実運用への道に近づいた、新しい「Nano Server」[前編]vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目(39)(2/2 ページ)

» 2016年01月06日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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Recovery Console(旧称、Emergency Management Console)の機能強化

 TP3のNano Serverでは、「Emergency Management Console」という“参照専用のローカルコンソール”が追加されました。TP4のNano Serverでは、これが「Recovery Console」という名前に変更され、ネットワークの設定(IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ)と「Windowsファイアウォール」の「規則の構成」を編集できるように改善されています(画面4画面5画面6)。

画面4 画面4 TP4のNano Serverの「Recovery Console」のトップ画面
画面5 画面5 「Recovery Console」を使用したIPアドレスの構成
画面6 画面6 「Recovery Console」を使用したWindowsファイアウォールの規則の編集

Windows Updateをサポート?

 TP3のNano Serverでは、パッチ管理の手段が提供されていませんでした。TP4のNano Serverには、「Windows Updateサービス(wuauserv)」と「Windows Modules Installerサービス(TrustedInstaller)」が実装され、パッチ管理の仕組みが搭載されました(画面7)。

画面7 画面7 TP4のNano Serverには、「Windows Updateサービス」と「Windows Modules Installerサービス」が実装された

 現状、Windows Updateの検索、ダウンロード、インストールのためのUI(ユーザーインタフェース)は提供されませんが、「Windows Update Agent API」を介した操作が可能になっているようです。ただし、筆者が試してみた限りでは、動作を確認できていません。

「Windowsアプリ」(.appx)のインストール手段の提供

 Nano Serverには「Windows Installer(msiserver)サービス」が提供されないため、拡張子「.msi」のWindowsインストーラー形式のWindowsアプリケーションをインストールすることはできません。その代わりに、拡張子「.appx」を持つWindows Server向けのアプリケーションパッケージのインストールをサポートします。

 拡張子「.appx」は「Windowsストア」で提供されるアプリと同じですが、Windows Server向けの「.appx」はWindows Server 2016およびNano Serverでのみサポートされる予定です。TP4の時点では、Nano Serverのみが「.appx」をサポートしています。詳しくは、以下のブログを参考にしてください。

「vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目」バックナンバー

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手がける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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