ジャパンネット銀行の情報系システム リアルタイム化の裏側スペシャリストが語るインメモリDBの魅力【富士通編】(1/3 ページ)

ジャパンネット銀行は、Oracle Database 12cの新機能である「Oracle Database In-Memory」と富士通のUNIXサーバー「SPARC M10」の組み合わせが発揮する並外れた性能を評価し、次期データウエアハウス基盤に採用したという。その速さの秘密を富士通のスペシャリストに聞いた。[パフォーマンス改善][Oracle Database 12c][Engineered System]

» 2015年10月19日 07時00分 公開
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ジャパンネット銀行が次期情報系システムにOracle Database In-Memoryを採用

 販売管理や在庫管理、物流管理など、さまざまな業務で発生したデータをデータウエアハウス(DWH)に集約して多角的かつリアルタイムに分析を行い、その結果を経営判断や新たなビジネスの創出に利用する──こうしたデータ活用のサイクルにおいて、データ量の増加によるシステム性能の低下や夜間バッチ処理の「突き抜け」といった問題に頭を悩ませている企業は少なくない。この問題の解決策として富士通が提示するのが、インメモリデータベース「Oracle Database In-Memory」とUNIXサーバー「SPARC M10」の組み合わせだ。

 Oracle Database In-Memoryのパフォーマンスを高く評価し、これを活用して「顧客情報データベース(MCIF:Marketing Customer Information File)」とDWHで構成される情報系システムの刷新に乗り出した企業にジャパンネット銀行がある。

富士通 金融システム事業本部 金融ソリューション・サービス事業部の中村俊也氏

 同行において情報系システムの刷新プロジェクトが持ち上がった際、富士通が提案したのがOracle Database In-MemoryとSPARC M10の組み合わせだった。その理由について、同社金融システム事業本部の中村俊也氏(金融ソリューション・サービス事業部)は、「ジャパンネット銀行さまに提示された三つの条件をクリアするには、Oracle Database In-MemoryとSPARC M10の組み合わせが最適だと考えたのです」と説明する。

 「お客さまが提示された一つ目の条件は、“必要な処理を超高速に行えること”でした。また、二つ目の条件として、ミッションクリティカルなシステムであることから、“高い可用性”が求められました。そして三つ目の条件は、“メンテナンスのしやすさ”です。お客さまは、これまでDWH専用機(アプライアンス)を使われてきましたが、メンテナンス性の面で課題を感じていました。

 これら三つの条件を高いレベルでクリアするために、当社としてご提案できる最良の選択肢は何かを検討した結果、Oracle Database In-MemoryとSPARC M10の組み合わせが最適だと考えたのです」(中村氏)

ジャパンネット銀行のOracle Database In-Memory導入前のシステム構成(1)(富士通提供資料より)
ジャパンネット銀行のOracle Database In-Memory導入後のシステム構成(2)(富士通提供資料より)

 ただし、Oracle Database In-Memoryは2014年に正式リリースされた製品であり、国内企業への導入も始まったばかりの段階だ。そこで、まずはPoC(Proof of Concept:導入前実機実証)によって実際のパフォーマンスを検証することになった。このPoCでは、本番環境と同規模のテストデータを使用し、実システムで使われているクエリを用いてレスポンス性能を計測した。

富士通北陸システムズ データベースソリューション事業本部 基盤ソリューション部の田所豊氏(Platinum of the Year 2015受賞)

 「Oracle Database In-MemoryのPoCでは、主に四つのポイントを検証した」と説明するのは、この作業を主導した富士通北陸システムズ データベースソリューション事業本部 基盤ソリューション部の田所豊氏である。

 「単にレスポンスを計測するだけでなく、お客さまのシステム環境を確実に改善できることを確かめるために、四つのポイントについて検証を実施しました。一つ目は、Oracle Database In-Memoryのデータ圧縮機能です。圧縮方式には四つの選択肢があるため、それぞれの圧縮効果とレスポンスの関係を調査しています。二つ目はデータ更新時におけるレスポンスへの影響です。さらに三つ目として、今回のシステムでは、可用性を高めるためにOracle Real Application Clusters(RAC)構成での運用を想定していたため、シングルインスタンス構成との性能差を検証しました。そして四つ目は、データをメモリ上に展開するポピュレーションの時間です。これら四つのポイントを中心に、Oracle Database In-Memoryで本当に既存環境を置き換えられるのかを評価したのです」(田所氏)

 なお、ジャパンネット銀行の情報系システムでは、DWH専用機の他に、MCIFサーバーとしてOracle Databaseを利用していた。これらの環境について、まずシングル構成で検証したところ、従来1時間以上かかっていたMCIFサーバーに対するSQL処理がわずか4秒程度で完了した他、DWH専用機で4分以上かかっていたSQLも1秒以下で完了するなど、想定通りの高い性能を得ることができた。

 また、Oracle RAC構成による検証でも、多くのSQLでシングル構成を大きく超える性能が確認できた。これらの結果を踏まえ、同行ではOracle Database In-MemoryとSPARC M10の組み合わせで情報系システムのプラットフォームを刷新することを決断。現在は2016年のカットオーバーに向けて準備を進めているところだという。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年11月18日

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