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» 2015年12月25日 21時00分 UPDATE

ネットワーク屋とハードウエア屋の距離を縮める?:聖夜にお披露目された「さくらのIoT Platform」、2016年春めどにβテスト予定

さくらインターネットは2015年12月24日に開催したイベント「さくらの聖夜」において、現在開発を進めている「さくらのIoT Platform」の構想を紹介した。

[高橋睦美,@IT]

 さくらインターネットは2015年12月24日に開催したイベント「さくらの聖夜」において、現在開発を進めている「さくらのIoT Platform」の構想を紹介した。2016年春をめどにβテストを開始する予定で、それに先立つ2016年2月からテスター募集を開始するという。

 2015年9月30日にはSORACOMが、IoT向けプラットフォームサービス「SORACOM Air」の提供を開始しており、国内でもIoTを活用したサービスが活発化しそうだ(関連記事:SORACOMの、IoTプラットフォームサービスとしてのインパクト)。

 さくらのIoT Platformは、文字通りIoT(Internet of Things、モノのインターネット)の展開に必要な要素――デバイスの通信環境からデータの保存や処理のシステムに至るまで――を包括的に提供するものだ。SIM通信モジュールの提供に加え、「さくらのクラウド」上にキャリアネットワークとレイヤ2で接続された閉域網を構築し、そこにストレージやデータベース、ルールエンジンを用意。APIを介して外部のさまざまなサービスやクラウドと連携できるようにする。

mt_sakura_ph01.jpg さくらインターネットのフェロー、小笠原治氏(左)とCerevo 代表取締役社長の岩佐琢磨氏(右)とクリスマスツリー

 さくらインターネットのフェロー、小笠原治氏は、ブログの中でIoT向け新サービスの構想について語ったばかりだ(関連記事:「ブロックチェーン技術」でさくらインターネットが実現したいこと)。同氏は「DMM.make」を通してものづくりに携わる人々を支援してきた。その経験の中で感じたのは「ネットワーク側の人とハードウエア側の人が離れている。特にインターネットに関しては」ということだったそうだ。

 「ハードウエア側の人は、通信経路については、『何でも(各種センサーとBluetoothモジュールが搭載された)スマホでいいじゃん』と考えがちだが、スマホである以上、(アプリを起動するなどの)何らかの操作が必要になる。そこをなくしたいと考えて開発しているのがこのプラットフォーム」だと小笠原氏は述べた。例えば、体重計に乗ったら、そこで得られるさまざまなセンシングデータをクラウドに送り、自分に適したフィードバックを得るところまでを自動的に行えるサービスを支えるもの、というのがIoT Platformのイメージだ。

 ただ、「自分のセンシングデータがそのままインターネットに送られるのは嫌な人もたくさんいると思うので、まずは閉域網に置き、そこからAPIを使ってさまざまなサービスと連携できるようにする」(小笠原氏)。この際、API利用やプライベートなデータ利用に課金する一方で、パブリックでの利用を許諾したデータについては、閉域網内のリソースを無料で利用できるようなビジネスモデルを検討中という。

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 一方ハードウエア側の「さくらのSIMモジュール」は、IoT用途に適した通信プランで利用できるSIMカード(3G/LTE)と通信モジュールに、さまざまなプロトタイプ開発が行える「ブレイクアウトキット」を組み合わせるものとなる。ブレイクアウトキットは、「BlueNinja」を開発しているCerevoの協力を得て設計を進めており、Bluetooth通信や各種センサー、マイコンを搭載する予定だ。まだ開発中の段階ではあるが、「できれば、『さくらの専用サーバ』を出したときと同じくらいの低価格で提供できれば」と小笠原氏は述べた。これらに加え、ArudinoやRaspberry Piと組み合わせてプロトタイプを開発できるオプション製品も用意し、さまざまなサービスやプロダクトの開発を支援していく。

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 「(さくらのIoT Platformによって)とにかく何かを作りたくなってほしい。今はネットワーク側でいろいろやっている人にも『自分もハードウエアに触ってみてもいいかな』と思ってもらえるのではないか」(小笠原氏)

 なおさくらインターネットは先日、ブロックチェーンに関する発表を行ったばかりで、Fintech(フィンテック)の観点から大きな注目を集めた。だが「IoTで集めたセンシングデータを、ブロックチェーンで分散型の勘定システムに入れることにより、センシングデータの連続性の担保に活用できる」と小笠原氏は考えており、フィンテックだけでなく、安価なIoTプラットフォームを提供するための技術としても着目していると述べている。

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