連載
» 2015年11月05日 05時00分 UPDATE

vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目(32):ADドメインはもう不要? ワークグループでクラスター作成が可能に――フェイルオーバークラスターの新機能(その3) (1/3)

Windows Server 2012 R2以前のフェイルオーバークラスタリング機能は、“同一のActive Directoryドメインに参加するノード間でのみ”クラスターを作成できました。Windows Server 2016では、ワークグループ構成のクラスターを作成できるようになります。

[山市良,テクニカルライター]
「vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目」のインデックス

連載目次

これまでのフェイルオーバークラスターの常識

 Windows Server 2012 R2以前のWindows Serverでは、フェイルオーバークラスターの作成にActive Directoryドメインが必須で、クラスターに参加する全てのサーバー(ノード)は、同じActive Directoryのメンバーである必要があります。また、クラスターの作成や管理は、Active Directoryのドメインユーザーアカウントで行う必要があります(画面1)。

画面1 画面1 Windows Server 2012 R2以前のフェイルオーバークラスターには、Active Directoryドメインが必須

 Windows Server 2016では、シングルドメインのメンバーノードで構成される従来のクラスターに加えて、次の二つのクラスター構成が可能になります。どちらの構成も作成手順や管理方法は基本的には同じで、Active Directoryドメインに依存せず、ローカルアカウントを使用してクラスターを作成、管理します。

  • ワークグループ構成のクラスター:Active Directoryドメインのメンバーとして構成されていない、ワークグループ構成のノード間で構成されたクラスター
  • マルチドメイン構成のクラスター:異なるActive Directoryドメインメンバーのノード間で構成されたクラスター

ワークグループ構成のノード間でクラスターを作成してみた[準備編]

 早速、Windows Server 2016 Technical Preview 3(TP3)をインストールした2台のサーバーで、ワークグループ構成のクラスターを作成してみました。

 2台のサーバーのワークグループ構成は、既定の「WORKGROUP」のままです。ネットワークにIPアドレスを静的に割り当て、ネットワークカテゴリを「プライベート」(またはファイアウオールをオフに)に設定します。各ノードのコンピューター名を設定し、DNS(Domain Name System)サフィックスが同じになるように構成します(画面2)。

画面2 画面2 ワークグループ構成のノードのコンピューター名の構成でDNSサフィックスを一致させる

 ノード間およびクライアントから名前解決ができるように、DNSサーバーにノードのA(アドレス)レコードを登録します。また、クラスター名とクラスターIPのAレコードも登録しておきます(画面3)。利用可能なDNSサーバーが存在しない場合は、「C:¥Windows¥System32¥Drivers¥Etc¥Hosts」ファイルにFQDN(Fully Qualified Domain Name:完全修飾ドメイン名)とIPアドレスの対応を登録すればよいはずです。

画面3 画面3 ノードのコンピューター名に対応したAレコードと、クラスターに設定するクラスター名とクラスターIPのAレコードをDNSサーバーに登録する

 2台のサーバーそれぞれに「サーバーマネージャー」の「役割と機能のインストールウィザード」を使用して、「Failover Clustering」の機能をインストールします。Server Coreインストールの場合は、Windows PowerShellで次のコマンドラインを実行することで、フェイルオーバークラスターの機能をインストールできます。

Install-WindowsFeature -Name Failover-Clustering -IncludeManagementTools


 実は、Windows Server 2016 TP3の「Failover Clustering」機能には、一部バグがあります。この機能と共にインストールされるWindows PowerShellの「FailoverClusters」モジュールが、日本語のシステムロケールでは読み込みに失敗し、関連するコマンドレットが全てエラーとなるのです。「Failover Clustering」機能をインストールしたら、以下の筆者の個人ブログで説明している方法で「FailoverClusters」モジュールの問題を修正してください。

 ワークグループ構成(およびマルチドメイン構成)のクラスターは、ローカルアカウントで作成および管理します。ビルトインのAdministratorアカウントを使用する場合は、クラスターに参加する全てのノードのパスワードを一致させます。

 ビルトインのアカウントを使用しない場合は、管理者アカウント(Administratorsグループのメンバー)を作成して、同じパスワードを設定します。ビルトインアカウントを使用しない場合は、さらにレジストリの編集も必要です。Windows PowerShellから次のコマンドレットを実行することで、必要なレジストリの編集が完了します。

new-itemproperty -path HKLM:¥SOFTWARE¥Microsoft¥Windows¥CurrentVersion¥Policies¥System -Name LocalAccountTokenFilterPolicy -Value 1


       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

@IT Special

- PR -

TechTargetジャパン

この記事に関連するホワイトペーパー

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。