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» 2015年12月16日 05時00分 UPDATE

何度目かになる“サイクル”が回ってきた:進化を続ける、IoT時代の「Java」はどこへ向かうのか (1/2)

2015年10月末に米国サンフランシスコで開催されたオラクルの年次イベントでは、Java開発者会議「JavaOne」も同時に開催された。「何度目かになる“関心の高まり”のサイクルが回ってきた」──。日本オラクルも国内の開発者に向け、「Javaはどこへ向かうのか」を説明した。

[渡邉利和,@IT]

Javaが目指す、「DevOps」と「IoT」

 2015年10月に米国サンフランシスコで行われたプログラミング言語「Java」の開発者会議「JavaOne 2015」の主要テーマは、“DevOps”と“IoT”の二つだった。

 JavaOneの基調講演は“Java誕生20周年”という節目だったことから、祝賀感を盛り上げる演出が目立ったが、個々のセッションでは、DevOpsやIoTに関する話が多く聞かれた。例えばDevOps関連セッションは、2014年の7セッションから、2015年は107セッションに急増。開発者はJavaがどの方向へ進むことを望むのか、何を必要としているのかの傾向を示したといえる。

photo 「JavaOne 2015」では、サン・マイクロシステムズの創業者スコット・マクネリ氏がJava誕生20年を祝うと共に、「Java開発者にとっての悪夢――2015年版」と題したビデオメッセージを寄せた

 とはいえ、DevOpsとはビジネスの躍進を主目的に、開発者としては開発と運用のサイクルをごく短時間で何回も回し、俊敏性とコードの品質向上を両立させていくといった大きな概念を示す言葉だ。開発と運用を統合することで全体的なビジネスの成長を図る考え方や全体的なプロセスを考えるが故、こと言語の仕様に依存する話ではない。つまり、どんな開発言語を使っていてもDevOpsの考え方を取り入れることは可能であり、Java側でDevOpsを実現するための特別な機能の実装が求められているわけでもない。

photo 「DevOps」をJava市場におけるトレンドと位置付ける。Java自体が変わるというものではなく、Dockerによるコンテナー化や各種自動化ツールによるテストや評価がキモとなる
photo 日本オラクル Fusion Middleware事業担当の伊藤敬氏

 その意味では、Javaに固有の新たな進化というよりは、業界全体でこの先必要なこととしてDevOpsが定着し、ごく一般的な取り組みとして普及しつつあること。この状況を踏まえ、Java開発者がDevOpsを考察するにはどうしたらよいか、という実践的な話を欲するようになっていると理解できる。

 Javaは依然として主要な開発言語として“現役”であり、時代に沿って新しいトレンドやコンセプトを採り入れて進化してきた。また、Java自体を変更する必要はともかく、適切な周辺ツールも開発されなければ、新世代への対応は難しくなる。

 「そうした周辺ツールが遅滞なくそろうことは、つまり、最新の開発トレンドに沿った開発プロジェクトで、Javaが開発言語として選ばれている例が相応に存在していることを意味する」と、日本オラクル Fusion Middleware事業担当の伊藤敬氏(クラウドテクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部シニアマネージャー)は述べる。その意味でJavaの市場評価は、現時点では安泰だと言えそうだ。


photo Javaの中核をなすエディションである「Java SE」のロードマップ。2016年にリリース予定の「Java SE 9」では、小モジュールの概念を導入し、モノリシック(全体が一つのモジュールでできており、分割されていない状態)な構造からの脱却が図られる

 もう一つのテーマとなった「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」は、よりJavaの言語としての特性に沿ったものである。

 もともとJavaは、「Write once, run anywhere(一度プログラムを書けば、どこでも実行できる)」をコンセプトとして掲げており、特定のハードウエアアーキテクチャやOSに依存せず、どんなプラットフォームでも動くことを目指した言語だ。このため、モノをネットワークにつなげる機器やシステムが軸になるIoTとは、そもそも親和性が高い。Javaは、誕生初期からスマートカード(JavaCard)などのフットプリントの小さなデバイスへの対応も積極的に行ってきた歴史もある。この点も、各種センサーをはじめとするコンピューティングリソースが限定され、コストも大きく掛けられない、さまざまなエッジデバイス(末端にある機器)のインテリジェント化を目指すIoTの流れと合っている。

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