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» 2015年11月11日 12時03分 UPDATE

クラウドサービスの新会社についても聞いた:ゲルシンガー氏が語った、デルによる買収でヴイエムウェアがこれまでと変わらない理由

「デルによる買収で、これまでと変わることはない。ヴイエムウェアにとってポジティブなことしかあり得ない」。VMware vForumのため来日した米ヴイエムウェアのCEO、パット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏は、少数の記者による質問に応じ、こう語った。クラウドサービスの新会社についても聞いた。

[三木 泉,@IT]

 米ヴイエムウェアCEOのパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏が、デルによるEMC(およびヴイエムウェア)の買収発表直後、まず電話をかけた相手は、米ヒューレット・パッカードCEOのメグ・ホイットマン(Meg Whitman)氏だった。ヴイエムウェアにとってヒューレット・パッカードは最大のパートナーであり、安心してもらうことが非常に重要だったからという。「その後間もなく、マイケル(米デルCEOのマイケル・デル氏)も彼女に電話したことが(後になって)分かった」と同氏は笑う。

ヴイエムウェアが変わらない、いくつかの理由

im_ait_15gelsinger01.jpg 米ヴイエムウェアCEOのパット・ゲルシンガー氏

 「デルによる買収で、これまでと変わることはない。私は『E』から『D』に変わるだけだと言っている」。ゲルシンガー氏は、これを様々な角度から説明した。

 まず、マイケル・デル氏について。「マイケルは、一貫して明確に、ヴイエムウェアが独立した企業であり続けると言い続けている。当社は安定を得ることができる。当社の今後の成長を加速することだけを目的として考えている株主が現れたからだ。マイケルは、オープンなエコシステムの時代に生まれ、デルを育てた。彼は独立性を維持することがどれだけの意味を持っているかを深く理解している」(ゲルシンガー氏)

 ビジネス的には、デルが中堅企業に強いこと、Wyseなどのクライアント製品を持っていることなどが、ヴイエムウェアのサーバー、セキュリティ、クライアント、ネットワークのビジネスを加速するだろうという。ヴイエムウェアは、例えばEVO:RAILでデルのハードウエアを特別扱いすることもない。全てのハードウエアパートナーと、これまで通りの関係を保っていくという。

 株式構成については、現在ヴイエムウェア株式の80%をEMCが所有しており、市場で取引されているのは約20%。買収手続き完了後はヴイエムウェア株式の約50%相当が、業績連動株として市場に(間接的に)追加供給される。つまり、単一株主の支配は弱まる。「そうはいっても、デル、シルバーレイクなどから成る連合は約30%の株式を保有し続けるわけだが、だからこそ、これらの企業にとっては、ヴイエムウェアの株式価格上昇に向けて大きなインセンティブが働く」とゲルシンガー氏はいう。

 また、ヴイエムウェアのキャッシュフローは、今回の買収で発生する負債の返済には使われない。ヴイエムウェア株式の買戻しに使われるほか、同社の研究開発および買収資金として活用される。

他のサーバーベンダーとの関係は?

 「だが、他のサーバーベンダーとの関係が悪化する可能性はないのか」と聞くと、ゲルシンガー氏は、「約10年前にEMCがヴイエムウェアを買収したときと同じだ」と答えた。ネットアップや日立、富士通など、ストレージ事業を持つ主要ITベンダーと、EMCによる買収後もパートナーシップを強化してきた。言い換えれば、現在の主要サーバーベンダーのほとんどは、EMCと競合してきた企業であり、こうした企業からはヴイエムウェアの今後について質問こそ出るものの、関係の悪化にはつながらない、とする。

 このQ&Aセッションに同席したヴイエムウェア日本法人会長の三木泰雄氏も、「10年前には、会う人ごとに、『今後どうなるのか』と聞かれた。だが、問題がないことはその後の実績で示されている。このため、今回はより自然に受け入れてもらっている感触がある」という。

 ゲルシンガー氏は、富士通との11月10日付の協業強化の発表を取り上げ、「富士通は『嫌だ』と言うこともできたが、協業拡大で合意してくれた。これがいい証拠だと思う」と述べた。

クラウドサービスの新会社についても聞いた

 ヴイエムウェアとEMCが折半出資で設立したクラウドサービス子会社Virtustreamについて聞くと、ゲルシンガー氏は次のように答えた。

 新会社が「Virtustream」という名称になっているのは、EMCが買収したVirtustreamという法人がすでに存在していたため、これを使うのが手っ取り早かったからだ。新会社は「vCloud Air」のブランド名でサービスを提供し続ける。一方、Virtustreamが従来より提供してきたIaaSサービスも維持される。すなわち、Virtustreamという企業が、vCloud Air、Virtustreamの2つのサービスを提供することになる。将来は、この2つのサービスを統合する。

 VirtustreamはSAPなど、ミッションクリティカルなアプリケーションの運用で、ガートナーやIDCからも高く評価されている。これをvCloud Airのハイブリッドクラウド機能を合わせることで、2つの高度に差別化されたサービスを提供できる。

 一方で、VirtustreamのソフトウエアをvCloud Airのソフトウエアスタックと統合し、ヴイエムウェアがvCloud Air Networkパートナーに供給していくことになる。

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