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» 2016年01月12日 05時00分 UPDATE

Microsoft Azure最新機能フォローアップ(11):多様化、複雑化したITインフラ管理の特効薬となるか――Microsoft Operations Management Suite (1/3)

マイクロソフトはクラウド時代に対応する管理ソリューション「Microsoft Operations Management Suite(OMS)」の提供を開始しました。Microsoft OMSは、ハイブリッドクラウド環境の管理に必要とされる新たな管理シナリオを提供します。

[吉田かおる,NECマネジメントパートナー株式会社]
「Microsoft Azure最新機能フォローアップ」のインデックス

連載目次

クラウドベースの新しいIT管理ソリューション

 「Microsoft Operations Management Suite」(以下、Microsoft OMS)は、多様化、複雑化したITインフラをシンプルに管理するためのクラウドベースの新しいIT管理ソリューションです(画面1)。

画面1 画面1 Microsoft Operations Management SuiteのWebサイト(https://aka.ms/jp/oms)。ここから無償評価版を申し込むことができる

 Microsoft OMSの最大の特徴は、Windows、Hyper-V、Microsoft Azure、Linux、VMware、AWS、OpenStackなど、標準であらゆるITインフラを管理できることです。既存の多くの管理ツールは特定のITインフラにしか対応していないため、ITインフラごとに管理ツールを使用する必要がありました。Microsoft OMSでは、単一のコンソールであらゆるITインフラを管理できるようになります(画面2)。

画面2 画面2 Microsoft OMSの中心的なサービスである「Operational Insights」のポータルの画面。Microsoft Azureの新ポータルに似たUIを採用。2016年1月時点、まだ日本語化はされていない

 Microsoft OMSの実態はMicrosoft Azureのクラウドサービスで、「Operational Insights」「Azure Automation」「Azure backup」「Azure Site Recovery」の4つのサービスで構成されています。そのため、専用サーバを用意する必要もなく、保守も不要です。また、数分で設定が完了するなど、素早くIT管理を開始できます。

 マイクロソフトはIT管理ソリューションとして「System Center」を提供していますが、System CenterとMicrosoft OMSはお互いの機能を補完し合う関係になります。例えば、System Center Operations Managerで収集した監視データをMicrosoft OMSで分析したり、System Center Data Protection ManagerでバックアップしたデータをさらにMicrosoft OMSに2次バックアップしたりするなど、System Centerが導入済みであれば、Microsoft OMSを追加することで、ITインフラの管理環境を拡張することができます。

 Microsoft OMSに含まれるMicrosoft Azureの各サービスはSystem Centerがなくても使用できますし、System CenterユーザーにはMicrosoft OMSを安価に利用できるライセンスも用意されています。

 今回は、4つの管理シナリオを例にMicrosoft OMSの機能を紹介していきます。

管理シナリオ1:ログ分析

 ITインフラの管理で欠かすことができない作業の一つが、「ログ分析」です。ログ分析では、OSやワークロードのログを収集し、意味のあるデータとして分析して、問題点を見つけ出します。Microsoft OMSでは「Operational Insights」がログ分析を担当します。

 PC/サーバのログを収集するためには、WindowsまたはLinux用のOperational Insightsエージェントをインストールする必要があります。ただし、System Center Operations Manager(SCOM)を導入済みであれば、SCOM経由でOperational Insightsへ情報を送信できるので、エージェントのインストールは必要ありません。

 収集したログを分析して、意味のあるデータにするには「ソリューションパック」を使用します。ソリューションパックは、ログの収集ルールや分析、視覚化の方法などをパッケージ化したものです。

 2016年1月時点で表1のソリューションパックが無償提供されており、Operational Insightsポータルのコンソールからワンクリックで追加できます(画面3)。

ソリューションパック 内容
Log Search 監視対象からログとイベントを収集し、分析する
Containers Dockerコンテナのログとパフォーマンスを監視する(近日リリース)
Azure Networking Analytics Azureネットワークの問題を追跡する
Alert Management SCOMのアラートを監視する(要SCOM)
Automation Azure Automationを監視する
Change Tracking 監視対象の設定変更を追跡する
Configuration Assessment 監視対象の設定の問題を追跡する(要SCOM)
Site Recovery Azure Site Recoveryを監視する
System Update Assessment 不足している更新プログラムを追跡する
AD Assessment Active Directory環境のリスクとヘルスを評価する
Malware Assessment マルウェア対策の状態とスキャン結果を表示する
Backup Azure Backupを監視する
Capacity Planning 現在と将来のリソースの使用率を計算する(要SCOM)
Security and Audit セキュリティ関連のデータを追跡する
SQL Assessment SQL Server環境のリスクとヘルスを評価する
Wire Data ネットワークのデータを追跡する(近日リリース)
AD Replication Status Active Directoryの複製の問題を追跡する
App Dependency Monitor アプリケーションの依存関係を検出し、マップ化する(近日リリース)
表1 マイクロソフトが無償で提供するソリューションパックの一覧(一部、予定も含む)
画面3 画面3 無償提供される「ソリューションパック」は、Operational Insightsポータルの「Solutions Gallery」からワンクリックで追加できる

 ソリューションパックの一つ「Change Tracking」を追加すれば、PC/サーバの設定変更を追跡できるようになります(画面4)。また、「AD Assessment」や「SQL Assessment」などのアセスメント系ソリューションパックを追加すれば、Active DirectoryやSQL Serverの問題点を検出し、その解決方法が提示されるようになります(画面5)。

画面4 画面4 ソリューションパックの「Change Tracking」では、監視対象の変更管理が可能に。この画面からは「Git」のインストールが確認できる
画面5 画面5 ソリューションパックの「AD Assessment」を利用すれば、Active Directoryの問題点を検出し、その解決方法まで確認することができる。画面は、PDCエミュレーターの正確な時刻の同期について解決方法が提示されている

 分析されたログには、SilverlightベースのWebコンソールやiOS/Android/Windows Phone用のモバイルアプリからアクセスできます(画面6)。また、コンソールには独自にクエリを作成して、ログを選択表示するフィルタリング機能や、ワークスペースに関心のあるデータだけを表示するカスタマイズ機能なども用意されています(画面7)。

画面6 画面6 iOS用のOperational Insightsモバイルアプリ。ワークスペースやクエリも利用できる
画面7 画面7 IISのアクセスログから404エラーだけを抜き出したクエリの例
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