高校生×IT “アプリ開発サマーキャンプ”で高校生プログラマーが学んだ、アイデアをより良いカタチにする方法プログラミング異種格闘インタビュー(3)(3/3 ページ)

» 2015年10月20日 05時00分 公開
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キャンプが終わってからも、キャンプは続く

ハブチン

佐藤 サマーキャンプが終わってから、アプリ開発のイロハを教えてくれた開発会社の「タイムカプセル」でアルバイトをしました。

ハブチン サマーキャンプに行かなかったら、なかった出会いですね。

佐藤 サマーキャンプやアルバイトを経験して、自分がやりたいことや興味あることを仕事にしている人たちがたくさんいることを知りました。

ハブチン なるほど。それは貴重な気付きだと思います。そういえば大学は確か「はこだて未来大学」に進学されたのですよね? どうして岐阜から遠い大学を選んだのですか?

佐藤 周囲からもよく質問されます(笑)。今、人工知能にすごく興味を持っていて。だから、人工知能の研究が日本でも盛んなはこだて未来大学を選びました。

 初めてプログラミングでリバーシを作ったときから、人工知能に興味がありました。自分でコンピューターの対戦相手をプログラミングすると、当然コンピューターの次の手が分かってしまいます。それだと「面白くないな」と。人工知能を研究したら、自分の想像「外」のものが作れるのではないかと思うのです。

ハブチン おぉ、それはワクワクしますね! では最後に今後のビジョンを教えてください。

佐藤 人工知能のスペシャリストになり、人間の考えを超えるコンピューターを作っていきたいです。まだぼんやりしているので、まずは目の前の興味があることを、全力で追求していきたいです。

ハブチン サイコーです! これからも応援しています!

社会人生活はキャンプではなくマラソン……でも

 サマーキャンプのファシリテーターを務めて今年で2年になるが、いつも驚かされるのは「高校生は好奇心に素直」ということだ。

 彼らは手を抜くということを知らない。深夜になっても開発し続け、翌朝早くからキーボードをたたき始める。成果発表の時間ギリギリになってもその手を止めようとしない。

 一方には、期限に合わせて、そこそこのレベルで間に合わせようとするオトナな自分がいる。顧客の要望に合わせて、自分の意図を見えないところに押し込めている。

 長い社会人生活は、キャンプではなくマラソンだ。無理に走っても息が切れるのは分かっている。

 でも高校生たちを見ていると、自分も全力で走りたくなってくる。むしろ全力で走っていなければ、彼らの前に立つことなんてできない。オトナが好奇心を追求して、新たな世界を切り開く。その背中を見せることこそが、オトナが若者にできる唯一のことではないだろうか。

 学んでいるのは、もしかするとオトナの方かもしれない。「コース脇で応援しているのではなく、自分もコースで走っているんだ」と。彼らに追い越されないように、僕も突っ走っていきたい。

ハブチン(羽渕彰博)
1986年、大阪府生まれ。2008年にパソナキャリアカンパニー入社。
転職者のキャリア支援業務、自社の新卒採用業務、新規事業立ち上げに従事。現在はパソナテックで、新規事業開発や人材教育を目的としたハッカソンのファシリテーター(司会)として活動している。
過去、「朝日放送主催 ABC Hackathon」「Google主催 Google Hackathon」「Sharp主催ウェアラブルアイデアソン」などに携わっており、マイクパフォーマンスで盛り上げる進行スタイルから「ハッカソン芸人」と呼ばれている。


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