015年10月に開始した。トライアルの実施にいたった経緯を、久次氏は「エンタープライズ系のシステムにおいては、導入前に、きちんと製品の中身を確認できる機会はほとんどありません。Aras Innovatorの魅力を理解していただき、また“使えるシステム”として検証を行った上で安心して導入していただければと思っています。米国でもこの取り組みは大変好評で、再度キャンペーンを行う予定です」と語る。

 今回のテストドライブでは全ての機能がプリセットされたAras Innovatorと、各種付加サービス(内容はサブスクリプション契約のものと同等)を、Microsoft Azure上で30日間無償で利用できる。利用者として想定されているのは各種製造(宇宙・航空・自動車・家電・産業機器・食品・医療機器・日用雑貨など)に関わる企業のエンジニアで、同社が実施する3回の無償トレーニングが付帯している。また、サンプルDBも同梱されており、これらにより、自社に戻ってすぐに試用し始められる状況にすることができる。トレーニング施設のキャパシティに限りがあることから、募集企業数は毎月10社となっている。

 なお、Aras InnovatorはPLM専門ツールであるため、意味のあるトライアルを行うには3D CADなど、何らかのエンジニアリングツールをあらかじめ用意しておくべきだろう。今回のテストドライブでは米IHSの電子部品データベースが利用できるが、それだけではAras Innovatorが自社の製品設計・開発にどのように役立つかを見極めるのは難しいと考えられるからだ。すでに触れたように、Aras InnovatorはWebサービスとして利用できるので、連携させるのはクラウド、オンプレミス、どちらの環境で動作しているエンジニアリングツールでもよい。

 Aras Innovatorのテストドライブは、PLMツールをこれから導入しようと考えている企業だけでなく、現在使用中のPLMツールの更新や拡張を検討中の企業にもお勧めできる。「米国でのテストドライブでは、無償トレーニングのおかげで分厚いマニュアルを読まなくてもPLMツールの使い方が分かったというポジティブな反応が多く寄せられました」(久次氏)とのことなので、PLMツールに不慣れなエンジニアも臆せずトライしていただきたい。

ツールにとどまらない、“情報ハブ”を目指すPLMの進化は続く

 「これからのモノ作りは、社内だけで完結することはないはずです。サプライヤーや協力会社との情報共有は必須になりますから、クラウドは重要なプラットフォームの一つになっていくでしょう」(久次氏)

 モノ作りとクラウドの関係について、久次氏はこう語る。事実、米国ゼネラル・エレクトリック(GE)が先頭に立って推進する「インダストリアル・インターネット」でも、デバイスから取得したデータを有用なサービスへと変えるための分析は、クラウドで行うことが前提となっている。

 ただし、久次氏は、単にデバイスからのデータを集めて分析しただけでは意味のない結果になってしまうおそれがあるとも指摘する。

 「同じ品番でもバージョンが異なるモノのデータをひとまとめに分析したのでは、おおまかな結果しか出てきません。不具合の発生率が分かったとしても、全てのバージョンで同じように問題が発生しているのか、旧バージョンに限られるのかが分からなければ、有効な対策は打てないでしょう」(久次氏)

 製品に関する情報を統合的に管理するPLMツールは、そうした課題の解決に大きな役割を果たす、というのが久次氏の見方だ。Aras Innovatorの開発元である米アラスが目指すのは、単にPLMツールの提供だけにとどまらず、モノ作りに関する業務をさらに効率化するサービスを提供すること。エンジニアが必要とする情報を提供する“情報ハブ”となるべく、Aras Innovatorはこれからも進化を続けていくと久次氏は話す(図3)。

図3 図3 PLMツールは製品の全ライフサイクルにまたがる情報管理ツールとして、「情報ハブ」の役割を果たす(出典:アラスジャパン)

 2007年に始まったマイクロソフトとアラスのパートナーシップは、これからますます深まっていくことになる。例えば、Microsoft AzureとWindowsで進むマルチデバイス化の動きに沿う形で、生産ラインなどの現場で使える“タブレット版Aras Innovator”も完成しているとのこと。モノ作りの世界でもクラウドを活用しようとする企業にとって、Aras Innovatorは検討に値するPLMツールとなるだろう。

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提供:アラスジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年11月5日

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