Windows 8、古いInternet Explorerのサポートが終了した日山市良のうぃんどうず日記(56)(2/2 ページ)

» 2016年01月18日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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Windows 7のIE 10以前には通知タブが表示されるように

 2016年1月13日からは、製品サポート期間中のWindowsバージョンで利用可能な最新のIEバージョンのみが、セキュリティ更新プログラムの提供などのサポート対象になりました。Windows VistaはIE 9、Windows 7およびWindows 10はIE 11のみがサポート対象になるということです。Windows 8のIE 10は、Windows 8のサポートが終了したため、同時にサポート終了となりました。

 古いバージョンのIEを実行している場合、2016年1月13日にWindows Updateで配布されたIE向けの更新プログラムが最後の更新プログラムとなります。その中で、Windows 7(およびWindows Server 2008 R2)に対して配布された「Internet Explorer 8/9/10の累積的なセキュリティ更新プログラム(KB3124275)」には、セキュリティ更新に加えて、IE 11へのアップグレードへと誘導する通知機能が組み込まれました。

 例えば、IE 10がインストールされているWindows 7 SP1で、ユーザーが2016年1月13日以降にIE 10を起動すると、新しいタブが開き、IE 11へのアップグレードを薦めるページが表示されます(画面3)。この通知用のタブは毎回表示されるわけではありませんが、定期的に表示されるようになっているようです。なお、この機能はWindows VistaやWindows 8向けには提供されていません。

画面3 画面3 Windows 7でIE 10以前を起動すると、1月13日以降、アップグレードを促すページが新しいタブに表示されるようになる(毎回ではない)

 この通知機能が働いても、タブを閉じればこれまで通り古いバージョンのIEを使うことができます。

 しかし、企業のクライアントPCで、アプリケーション互換性問題などの理由により、どうしてもIE 11にアップグレードできないということもあるでしょう。Windows UpdateでIE 11のインストールを非表示にしたり、Windows Server Update Services(WSUS)や無効化ツールキットでIE 11の配布をブロックしたりしている場合でも、ユーザーがこのページからIE 11のインストールを開始してしまうかもしれません。

 この通知機能は、レジストリキー「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main\FeatureControl\FEATURE_DISABLE_IE11_SECURITY_EOL_NOTIFICATION」を作成し、「iexplore.exe」という名前のREG_DWORD値を作成して「1」に設定することで無効化できます(画面4)。

画面4 画面4 IE 11へのアップグレードを促す通知機能を無効化するレジストリ設定

 64ビット版のWindowsの場合は、64ビット版IE用にもう1カ所にキーと値を作成する必要があります。詳しくは、以下のサポート技術情報で説明されています。

 このサポート技術情報は2016年12月に公開されているので、事前に対処した企業もあると思います。しかし、12月に公開された情報ではレジストリのキー名が「FEATURE_DISABLE_IE11_UPGRADE_TAB_LAUNCH」と間違っていました。正しいキー名は「FEATURE_DISABLE_IE11_SECURITY_EOL_NOTIFICATION」ですので注意してください。

.NET Frameworkのバージョンチェック

 最後に、2016年1月13日の.NET Framework 4/4.5/4.5.1のサポート終了に関してです。

 Windowsには複数バージョンの.NET Frameworkをインストールして実行できます。そのためか、使用中のWindowsにインストールされている.NET Frameworkのバージョンを簡単に調べることができないようです。

 以下のMSDN(Microsoft Developer Network)ドキュメントに、レジストリを参照してバージョンを調べる方法と、プログラムコードから確認するサンプルがあるので、企業内での調査の参考にするとよいでしょう。なお、最新のバージョン情報が早く反映される英語版ページの方も確認してください。

 以下のリスト1は、筆者が作成した.NET Framework 4.5以降のバージョンを調査する簡単なWSH(Windows Script Host)スクリプトです(画面5)。.NET Framework 4.0以前は、上記のドキュメントにサンプルコードがあるので省きました。ぜひ、.NET Frameworkのバージョンチェックにご活用ください。

Const HKEY_LOCAL_MACHINE = &H80000002 
 
strComputer = "." 
Set objRegistry = GetObject("winmgmts:\\" & strComputer & "\root\default:StdRegProv") 
  
strKeyPath = "SOFTWARE\Microsoft\Net Framework Setup\NDP\v4\Full" 
strValueName = "Release" 
objRegistry.GetDwordValue HKEY_LOCAL_MACHINE,strKeyPath,strValueName,strValue 
If IsNull(strValue) Then 
    Wscript.Echo ".NET Framework 4.0 ? (End of Lifecycle)" 
Else 
    Select Case strValue
    Case 378389
         WScript.Echo ".NET Framework 4.5 (End of Lifecycle)"
    Case 378675		'Windows 8.1 or Windows Server 2012 R2
         WScript.Echo ".NET Framework 4.5.1 (End of Lifecycle)"
    Case 378758		'Windows 8 or Windows 7 SP1 or Windows Vista SP2
         WScript.Echo ".NET Framework 4.5.1 (End of Lifecycle)"
    Case 379893
         WScript.Echo ".NET Framework 4.5.2"
    Case 393295		'Windows 10 ver 1507 build 10240
         WScript.Echo ".NET Framework 4.6"
    Case 393297		'Windows 8.1 or older ver
         WScript.Echo ".NET Framework 4.6"
    Case 394245		'Windows 10 ver 1511 build 10586
         WScript.Echo ".NET Framework 4.6.1"
    Case 394271		'Windows 10 or older ver
         WScript.Echo ".NET Framework 4.6.1"
    Case Else
         WScript.Echo ".NET Framework Unknown version"
    End Select
End If
リスト1 .NET Framework 4.5以降のバージョンを調査するWSHスクリプト:mydotnet4ver.vbs
画面5 画面5 .NET Framework 4.5以降のバージョンを識別するWSHスクリプトの例
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筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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