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» 2016年02月05日 05時00分 公開

その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(51):Windows 10時代のアプリ互換性問題は、RemoteAppが救世主になるかも? (3/3)

[山市良,テクニカルライター]
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アプリの終了でログオフさせたい場合には……

 デスクトップ全体へのリモートデスクトップ接続は、「ログオン(サインイン)」「切断」「ログアウト(サインアウト)」のいずれかで、セッションを接続または切断することができます。RemoteAppの場合、1つ目のアプリケーションの実行でログオンが行われ、2つ目以降のアプリケーションの実行は同じセッション内で行われます。アプリケーションを終了しても、既定ではセッションはサーバが再起動されるか、デスクトップ全体に接続してログアウト操作するまで維持されます。

 Active Directoryドメインベースの標準的なリモートデスクトップサービスの展開では、標準の管理ツールを使用してセッションの時間制限や切断の動作をカスタマイズできますが、スタンドアロン環境ではそれができません。対策は、「ローカルコンピューターポリシー」によるカスタマイズです。例えば、アプリケーションを終了したら短時間でセッションも終了する(ログオフする)ようにしたいのであれば、次のポリシーを構成します。これにより、アプリケーション終了後、最短1分でセッションを終了させることができます。

  • ローカルコンピューターポリシー:コンピューターの構成\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\リモート デスクトップ サービス\リモート デスクトップ セッション ホスト\セッションの時間制限
  • 切断されたセッションの制限時間を設定する:1分以上の時間
  • アクティブでアイドル状態になっているリモート デスクトップ サービス セッションの制限時間を設定する:なし
  • 制限時間に達したらセッションを中止する:有効

カーソルが点滅しない問題

 筆者も先日まで気付かなかったのですが、リモートデスクトップ接続では、カーソルの点滅設定(「コントロールパネル」→「キーボード」→「速度」→「カーソルの点滅速度」)に関係なく、カーソルの点滅は無効化されます。

 主に入力業務を行うアプリケーションの場合、カーソルが点滅していないと、現在のフォーカスがどこにあるのか分かりにくい場合があります。RemoteApp接続の場合は、それがさらに分かりにくくなります(画面5)。

画面5 画面5 RemoteAppで起動した業務アプリケーションの例。現在、件名のテキストボックス内にカーソルがあるが、点滅していないと分かりにくい

 リモートデスクトップ接続でカーソルの点滅が無効になるのは、リモートデスクトップ接続のネットワーク使用帯域を節約するためのWindows Server 2003およびWindows XPからの既定の仕様のようです。確認してみたところ、Windows 2000 Serverまでは何も設定しなくても、リモートデスクトップ接続のセッションでカーソルは点滅していました。

 この既定の動作を解除し、カーソルを点滅するようにするには、サーバ側に次のレジストリ値を作成します(画面6)。

  • キー:HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server
  • 値の名前:CursorBlinkEnable
  • 値の種類:REG_SZ
  • 値のデータ:1

画面6 画面6 リモートデスクトップ接続(RemoteAppを含む)において、カーソルの点滅を有効化するレジストリ設定

 コマンドプロンプトを管理者として開き、次の1行のコマンドラインを実行すれば、上記のレジストリ値を簡単に作成できます。

REG ADD "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server" /v "CursorBlinkEnable" /t REG_SZ /d 1


 絶えず変化するWindows 10に、業務アプリケーションをその都度対応させていくのは大変な作業です。しかし、RemoteAppテクノロジーを利用して業務アプリケーションの環境を全てサーバ側に置いてしまえば、クライアント側の変更なんて「どんと来い」です。

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筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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