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» 2016年01月29日 10時00分 UPDATE

浦島太郎にならないために:10年超のブランクを克服して現場復帰したエンジニアは、空白期間に何をしていたのか?

「ドッグイヤー」と言われるほど変化の早いIT業界では、たった数年IT業界から離れていただけで取り返しがつかないことになる場合がある。一方、10年以上現場を離れていても、ITの仕事に復帰するエンジニアもいる。その差はどこにあるのだろうか。

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 何らかの理由で一度エンジニアを辞め、後に戻ろうと思った人の眼の前に立ちはだかるのが、「ITの仕事から離れていた期間=ブランク」の克服という大きな壁だ。

 新たな技術が次々と登場し、トレンドの移り変わりも早いIT業界。ほんの1〜2年業界から離れていただけで、いざ現場復帰しても、まるで浦島太郎のように周囲の変化に取り残されるという話も聞く。また、企業がブランクのあるエンジニア採用を敬遠しがちであるという厳しい現実もある。

 しかし、そうした壁を乗り越えて、現場に復帰するエンジニアもいる。

 今回お話を伺った梶道人さん(39歳)は、なんと10年超ものブランクを乗り越え、派遣という働き方で、開発の現場に復帰したエンジニアだ。「プログラミングが好き」という一途(いちず)な思いが、長期間のブランクを克服する助けになったという。

マネジメントのキャリアに魅力を感じず退職

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 梶さんは2000年に大学の商学部を卒業し、大手SI企業に就職した。

 もともとPCが好きで、Windows 3.1の時代からPCに親しんでいた梶さん。当時プログラミングの入門的位置付けで人気だったマイクロソフトの「Quick Basic」でプログラミングを覚え、自作のタイピング練習ソフトなどを作っていたという。

 大学時代も統計学の授業などを積極的に選択し、多変量解析を行うためにコンピュータをよく利用していた。

 「昔からコンピュータを使って、自らの手で何かを生み出すことが好きでした」と語る梶さんがIT業界に就職したのは、ごく自然な流れだった。

 大手SI企業では金融系システムの開発部門に配属され、主にクレジットカード会社向けのシステム開発を手掛けたという。

 そんなある日、会社の上司と面談し、自身のエンジニアとしての将来のキャリアについて話し合った。そこで上司が提示した将来像は、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネジャーといった、マネジメント色の濃いキャリアへのステップアップだった。

 学生時代からプログラミングに親しみ、IT業界で念願のエンジニアデビューを果たしたばかりの梶さんには、予算や人の管理という間接的な業務が増えるマネジメントのキャリアは魅力的に映らなかった。

 「いつまでも手を動かしてモノづくりをしていたい」という強い思いもあり、このままでは、理想とするエンジニア像を実現できないのではないかと思い悩み、ついに梶さんは退職を決意する。入社から2年が過ぎたころだった。

音楽活動、そして舞台演出システムの開発へ

 音楽が好きだった梶さんは、退職後、学生時代から続けていたバンドの活動に本腰を入れた。

 梶さんのパートはドラム。ポストロックと呼ばれるジャンルのバンドで活動し、CDもリリースして一定のファンをつかんでいた。練習とライブ活動に明け暮れる日々だったが、プログラミングに対する情熱の火も消えていなかった。

 「プログラミングが好きというのは昔も今も変わりません。当時も暇を見つけてはバンドのWebサイトを制作したり、ステージを演出するためのシステムを開発して、ライブを盛り上げたりしていました」

 梶さんが開発したのは、演奏曲の音に反応して3D CGを投影するシステム。クラブなどで行われているVJ(ビデオジョッキー/ビジュアルジョッキー)を自動化したものと考えればよいだろう。

 バンド活動は順調だったものの、CDの売り上げだけでは食べていけない。フリーランスでのプログラム開発も常に仕事があるわけではない。そこで梶さんは、他の仕事との兼業を始める。

 梶さんが選んだのは、派遣という働き方だった。商社での在庫管理業務や、メーカーでの軽作業など、音楽活動の妨げにならないように、週3日程度のペースで働いた。

 「プログラミングは好きでしたが、週3日ペースとなると開発の仕事は難しい。それならばIT以外の仕事がいいかなと考えました。それに、どんな仕事も突き詰めていけば『楽しい』と感じられるようになったのは、大きな収穫でした」

