NTTドコモの6600万顧客のリアルタイムビリング基盤「MoBills」を支えるデータベース基盤とは”ノンチューニングで高速”をどう実現したか(3/3 ページ)

» 2016年01月20日 07時00分 公開
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導入コストは4分の1、運用/保守コストは半減、ファシリティは10分の1に削減しながら、性能は10倍に

 Oracle Exadataの採用を決めたNTTドコモは、2013年9月よりデータベース基盤をUNIXサーバからOracle Exadataに移行するプロジェクトを開始する。まず2014年1月、先行着手していたアプリケーションサーバをUNIXサーバからIAサーバへ移行するプロジェクトを完成させ、続いて2014年9月、Oracle Exadata移行プロジェクトとして、まず第一弾となる通話/通信明細データを格納するデータベース(DSR)が稼働を開始した。

 「DSRのサービスインから約1年が経過しましたが、Oracle Exadataは非常に安定して稼働し、当初の期待通りの性能を発揮しています。

 これまでは、システムの性能や容量が不足する度にサーバやストレージを個別に調達し、それらを組み上げてシステム基盤を作るといった作業に多くの期間をかけていました。しかし、Oracle Exadataなら、納入された製品にスイッチを入れれば、すぐに最高の性能を発揮します。これにより、データベース基盤のスピーディな調達が可能となり、サービス提供までの期間が短縮されます。この特性を武器にして、当社のビジネス優位性をより強固なものにしていきたいと思っています」(嶌村氏)

NTTドコモ 情報システム部 料金システム担当 主査の鈴木潤一氏

 導入作業を主導したNTTドコモの鈴木潤一氏(情報システム部 料金システム担当 主査)は、Oracle Exadata上で稼働するMoBillsの状況を次のように説明する。

 「現在のMoBillsは、約6600万件の契約者情報として2〜3PBのデータを格納/管理しており、お客さまの新規契約や契約内容の変更といったサービスオーダー情報が1日に約100万件寄せられます。これらの情報と、1日に約10億件が登録される通話/通信の履歴情報(CDR)をリアルタイムに照合し、個別に料金を算出するわけです。極めて膨大なデータ処理を行うことから、新データベース基盤にはピーク時に約300万SQL/秒の性能が求められますが、Oracle Exadataは高い性能を発揮しながら問題なく稼働しています」

 それでは、Oracle Exadataの導入により、コスト削減や性能向上の目標はどのように達成されたのだろうか。小金沢氏は語る。

 「今回、Oracle Exadataに移行することで、導入コストを約4分の1、運用/保守コストを約2分1、ファシリティ面ではラック数を350台から30台と約10分の1に削減した上で、性能は約10倍に向上しました。さらに、高可用性アーキテクチャとしてOracle MAAを採用したことにより、個別プロジェクトで特別な作りこみを行わなくても高い可用性を実現し、サービスレベルを高めることが可能になりました。アプリケーションとデータベースを分離した設計にしたことで保守性や移植性が向上した他、事前構成済みであるというOracle Exadataの特徴により、導入時の対応工数も大きく減っています」

Oracle Exadataが垂直統合型システムのイメージを変えた。今後はマルチテナント、Oracle Database In-Memoryの活用も視野に

 DSRの安定稼働を確認したNTTドコモは現在、請求額/請求明細データを格納するDSBを2016年1月にサービスインすべく作業を進めている。また、通話/通信情報を基にしてリアルタイムに算出した請求データを他システムに連携するためのデータ加工/編集を行うバッチ処理用データベース基盤については、既にOracle Exadata上での稼働が始まっている。

 「請求系の処理では、約6600万人の請求額を確定するための大規模な月次での締め処理があります。この請求額確定処理の結果を受け、さらに各種バッチ処理が実行されるのですが、それぞれに業務遂行上の許容時間が決まっています。現状はタイトなスケジュールで運用していますが、Oracle Exadataで大幅に処理時間を短縮できれば、システム運用が簡素化されるとともに、今後新たなサービスを次々に追加できる余裕が生まれるでしょう」(井上氏)

 この他、トラフィック情報を長期間、蓄積するシステムをOracle ExadataとOracle Database 12cの組み合わせで検証しており、さらに、+dの他のシステム基盤についてもOracle Exadataの導入を前提に検討を進めている。また、「将来的にはマルチテナントアーキテクチャやOracle Database In-Memoryといった機能の活用も視野に入れ、それらの最新技術を駆使しながらシステム基盤のさらなる高度化を推進していきたい」と井上氏は話し、最後に次のように明かした。

 「実をいうと、従来の垂直統合型システムに対しては、それこそベンダーロックインを強要するものだと感じ、良いイメージを持っていませんでした。しかし今回、Oracle Exadataを徹底的に検証したことで、そのイメージが完全に払拭されました。Oracle Exadataは業界にインパクトを与える革新的な製品だと思っています。

 Oracle Exadataの導入をはじめとするMoBillsの基盤刷新プロジェクトは、自ら積極的に変化を求めることにより、IT面とビジネス面で早期に大きな成果を得るというチャレンジでした。他のOracle Databaseユーザーの皆さんも、『限界が来るまで変化を避ける』のではなく、ぜひ積極的に最新のITによる変革に取り組み、その恩恵をいち早く手に入れていっていただきたいですね」

 なお、同社は新サービスをより早く、低価格で提供していくために、スピードやコストの観点から今後はパブリッククラウドの活用も視野に入れていく。年内の国内データセンター開設が予定される「Oracle Cloud」は、その有力な候補の1つとなりそうだ。

 多様なニーズへの俊敏な対応により顧客との長期的な関係強化に努め、パートナー企業との協創を通してさらなる価値創出にまい進するNTTドコモ。Oracle Exadataにより10年先を見据えて構築された新データベース基盤は、今後も同社の躍進を支えていく。

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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年2月19日

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