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» 2016年01月18日 16時31分 UPDATE

AzureはAWSに対抗値下げ:2016年1月、AWS、Azure、GCP間の「クラウド価格戦争」が再燃

2016年1月に入って、Amazon Web Services(AWS)、Google Computing Platform(GCP)、Microsoft Azureの間での価格に関する争いが再燃している。AWSに続きAzureが値下げを発表、GCPはAWSの値下げ後も自らがプライスリーダーだと主張した。

[三木 泉,@IT]

 AWSは2016年1月5日(米国時間)、Amazon EC2のC4、M4、R3インスタンスの価格を5%引き下げたことを明らかにした。同社として51回目の値下げだという。オンデマンド、リザーブドインスタンス、デディケーテッドホストが対象。オンデマンドおよびデディケーテッドホストの新料金は、1月1日にさかのぼって適用される。リザーブドインスタンスは1月5日よりの適用となる。

米グーグルは、それでもプライスリーダーだと主張

 AWSの値下げの2日後の1月7日、米グーグルはGCP担当のマイルズ・ワード(Miles Ward)氏が、「今回の値下げ後も、GCPのコンピュートリソースのほうが15〜41%安価」だと主張するブログポストを書いた。

 ワード氏の説明は、一見分かりやすいものになっている。GCPでは2015年11月に「Custom Machine Type」を提供開始している。これを使い、仮想CPU数とメインメモリー量については、他社の仮想インスタンスタイプと同条件で比較できるようなったからだ。

 GCPを含む多くのIaaSでは、事前構成のスペックに基づく各種の「仮想インスタンスタイプ」が提供されている。IaaS事業者間で仮想インスタンスタイプの構成が異なるため、料金を比較するのは困難。だがCustom Machine Typeでは、望みのvCPUおよびメインメモリー量で仮想インスタンスをカスタム構成できる。

 ワード氏はこれを使い、同一構成でAWSとGCPの仮想インスタンスの料金を比較している。下の表を示し、15〜41%安いとしている。EC2についてはオンデマンドインスタンスの時間単位料金(値下げ後)で計算。GCPについては、ワード氏自身も述べているように、一カ月間の利用時間に応じ、段階的に単位料金が下がる「Sustained Usage Discounts」を適用している。このSustained Usage Discountsが、GCPの低料金に大きく寄与している。

im_ait_awsgcpazure01.jpg ワード氏がブログポストで示した表

 例えば表の最下行は、AWSの「c4.large」のLinuxインスタンス(US East)と、これに同じvCPU数/メモリー量になるように構成したGCPのCustom Machine Type(米国)を比較している。ワード氏は、どちらも一カ月730時間で計算している。Custom Machine Typeの料金は、1 vCPU当たり0.03492ドル、メインメモリー1GB当たり0.00468ドルであるため、ディスカウントなしだと一カ月63.79ドル。これでもAWS c4.largeの76.65ドルに比べれば17%安いが、Sustained Usage Discounts後は44.66ドルと、大幅な違いになっている。

リザーブドインスタンスを使うならあまり変わらない

 既述のとおり、ワード氏の比較では、GCPについてはSustained Usage Discounts を適用している一方、AWSについてはリザーブドインスタンス考慮せず、オンデマンドインスタンスの料金を使っている。ワード氏にしてみれば、事前のコミットメントを必要とし、その後の値下げ効果を享受できないリザーブドインスタンスと、利用実績に基づいて事後に適用されるSustained Usage Discountsでは、根本的に自由度が異なるということのようだ。

 だが、リザーブドインスタンスによる事前のコミットが大きな問題とならないユーザーあるいは用途なら、この比較は変わってくる。c4.large(US East)は1年コミットの場合、事前支払いゼロのシナリオで一カ月56.94ドル、全額事前支払いだと576ドル(月平均48ドル)になる。

Microsoft Azureは対抗値下げを2月に実施

 一方、米マイクロソフトは1月14日、クラウドプラットフォームの製品マーケティングディレクターであるニコル・ハースコヴィッツ(Nicole Herskowitz)氏がブログポストで、高速CPUを採用した「Dv2シリーズ」を2月に値下げすることを明らかにした

 「US-East2」リージョンの場合、D1 v2〜D5 v2はWindows Serverインスタンスで10%、Linuxインスタンスで14%の値下げ、D11 v2〜D14 v2は Windows Serverインスタンスで13%、Linuxインスタンスで17%の値下げとなる。

 ハースコヴィッツ氏は、この値下げについて、AWSに対抗するためと明言しているが、こちらはAWSと同一条件で比較するのが難しく、同氏も比較のためのヒントを示していない。

 ハースコヴィッツ氏は今回の値下げ以外にも、Enterprise Agreementを結んでいる顧客であればさらにディスカウントを受けられる、時間単位でなく分単位の課金である、開発者向けのディスカウントがある、事前支払いオプションがある、オンプレミスのWindows Serverのライセンスのアドオンで、特別ディスカウントを得られる、といった価格面での優位性について述べている。

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