 しかし収入は非常に不安定だったそうだ。実家に住んでいたので何とか暮らしていけた、と梶さんは当時を振り返る。

立ちはだかるブランクの壁

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 そんな生活を続けて10年が過ぎたころ、梶さんはIT業界に戻ろうと決意する。フルタイムで働き、実家を出て、きちんと暮らせるようになりたい、と思ったからだ。仕事は「好きなソフトウェア開発」と決めていた。

 しかし、復帰には大きな壁があった。それは10年超に及ぶエンジニアとしてのブランク期間だ。

 もちろん、その間も技術にまったく触れていなかったわけではない。フリーランスとして開発の仕事をしていたし、大手SI企業勤務時代に使っていたJavaやC++に加え、PHPやC#といったプログラミング言語もマスターしていた。

 それでも、正社員となると転職先は思うように見つからなかった。

 やはりブランクは大きなハンデになるのだろうか。それならばと、梶さんはリクルートスタッフィングに登録することにした。職探しは専門家に任せた方が良いという判断もあった。派遣社員という働き方は、梶さんにとってすでになじみ深いものだっただけに、決断も早かった。

 「あらかじめ仕事内容が明確な派遣という働き方は気に入っていました。派遣会社としてリクルートスタッフィングを選んだのは、何社かの派遣会社を見比べて、IT系の仕事が最も充実しているという印象を持ったからです」

 この選択が見事に功を奏した。大手SI企業を退職した2001年から数えて11年後の2012年、梶さんはIT業界に復帰することになった。

「まさか!」の人気Webサービス開発で現場復帰

 リクルートスタッフィングから紹介された仕事は、人気Webサービスを企画・開発・運営する企業での新規サービスの開発だった。

 「私ももちろんその企業は知っていました。しかし、ブランクのある私にそんなメジャーな企業の仕事が紹介されたので『まさか!』という思いでした。恐らくリクルートスタッフィングの担当者が、奔走してくださったのだろうと思います」

 エンジニアにある程度裁量を持たせてくれる、開発の自由度が高い職場。仕事ではPHPを使って新規サービスを次々と開発しているという梶さんだが、長きにわたるブランクからの復帰で、浦島太郎のような状況には陥らなかったのだろうか。

 「バンド活動中もPHPでいろいろなプログラムを作っていたので、プログラミングそのものは特に戸惑うようなことはありませんでした。ただし、現場で使われていたフレームワークは未経験だったので、Webサービス企業で働き始めてから勉強しました」

 フルタイム勤務とバンド活動は1年ほど両立した。しかし、ITエンジニアとしてのさらなる成長を考えるようになった梶さんは、IT業務と資格取得の勉強に専念するために、メンバーと話し合い、バンドを脱退することにした。

 その後、かねてよりお付き合いしていた女性と結婚し、プライベートでも新生活がスタートした。梶さんは、今後の目標をどのようなところに定めているのだろうか。

 「いつまでも現場で手を動かしていたいという気持ちは変わりません。そのためにはスキルを磨き、周囲からも認められるために、その裏付けとなるものを築いていくことが大切です。現在は、IPAの情報処理技術者試験全てに合格することを目標に掲げています」

 基本情報処理(当時の第二種情報処理技術者試験)は学生時代に合格していたという梶さんは、すでに応用情報処理技術者と情報セキュリティスペシャリストも合格しており、次はデータベーススペシャリストにチャレンジするという。技術習得や自己研さんに積極的な梶さんらしい目標だ。

 梶さんの10年超のブランク克服は、プログラミングが大好きで、長らく現場から離れていた時期でも、常に最新技術の習得や技術研さんに励んでいたからこそ成しえたものと言えよう。

 職歴にブランクがあるから即NGというわけでないことは、梶さんの例を見ればよく分かる。もしあなたが、エンジニア職を離れて久しく、ブランクを気にして現場復帰に踏み切れないのならば、派遣という働き方にチャレンジしてはいかがだろうか。

 そこから新たな道が切り開かれるかもしれない。

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提供:株式会社リクルートスタッフィング
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2016年2月28日

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